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慢性子宮内膜炎とは

こんばんは(^ ^)クマです!

今日は慢性子宮内膜炎についてお話していきます。

以前、ALICEの検査についてお伝えした際、慢性子宮内膜炎については少し触れていますが、今日はもう少し詳しくお伝えしていきます。



◎慢性子宮内膜炎になるとどうなるの

慢性子宮内膜炎は不妊症患者様15%、反復移植不成立の方の42%、原因不明習慣性流産の12%にみられると言われています。

この結果からも繰り返す流産や不妊症の原因の一つに慢性子宮内膜炎があると考えられます。

慢性子宮内膜炎の原因は様々あり、性感染症や子宮内容物搔爬術の既往(流産手術や中絶手術をしたことがある方)、出産歴のある方、卵管閉塞している方が挙げられます。



◎どうやって調べるの

慢性子宮内膜炎は冒頭にリンクを貼っていますがALICEの検査を行うことで知ることができます。しかし、こちらの検査は結構高い検査なので、それ以外の方法で知ることができたらいいですよね。

ALICE以外の検査は以下の通りです。

子宮鏡検査

子宮鏡検査は3mmほどの細いカメラを子宮の中に入れて、子宮の中の状態をチェックする方法です。この検査では子宮の壁に炎症がないか(慢性子宮内膜炎)だけでなく着床の妨げになるポリープや子宮筋腫などがないかも知ることができます。

少し痛みや苦痛が伴う検査ですが、1回の検査で様々なことを知ることができるので一石二鳥です。不妊治療を始めたらできるだけ早めに実施することをおすすめします。


病理検査

子宮内膜の一部を採取して、免疫組織化学という特殊な病理検査をします。CD138 陽性細胞を検出することによって、慢性子宮内膜炎の有無を判断します。CD138とは表面抗原をもつ免疫細胞、形質細胞と呼ばれ、慢性感染や急性感染の末期、月経中に出現するものです。
病理検査では細菌の種類を同定できず、ALICEに比べて慢性子宮内膜炎の診断の感度や正確性が低いため、過剰に多くの方に診断してしまう可能性があるという報告もあります。


細菌培養

子宮内膜の分泌液を採取し培養することで細菌を特定していきます。

しかし、 培養では同定できない細菌があったり、検体を採取するときにどうしても膣内細菌も混入してしまうことで、正確な診断ができないことがあります。なので最近ではこちらの検査方法では慢性子宮内膜炎を検査しないことがほとんどです。



◎慢性子宮内膜炎が見つかったら

慢性子宮内膜炎と診断された場合、抗生剤の投与を行うことで治療を行うことができます。

とある文献で読んだのですが、反復着床不全の患者様の33.7%が慢性子宮内膜炎と診断され、その方達に適切な抗生剤を投与することで92.3%で子宮内膜炎の改善がみられたそうです。改善がみられなかった場合にも種類の違う抗生剤を使用することで99.1%の方が改善したそうです。

また、抗生剤にて治療を行った場合、胚移植後の生産率は優位に上昇したとのデータが出ています。


抗生剤以外の治療法としては乳酸菌膣剤の投与です。

乳酸菌を投与することでより良い状態になるので細菌注目されたいます。

私の働いている病院でも2年ほど前から使用しています。

乳酸菌に関する記事はこちらをご参照ください!



慢性子宮内膜炎が見つかっても適切な治療を行えば移植後の成績がぐんとアップします!

検査はどれも少し痛みが伴うかもしれませんが、痛みどめなどを使用すればすぐに治る程度の痛みですので怖がらずに検査を行いましょう!



本日は、慢性子宮内膜炎についてお話しました。

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