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最優先事項 第一部 (7つの習慣)

〜〜5523文字(10分で読めます)〜〜

世界的な成功哲学のバイブル『7つの習慣』より、特に第2、第3の習慣に注目して、時間管理や目標設定の仕方についてまとめた本。

その内容をできるだけ分かりやすく簡単にまとめます。
最後に簡単な穴埋めテストもつけておくので、一緒に学んでいきましょう。

第一部『時計とコンパス』より

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第1章 『死の床で「もっと長い時間を職場で過ごしておけばよかった」と後悔する人はどのくらいいるだろう?』

章のタイトルが長いわ!笑
自分はどうだろう、と考えてみたけれど、こと”時間の長さ”について、こうしておけばよかった〜という軸ではないような気がする。
あるあるなのは、「もっと家庭を省みる時間を〜」みたいな話。

これまでのビジネス書では、時間をどう効率的に使うか、より多くをこなすにはどうしたらいいのか?設定した目標を確実に達成するには?という話ばかりの中、

そもそもそれってやる意味ある?

と、前提を疑いましょうという話が出てきた。
人は、時計を見てあくせくしてばかりであるが、そんなことよりコンパスを見よう、と。やる必要のないことは捨て、「私はここへ向かっているんだ」と自信を持って言えることに時間を使ったり、その速さを磨いたり、ということが必要だ、と。

”目標を立て、ゴールを目指すよりも、習慣にしてしまった方が遠くまで行ける”
”有意義な人生はスピードや効率の問題ではない。大切なのは、人生において何をするのか、なぜそれをするのかであって、いかに速くそれをするかではない。”

間違った方向に爆速で進んでも、全ては意味のないこと。働いたり、自分の時間を効率的に使ったり、ということは、自分の中の何らかの”目的”に向かいたいという、自分の欲求から来ているはず。
その方向が分からないまま突っ走ってもしょうがないので、「自分がどこを目指しているかを見定める方法」と、「超あるあるな、見失い方のパターン」が続いていく。特に以下の一節がグッと来た。

”「良い」と「悪い」のどちらかを選ぶなら、話は簡単だ。〜〜中略〜〜 ほとんどの人にとって問題なのは、「良い」と「悪い」を区別することではなく、「良い」と「最良」を見極めることなのである。”

いやそれな!!!と。
悪いことはやらない、良いことはする、それくらいの知性はある(笑)
難しいのは、「良いこと」と「最良のこと」の区別が曖昧だったり、「最良のこと」をどこかで後に回してしまって、「良いこと」を集めては、「最良のこと」が抜けて、焦る、という構図だろう。
何でそれが起きちゃうの?というのが第2章。

第2章 『緊急中毒』

この本自体が時間管理や優先順位付けをテーマにしているけれど、その中において、「効率よりも方向性」が大事、そして何より優先順位を間違えがち、ということを第1章では理解した。

第2章、まず最初の1行がぶっ刺さった。

”無意識に小事ばかりをするのは、意識的に大事に取り組まないのと同じである。”

はい、ごめんなさい。皆さんも心当たりがあれば、コヴィー先生に素直に謝りましょうね。

ここで有名な、『重要度ー緊急度マトリックス』(時間管理マトリックス)の話が出てくる。

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シンプルに、

①緊急かつ重要(第一領域) →即やれ
②緊急ではなくて重要(第二領域) →無理やり時間とってでも絶対やれ
③緊急で重要ではない →やらんで良い。第一領域っぽく見えるので注意
④緊急でも重要でもない→絶対やるな。けどやるの止まらないので注意

そんな感じ。
で、3と4はやらなくても良いのに何でやっちゃうかっていうと、
4は逃げ。
3は、「緊急対応はキモチイイからやめられない」

中毒(今は”依存症”が正確だと思う)の条件とは、

・確実に期待通りの興奮が得られる。
・最大の関心ごとになり、そのことばかりに注意がいく。
・痛みやネガティブかな感情から一時的に逃れることができる。
・見せかけの自尊心、力、コントロール、安心感、親密感、達成感が得られる。
・解決したい問題や感情がますます悪化する

ですって!
緊急時に(でもさして重要ではない)仕事をこなすと、ランナーズハイ的な感じで気持ち良くなる。感謝もされる。
とはいえ、最も重要な第二領域は進んでないので、その緊急度が上がり第一領域が圧迫される→余計に第二領域に割く時間がなくなる。

こういうループで、優先順位付けがうまくいかない、という仕組み。


第3章 『生きること、愛すること、学ぶこと、貢献すること』

この章も、一発目からパンチがすごい。

”より多くのことをより速く行っても、正しいことを行う代わりにはならない。”

ごめんなさい 2nd。
まさに第2章の、第1領域に見える第3領域の仕事(緊急そうだが実は重要ではないやつ)をやってしまいがちな人にはガツンとくるのではないかと思う。

じゃあ第一領域に入るような、『最優先事項』って何なのよ。という。

そのためには、

人間の4つのニーズを満たしながら、原則に従い人間の4つの能力を駆使して行けば良い、とのこと。

<4つのニーズとは>

・生きること(肉体的ニーズ)
・愛すること(精神的ニーズ)
・学ぶこと(知的ニーズ)
・貢献すること(社会的ニーズ)

特に、満たすときにはバラバラにではなくて、ベン図で重なるところがあるはずなのでそこを狙う。時間は有限だし、単発で満たすより全体が重なる方が良いし、等しく重要なのでどれかを切ることはできないから。

<原則に従う、とは>

春に種を撒かず、畑も耕さずに、秋に収穫を期待するのは無理という話で、基本原則に沿わない結果は、決して得られることはない。
それぞれのニーズにこの原則を当てはめると

・生きること(肉体的ニーズ)
一朝一夕で健康で美しい肉体は得られない。経済面で言えば、短期でモノを買ってかりそめの満足をするのではなく、長期で倹約、経済基盤を作ることの方が重要。

・愛すること(精神的ニーズ)
自分中心に、自分の欲求を満たそうとして他者から愛情を求めてもうまく満たされず、何より人のためにまず与えることが必要。この原則を外れて満たされることはない。

・学ぶこと(知的ニーズ)
何かを学び、自分の知恵や教養にまで落とし込むには、長い時間をかけたり反復する必要がある。一夜漬けでの短期的な成功では知的ニーズを満たさない。

・貢献すること(社会的ニーズ)
信頼関係とは、人との約束を守ったり、思いやりを持って接し続けることで出来上がっていく。外見を整えたり、その場しのぎの言葉だけで信頼を勝ち得ることはできない。

まぁ当たり前と言えば当たり前なのだけど、見失いがちな原則で、ここの原則にそぐわないまま、何かを得るということはない。


<人間の4つの能力、とは>
『最重要事項』がどんなものかはわかったとして、継続的にその最重要事項を意識して、そちらに向かって動いていかなければいけない。そのために必要になるのが、『自覚、良心、意思、想像』の4つの人間の能力。

自覚・・・自分を客観視して行動を調整したり、自分のものの見方の枠組み(パラダイム)に気づく力。刺激(出来事)と反応(自分の心の動きや、行動)の無意識の関係に気づいて、修正する。
→これまでだと主に心理学的(メタ認知など)の文脈で多く語られる。

良心・・・原則に沿った行動と、そうでない行動をより分けてアラートを鳴らしてくれる。それはやるべきではない、やってはいけないことなのでは?と、教えてくれる。
→宗教的な文脈で多く語られることが多い。

意思・・・自分の置かれた環境、育ちとは別に、あるべき自分、ありたい自分に向けて、行動するための後押しをしてくれる。他者や環境、何らかの理由のせいではなく、自分の意思により行動を選択し、自分を良い方向へ導くことができる。
→成功哲学、自己啓発的な文脈で語られることが多い。

想像・・・原則に沿って、4つのニーズを満たしていく上で、どうしたら今の状況でそれができるのか、他の人により良い影響を与えながら生きていくには、どういうアイデアがあるのか、ということを創造してくれる。
→コーチング、NLPからデザイン、アイデアなどの文脈で語られる

それぞれの能力が、今までいろいろな文脈で語られてきたけれど、4つを重ねて伸ばして行こう、バランスよく伸ばして行こうというアプローチは少ない。また、4つのニーズと同様に、4つの能力が重なるところ(シナジーが起こるところ)を狙うという視点がないので、そういう視点を持つ必要がある、とのこと。4つの能力をそれぞれ伸ばしながら、相互作用を作っていくことが、自分の中に最高のリーダーシップを作っていくことになる。
とのこと。

それぞれを伸ばすため、コヴィー先生はこれをすれば良い というのを挙げているので一部紹介。

・日記を書く
・本を読む(古典などの普遍的真理が語られているもの)
・内省すること(そしてその中で聞こえる内なる良心の声に従うこと)
・自分や他人との約束を守ること
・不快で痛みを伴う状況を想像し、どう対処するかイメトレする


最後に、この章のまさにまとめかなと思ったので以下の文を引用する。

”ほとんどの人が第四世代の時間管理を求めていることも、我々は経験から実感している。人々はスケジュールよりも人を優先し、時計よりもコンパスを優先したいと思っている。何かに貢献する有意義な人生を生きたいと思っているのである。生きること、愛すること、学ぶこと、貢献すること、これらのバランスが取れ、喜びに満ちた人生を求めているのだ”

第四世代の時間管理とは、本書の中では、第三世代までの「時間をいかに効率的に扱うか」という視点ではなく、「何を満たしたいのか?その時間の中で得られた充足感は、使った時間に対して有意義と言えたのか?」という、『時間の質』に注目した時間管理のこと。
人は、幸せになるために生きていて、そのために限りある時間をどう使うのかを学びたいと思っている。そのためには、『最優先事項』を明確にして、そこに時間を使うこと、最優先ではないことにはどんなことがあるのかを把握し、そちらに流されてしまいがちな人の習慣を変えていくことが重要、というのが、どうも本書の一番言いたいことなんじゃないかな?と、理解した。

第2部からは、おそらく、「具体的にどうやってくの?」という各論に入っていく様子。また読んだらまとめます。
第1部について、以下の項目に穴埋めしていきながら理解度を測ってみましょう!(解答は末尾に書いてます。)
答えに詰まるものは、記事を読み返すか、原著を読んでみましょう。(そしてぜひ語りましょう^^)

思ったより時間かかってしまったけれど、何より自分によって一番勉強になった。質問、ご指摘等、コメント欄でお願いします^^

もし好評なら続きをどんどんまとめていこうと思うので、”スキ”お願いします!

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Q1.
時間管理について、時間の(  )よりも時間の(  )の方が大事。

Q2.
優先順位を考える上で、(    )と(    )を区別するのは簡単で、(   )と(     )を区別するのが難しい。

Q3.
第1領域・・・(    )&(    )なこと
第2領域・・・(    )&(    )なこと
第3領域・・・(    )&(    )なこと
第4領域・・・(    )&(    )なこと

Q4.
時間管理マトリックスにおいて、やるべきなのは(    )と(    )、やらないべきなのは(    )と(    )

Q5.
第( )領域は、第( )領域っぽく見えるので注意

Q6.
第3領域がやめられないのは、緊急対応は(     )から

Q7.
人間が人生において満たしたい4つのことは、(     )(     )(     )(     )である。
そしてそれは必ず、(  )に従って満たしていく必要がある。(  )に従わなければ、満たすことができない。

Q8.
4つのニーズを満たすために人間の持つ4つの能力、(  )(  )(  )(  )を伸ばし、使いこなす必要がある。








ーーーーーーー以下解答ーーーーーーー

Q1のAnswer
時間管理について、時間の(効率)よりも(質)の方が大事。

Q2のAnswer
優先順位を考える上で、(良いこと)と(悪いこと)を区別するのは簡単で、(良いこと)と(最良のこと)を区別するのが難しい
→最優先 とか、最善とかでもいいと思います。

Q3のAnswer
第1領域・・・(緊急)&(重要)なこと
第2領域・・・(緊急ではない)&(重要)なこと
第3領域・・・(緊急)&(重要ではない)なこと
第4領域・・・(緊急ではない)&(重要ではない)なこと

Q4.のAnswer
時間管理マトリックスにおいて、やるべきなのは(第1領域)と(第2領域)、やらないべきなのは(第3領域)と(第4領域)

Q5.のAnswer
第(3)領域は、第(1)領域っぽく見えるので注意

Q6.のAnswer
第3領域がやめられないのは、緊急対応は(キモチいい)から

Q7.のAnswer
人間が人生において満たしたい4つのことは、(生きること)(愛すること)(学ぶこと)(貢献すること)である。
そしてそれは必ず、(原則)に従って満たしていく必要がある。(原則)に従わなければ、満たすことができない。
→肉体的ニーズ、精神的ニーズ、知的ニーズ、社会的ニーズとかでもいいと思います。

Q8.のAnswer
4つのニーズを満たすために人間の持つ4つの能力、(自覚)(良心)(意思)(想像)を伸ばし、使いこなす必要がある。

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