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『青くて痛くて脆い』住野よるが送る青春小説、大学生版!吉沢亮と杉咲花で映画化された、心の闇を描いた1冊

住野よるさんといえば、『君の膵臓を食べたい』を筆頭に、物語の主人公を高校生以下にすることが多い印象ですが。今回紹介する『青くて痛くて脆い』は、大学生の青春を描いた作品です。

タイトル通り、主人公がめちゃくちゃ痛い。そして脆い。


2020年に映画化された際、「この青春には、嘘がある」というコピーがついた本作。その嘘をぜひ、痛くて脆い主人公の視点から見抜いてみてほしい。不気味で、ゾクゾクするお話です。




大学でサークルを立ち上げ、広がっていく世界

「この世界に暴力はいらないと思います」

主人公の僕、田端楓(たばたかえで)が大学に入学して、数週間後のある日。平和構築論の講義中、1人の学生がこんな発言をするところから、物語がはじまります。

発言の主は、秋好寿乃(あきよしひさの)

楓と秋好は、ひとりぼっち同士だったこともあり、なんだかんだで一緒に過ごすようになるのです。で、「なりたい自分になる」と話す理想論者の秋好とともに、その目標を達成するため、楓は「モアイ」というサークルを立ち上げます。

季節は流れて、楓が大学4年になった頃。モアイは一大サークルに成長し、設立当時とは別物になってしまってるの。しかも、ともにサークルを立ち上げたはずの秋好は、もうこの世にはいなくて――。

楓が、秋好と立ち上げたモアイを取り戻すため、動く!っていうお話です。

この青春に隠された「嘘」とは?


読んでみようかなって人には、ぜひ映画の予告も見てほしい。

あらすじだけ見ると、いっけん正義を貫く青春ストーリーっぽいのですが。冒頭でも触れたとおり、この青春には嘘があるのです。それをね、ぜひ考えながら読んでほしい!

物語終盤、「え?」ってなる展開がイタ気持ちいい。かつて大学生だったあなた、今まさに大学生のあなた、おすすめです。

住野よるさんの作品は、オブラートに包まれず、ストレートに届くこの青春の痛みがくせになる。キリキリした読み心地を求める方にはハマるはず。


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