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授業という「ライブ」も「観客」に左右されるのよ、という教員のぼやき。

一同がゲツセマネという所に来ると、イエスは弟子たちに、「わたしが祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。そして、ペトロ、ヤコブ、ヨハネを伴われたが、イエスはひどく恐れてもだえ始め、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、目を覚ましていなさい。」
少し進んで行って地面にひれ伏し、できることなら、この苦しみの時が自分から過ぎ去るようにと祈り、こう言われた。「アッバ、父よ、あなたは何でもおできになります。この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしが願うことではなく、御心に適うことが行われますように。」それから、戻って御覧になると、弟子たちは眠っていたので、ペトロに言われた。「シモン、眠っているのか。わずか一時も目を覚ましていられなかったのか。誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」
新約聖書 マルコによる福音書 14章32-38節 (新共同訳)

こんにちは、くどちんです。キリスト教主義学校で聖書科教員をしている、牧師です。

現在我が「最愛」、BTSのSUGA氏は、ソロでのワールドツアー中です。すごいねすごいねー!! どこもチケットは即ソールドアウトだよ!! すごいねー!! 日本のチケット? うん、取れなかったよ!!(号泣)

……涙を拭いて、気を取り直して。

というわけで、時差もありつつ今日はシカゴでのコンサートを終えられたようなのですが、コンサート後にWeverese Liveに来てくださっていました。

Weverese Liveというのは、「Weverese」というアーティストとファンの交流プラットフォームを通じてのリアルタイム配信のことです。世界のスーパースターがカメラの向こうでご飯食べながらコンサート終了後の感想をリアルタイムでおしゃべりしたりしてくれちゃうわけです。文明バンザイ。

ちなみにリアルタイムだと字幕が無いので(当然ですが)、これを字幕なしで観られるようになるのが私の韓国語学習のひとつの目標です。

残念ながら今はまだ字幕なしだと何言ってるか半分以上は分からんわけですが、そこは親切なARMY(BTSのファンのことです)がほぼリアルタイムで翻訳を上げてくださったりします。かむさはむにだ!

私は今日は配信はほとんど見ていないのですが、翻訳ツイートは後からいくつか読ませていただきました。
そのうちの一つがこちら。

この方、同担なのと、考え方や物言いがきっぱりしておられて素敵だなぁと思いながら時折ツイートを読ませていただいています。(フォローしろよ)(ほんまや、フォローすればええんやん)(今さら気付く)
ちなみに猫マークは、SUGA氏が猫っぽかったり猫にたとえられたりして何となく彼のキャラクターになっているから。

ところでこの「最初に舞台に上がった時の歓声でその日の公演が決まる」という一言を読んで、「分かるわぁ~~~!!!」となった「教員」が私です。そう、たぶん教員はこの一言に深く頷く。

アーティストがプロとして公演を作り込んで来るのはもちろんなんです。でも観客の空気や反応次第では、どれだけ自分が念入りな準備をして目いっぱい熱を込めてパフォーマンスしても、「コンサート自体はいまひとつだった」ということがあるんです。

こんな世界的スーパースターのコンサートとは比べ物にならないけれど、私も「教壇」という舞台で、「生徒」という観客(?)と一緒に、「授業」というライブを作り上げる立場だから、相似形で理解できるのです(もちろん、ありんことゾウさんくらいの差があるけれど)。

私も一応お給料をいただきながら教壇に立つわけですから、クラスによってクオリティの差があってはならないと思い、生徒さんの反応や理解度など様々な条件を考慮しながら、勘違いされそうな部分は丁寧に説明できるようにしたり、込み入った話が続いた後は少し緩めるところを作ったり、構造的に理解できるように全体の流れを整えたり……と、工夫をするわけです。
でも、生徒さんたちが疲れていたり、何となく空気が重かったり反応が薄かったりすると、手の中から何かがこぼれ落ちていくかのように「ああ……頑張ったけど……あかんかったなぁ……」となってしまうことがあります。
もちろん、そういう空気を何とか持ち上げようと努力もしますし、それがうまくいくこともありますが……、なかなか難しい……努力ではカバーしきれない部分が実際あります。

やはり「公演」はナマモノ。そして「アーティストと観客」の相乗効果で作られるもの。
そういう部分が大きいと感じます。

だから、授業中の居眠りとかは結構こたえる(笑)
自分の授業があかんのかなぁと反省することもあるし、その生徒さんの体調を心配することもあるし。体調だけでなく心に重荷を抱えてて生活リズムが整っていないのかもとか、そういうことも考える。
何にせよ、こっちが「授業」というパフォーマンスそのものに集中できなくなってしまうんですよねぇ……。

冒頭の聖書箇所は、十字架にかかって死ぬ「受難日」の前夜、恐怖におののきながら祈るイエスの姿を描いた場面です。イエスは弟子たちに「自分が祈る間、ここにいてくれ」と頼むのですが、弟子たちはイエスのそんな心も知らず、うとうとと眠ってしまいます。
何しろ、これは晩ご飯の後のこと。お腹もいっぱい、食事の際にはワインも飲んだ、一日の疲れもどっと来る……となれば、眠ってしまう弟子たちを責めることもできないもの。

そう、生徒さんたちもきっとそうなんだよな~。
特にこれからの季節は暑くてしんどい、体育でプールがあったから眠たい、新年度の緊張感ももう解けた、まして昼休み後のお腹も満ちた時間帯の授業とあっては……。
そんなこんなで私にとっては「受難」の時期を迎えます(笑)

連休も明けて一学期もいよいよ本番。
各国を駆け巡るスーパースターには及びませんが、私も私なりの「ライブ」を良いものにするべく励んで参ります。
どうか「観客」の皆さんも、歓声まではいらんけど(笑)、一緒に「ライブ」を盛り上げてくれると嬉しいです!


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