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洞川食探訪vol.3(書き手:赤井正人)「洞川の芋おかいさん」


九鬼祭の地域相談役+地域アーティストとしてお手伝い参加させて頂いております。洞川在住の赤井と申します。民宿、山荘経営者、またある時はアーティスト活動もしております。宜しくお願いします。

洞川での定番料理といえば川魚の塩焼き、ジビエ料理、お野菜山菜など色々とありますが、今回は、洞川の人が昔から好んで食べられている郷土料理をご紹介したいと思います。

奈良の茶粥文化

通称「おかいさん」

奈良の茶粥文化は古く1200年ほど前に弘法大師空海さんが唐から茶の種を持ち帰り茶粥に繋がったと伝えられています。そんな古い歴史もあってか県内ではよく食べられていて、地域ごとに少しですが材料、味に違いがあります。お餅やあられ、さつま芋を入れたりと様々です。

洞川では、ジャガイモを入れた芋おかいさんが定番。ジャガイモは洞川で良く作られている野菜の一つで沢山収穫できる食材です。入れる理由は、旨味が出ると言うのもありますが、お米が取れない洞川事情もあって少量のお米で沢山食べられるからです。

調理開始

では、洞川で食べられている「芋おかいさん」を実際に作りながらご紹介したいと思います。

※各家庭では少しずつ違いますので、今回は赤井流です。

準備する食材(約2人分)

•原水からの名水ゴロゴロ水   1.5ℓ
•自家製奈良県産お米      約0.5合
•番茶パック          1袋
•自家製洞川産ジャガイモ    3個

左から名水ゴロゴロ水、右上番茶パック、右下洞川じゃがいも、右下奈良県産お米

①ジャガイモの皮を剥き、食べやすい大きさに切り、水にさらしてアク抜きの下処理をする。お米は、研ぎ過ぎない程度で洗い水切りしておく。

左からカットしアク抜き中のジャガイモ、右が砥いで水切りしたお米

②土鍋に水を入れ、番茶パックとジャガイモを入れます。湯が沸騰したら最後にお米を入れます。お米が焦げつかない様に混ぜながら煮込みます。火は強火。
(水は実家で出ている原水直のゴロゴロ水使用します。添加物無しの100%ナチュラル水です。)

土鍋に水を入れ、番茶パック、じゃがいもを入れ強火で煮込む
湯が沸騰したらお米を入れる
焦げ付かない様にかき混ぜながら煮込む

③火を弱火にして、ジャガイモは串で刺して茹で上がりを見る。スッと串が入ればOK。お米が、ふっくらしトロミが出てきたら火を止めます。

串がスッと入ればジャガイモにOK
お米がふっくらした状態。火を止めこの後、蓋をして少し蒸らします

④お皿に付け合わせを盛り付けます。きゃらぶき(フキの佃煮)、洞川産キャベツの浅漬け、自家製の梅干し。(フキ、キャベツ、梅は畑や庭で収穫し、全て手作りした付け合わせです。)

左上から、洞川キャベツの浅漬け、右自家製の梅干し、下きゃらぶき(ふきの佃煮)


「芋おかいさん」出来上がり!

番茶の風味あるお米とジャガイモの旨味が出た芋おかいさんを、付け合わせと一緒に食べれば何杯でも食べれます。
幼い頃、祖父母と食べた懐かしく素朴な郷土料理。

頂きます!是非お試しを!


最後に

写真を一枚。祖母が良くおかいさんを作る時に使っていた杓子です。(正式には壺杓子と言います。)栗の木で作られ使い込むと、碗の部分が番茶で染み付き味わいのあるいい色になります。その昔、杓子は村の特産品の一つで、冬の間に作り売って生活をしていたようです。時代とともに作り手も居なくなり今はもう残念ながら廃れてしまいました。私のお気に入りの洞川民俗資料道具です。

祖母愛用の壺杓子

天川の壺杓子は、洞川地区にある天川村立資料館に数点展示されていますのでご興味のある方はご覧頂けたらと思います。

施設・お店(民宿)ご案内

•天川村立資料館
(杓子他、天川村の民俗資料が展示)


•民宿翠嶺館(すいれいかん)
(赤井の民宿。洞川の「芋おかいさん」ご興味のある方はご提供させて頂きますのでお気軽にお問い合わせ下さい。※ご宿泊の方のみ)


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