【読書4】過去から続く今、未来へ続く今/柴崎友香著「百年と一日」
とても素晴らしい小説に出会ってしまった。
しかし、どんな小説なのかと言われると非常に紹介が難しい。
柴崎友香さんの「百年と一日」は、場所が持つ記憶のようなものを綴った短編集だ。ある場所における百年を超える出来事がまるで一日の出来事を語るようなサイズで語られている。それぞれの短編に登場する場所や人々には必ずしも名前が与えられておらず、いつの時代の出来事なのかも、どこの国の出来事なのかも明らかではない。それぞれの物語にものすごい起承転結があるわけでもない。でもそこが素晴らしい。