2次会デミグラスソース 第1073話・1.9

「ここでいいですか」入社一年目の僕は二年先輩と宴会の幹事をした。

 今回の宴会は、支社長が同席することになり、先輩も僕も宴会に参加できず粗相のないような社内接待。ほとんどお酒も料理も手を付けていない。だから二次会の時は先輩とふたりで抜けて独自の二次会だ。

「いいね。お腹空いたものね」と先輩も喜んで入った店は深夜も営業している洋食屋さん。バーのようにお酒も飲める。僕と先輩はビールを注文し食べ物のメニューを見た。するとハンバーグの文字にくぎ付けとなる。

「は、ハンバーグ」恐る恐る先輩を見たら先輩はOKとアイコンタクト。安心してハンバーグを注文。
 店員は「デミグラスソース」の方ですね。と言ったので大きくうなづこうとしたら先輩が慌てて止めた。「悪い!デミグラスソースは苦手なので」僕は「すみません」と頭を下げる。

 店員は、「わ、わかりました。ではデミグラスソース以外で」と言って立ち去る。二次会とはいえ油断した。

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シリーズ 日々掌編短編小説 1063/1000

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