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着床前スクリーニングって?

こんにちは(^ ^)クマです!

今日は着床前スクリーニングについてまとめていこうと思います。

最近、PGT−Aが何かと話題ですが着床前診断にもPGDやPGSなど色んなものがあってよくわからないですよね。

今日はそれらの検査はどんなことを行うものなのかなどをご紹介していきます。



◎PGD?PGS?

1990年代に着床前診断として始まったのがPGDです。

これは、胚に対する遺伝学的解析です。

1993年からは着床前スクリーニングとしてPGSが始まりました。

これは、高齢の患者様や、何度も妊娠不成立を繰り返している方、何度も流産を繰り返している方、重度の男性不妊などの胚移植の際に用いられるようになりました。

上記のような方は、染色体数的異常の発生頻度が高いと言われており、それを解析し、異常のない胚を移植することで生児獲得率向上を目的として行われるようになりました。


最近ではPGD、PGSと言う言葉は使わず、胚の遺伝学的解析を総じてPGTと読んでいます。

これまでのPGDにはPGTーMあるいはPGT-SRと言う言葉が当てられるようになり、PGSにはPGT-Aと言う言葉が当てられるようになりました。

これらの用語変更は、検査内容に対する理解を正確にさせる目的があったようです。


下記に簡単にまとめてみます。

*PGT-M

適応:遺伝疾患の罹患者や保有者

目的:児への疾患伝播の回避

解析対象:疾患遺伝子


*PGT−SR

適応:染色体均衡型構造異常保有者

目的:流産の予防

解析対象:構造異常に関わる染色体のコピー数


*PGT−A

適応:高齢、反復流産、着床不全など

目的:生児獲得率の向上

解析対象:全染色体コピー数




◎PGT−Aの効果

PGT−Aが行われ始めた頃は分割期胚から1〜2個の割球を採取し検査していました。

しかし、この方法では着床能への悪影響があったり、分割期胚での高率なモザイクの存在、この方法での解析に限界などがあり、検査した時としない時ではあまり生児獲得率の改善がみられませんでした。

そこで、2010年頃から胚盤胞期で採取した5個ほどの栄養外胚葉を検査し、全染色体数の解析が行われています。

こうした検査方法の改善により、染色体数増加により解析精度の向上、胚盤胞期での解析によるモザイクの影響の低減、胚盤胞期での検査による着床能への影響の低下、全染色体の解析による偽陰性減少が可能となりました。


PGT−Aが行われるようになってARTの成績が向上されたと言われています。

卵巣予備能良好な患者様にとっては複数の良好胚から着床の可能性が高いものを選んで移植できるメリットがあります。

しかし、卵巣予備能が低い方に行うと、移植できる胚が極端に少なくなってしまうことで採卵あたりの生児獲得率は低下してしまう可能性があります。

また、PGT−Aにより、正数性胚喪失の可能性も指摘されています。

胚盤胞までの培養継続や生検によるダメージ、解析エラー(人的ミスや解析法の精度など)、モザイクの影響、偽陽性の存在などが理由として挙げられています。

本来であれば着床・出産に至るはずの胚の20〜40%が失われてしまうとの試算も出ているそうです。

このようなデメリットを聞くと少し検査するのが怖くなりますが、

流産を繰り返している方など、もちろん検査を行った方が良い方もいらっしゃいます。

あくまでもノーリスクではないと言うこと、上記のようなデメリットも少なからずあると言うことを頭の片隅に置いておけば良いと思います。



今日は用語やどんなことがわかるのかについてお伝えしていきました。

明日は今日も少し出てきたモザイクについて軽くお話していこうと思います。


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