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クリスマスカラス 第1048話・12.12

 世間がクリスマスモードで、慌ただしさと煌びやかさで大いに賑わう連日の繁華街。直後に新年を迎える準備と重なり、例年通り人々は浮足立っているのがわかる。

 だがその様子を冷静な視点で眺めている、黒い瞳を輝かせる者がいた。「人間とは愚かなのか、たまにああいうことをしないとダメなんだろうか」 
 瞳にとって、クリスマスもイベントも関係ない。ただこの騒ぎが終わる深夜以降を待つだけなのだ。「ほう、忘年会シーズンでもあるわけか。それでいつも以上にお宝があるわけだな。人間社会などストレス社会のルツボだ」

 瞳はそんなことを考えた後、鳴き声のような笑いを浮かべた。

 人がほぼいなくなり、間もなく日が明けようとしたとの時、「そろそろ行こうか」隠れていた瞳はいよいよ表に出た。
「さて俺様の時間、ま、俺様にとってクリスマスもクソもねえがな」そう言って黒い翼を広げるとごみ袋を目指す。こうして黒い瞳のカラスはこの日もゴミ袋の中身を漁るのだ。

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シリーズ 日々掌編短編小説 1048/1000

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