長野・諏訪旅｜コーヒーに始まりコーヒーに終わる【後編】

空白

2024年1月19日 19:27

太養パン店でのモーニングでスタートした1日目。諏訪湖を望む絶景スポットや、四社まいりなどの観光がメインの【長野・諏訪旅前編】はこちら▼

旅のしおり

Day2.
談話室サスナカ上諏訪駅前店
カフェとホイスコーレ teltis
そばごころ小坂
上諏訪の足湯
コーヒーのススメ

諏訪旅2日目はあいにくの天気なので、喫茶店やカフェなどを巡り、食べること中心のスケジュールを組みました。四社まいりを達成した過密スケジュールの1日目とは異なり、しっかりランチのお店も決めています。

Day2.

長野・諏訪旅2日目は、曇天から雪の予報でしたが、数日前からの祈りが通じたのか、早朝はうっすらと晴れ間が！おかげで朝焼けに色づく諏訪湖を眺められてラッキーです。

9:30｜談話室サスナカでモーニング

宿泊した旅館しんゆをあとにして向かう先は、喫茶「談話室サスナカ上諏訪駅前店」です。旅館で朝食をとったにもかかわらず、喫茶店でモーニングを食べるという胃袋のデカさ笑

風格漂う外観から入るのにちょっと勇気がいりますがいざ入店。ご夫婦が出迎えてくれ「お好きな席へどうぞ」と案内されました。

先客2組のうち1組は外国人観光客と気づき、観光客はわたしたちだけじゃなかった！と一安心。もう1組は常連のおひとりさまのようで、お会計後に談笑していました。

ピアノBGMが心地よい静かな店内です。よさそうな窓側席は埋まっていたので、反対側に座って目当てのモーニングをすぐに注文。しばらくすると外国の方が退店しました。

外国人にも知られてるなんてガイドマップに載ってるのかな？と思いながらモーニングセットを待っていると、店員さんから「窓側の席に移りますか？」と提案されます。窓側好きなのがバレてる！？と驚きつつ、ありがたく移動させてもらうことに。窓側の席はやっぱりよくて、案内してくれた奥さまに感謝です。

数分後に「ゆで卵は食べられる？」と、先にゆで卵が運ばれてきました。（食べられない場合はどうなるのでしょうか……）

窓から外を眺めていると、コーヒー豆を挽く音やハンドドリップの抽出音が聞こえ、だんだんとコーヒーの香りで店内が満たされていきます。「チン」とトースターの音が聞こえ、トーストができあがった合図も。せっかちなわたしですが、今か今かと胸が弾むこの待ち時間は好きです。

「おまたせました」の声と共に、お待ちかねのモーニングセットが届けられると、こぢんまりとした広さのテーブルが満員御礼に。

やってきたコーヒーとトーストは、シンプルで懐かしさを感じるビジュアルでこれぞ喫茶店のモーニング！淹れたてのコーヒーに、厚切りトーストとゆでたまごが付く贅沢なモーニングセットです。このラインアップが600円でいただけるのはお得すぎます。

トーストはあごが外れるくらいの厚切りでボリューミー。だいたい4cmくらいでしょうか。

こんがりと焼き色がついてサクっとした歯ざわりから、ふわふわとした食感に。バターがじゅわっと染みていて、絶妙なコクと塩味が口を満たします。やっぱりモーニングといえばバタートーストですね。

食パンにこだわっているのか焼き方が上手なのか、サクッとした表面に対してなかは水分が閉じ込められたようにしっとりときめ細かく、食べ心地がいいトーストです。

淹れたてのコーヒーは熱々で、1日目に立ち寄った下諏訪の足湯が脳裏に浮かんできました。口当たりがやわらかで、香ばしい香りがふわっと広がります。フルーティな酸味と深みがある、バランスのとれた味わいです。

丸みを帯びたミニマルなデザインのカップが、初めて手にしたと思えないほど口と手に馴染みました。

常連さんの会話が盛り上がりながらも、店内を独占してる感じではなく声のボリュームは控えめで居心地がいい。決して地元の人だけの場ではない空気感が居心地のよさにつながっているんですね。

実は談話室サスナカ、タバコを吸える喫茶店です。分煙されておらずタバコが苦手なわたしですが、それでもモーニングが食べたくてやってきました。

煙がもくもくだったらどうしようと心配だったものの、ラッキーなことにこの日は喫煙者ゼロ。店内にタバコのにおいがしみついているわけでもないので、まったく気にならなかったです。

談話室サスナカ上諏訪駅前店
営業時間：7:30 - 18:00
定休日：不定
支払方法：現金
駐車場：あり（道を挟んだ店前①②の2台分）
トイレ：？

10:20｜隠れ家のようなカフェとホイスコーレ teltis

観光客が無料で利用できる友之町駐車場にとめ、Instagramでお店までの道案内をチェック。駐車場受付の右手から人ひとり分しか通れないような細い路地を進みます。民家の間にある小道を歩いていくので、地元の人になったような不思議な気持ちになりました。

道路を渡って前に続く小道に入ると「カフェとホイスコーレ teltis」がみえてきます。

店内は靴をぬいであがる、古民家のようなカフェです。引き戸を開けるとストーブのぬくもりがふわっと肌をなでていきます。

1・2・4人席がそれぞれひとつずつあり、カウンター席が3つ。先客はおらず、温まりはじめたばかりでまだ少し冷たさが残る室内です。

出入口がみえる2名席に座ると、メニュー表がやってきました。予定していたシナモンロールは、寒さで生地の発酵が間に合わず20～30分かかるとのこと。連れに了承を得て、わたしだけコーヒーと一緒に後だししてもらうことに。待っている間、教室をやっているという隣部屋の作品や、別室の見学をどうぞと案内されます。

お冷だと思っていたものは、お湯に氷を入れてちょうどいい温度に加減されていて、さり気ない心配りからほっと温かい気持ちになりました。

豆を挽く音が聞こえ、室内がコーヒーの香りで満たされます。そろそろかなと期待をふくらませると、待ちわびたシナモンロールとコーヒーが運ばれてきました。

できたてで温かいシナモンロールを口に入れた瞬間、スパイシーなインパクトが。続けてシナモンの香りがしてきて、スパイシーさと甘さのバランスがよく食べやすいシナモンロールです。

表面がサクサクとしていて、なかはしっとりふわふわ。ほんのり焦げた部分が香ばしく違った味わいになり、おいしくいただけます。ごろっとクルミが入っていてるのもいいですね。

以前、ベーカリー「torpet（トルペット）」にて、発祥の地であるスウェーデンのレシピを再現したシナモンロールに出会いました。カルダモンがきいたエキゾチックな味わいに衝撃を受けたのを覚えています。

同じ北欧のデンマークで出会った2人が営むカフェということで、シナモンロールの違いに興味があったのが訪れたきっかけです。カフェとホイスコーレ teltisのシナモンロールは、表面がサクサク、なかはリッチな味わい。デニッシュ生地が特徴のデンマークレシピを再現しているんですね。

コーヒーはネルドリップで丁寧に淹れられます。選んだのはブラジルピーベリー。昔懐かしさを感じる不思議な香りが鼻腔をくすぐります。舌にふれたときに酸味を感じましたが、すぐにビターなコクと旨味が広がります。ワインのようにふくよかな甘みがあり、芳醇な後味です。

おいしいのはもちろん、たっぷりと入っているのがうれしいポイント。焼き菓子がのったお皿とともに無機質な器は、お店のナチュラルな雰囲気にあっていておしゃれですね。

連れはコーヒーに、1月のマフィン「酒粕レーズン」をあわせていました。店員さんが「今月のマフィンは～」と紹介してくれたので、月ごとに新作マフィンを提供しているようです。

ひと口いただくと、トップがカリカリで香ばしくなかはしっとり。諏訪御湖鶴酒造場の酒粕が生地だけではなくなかにも入っているので、食感のコントラストが際立ちます。レーズンと酒粕の芳醇な香りと旨みにクルミのアクセントが加わり、新感覚のおいしさです。酒蔵が集まる諏訪ならではのスイーツにタイミングよく出会えてラッキーでした。

11時前から人が増え、帰る頃にはわたしたちのほかに3組お客さんが入り、すっかり温まった空間に。とあるおひとりさまの「長野が好きになりました」という言葉に「移住する方が多いんですよ」と話していて、長野が好きなわたしも移住したくなる気持ちがわかります。

お会計は靴を履き、店内で注文できる焼き菓子が並ぶショーケースでおこないます。メニュー表には写真が掲載されていないので、あらかじめショーケースでチェックしておくのもありですよ。

カフェとホイスコーレ teltis
営業時間：水 - 金 10:00 - 18:00 / 土日 8:00 - 16:00
定休日：月・火
支払方法：現金
駐車場：あり（友之町駐車場）
トイレ：あり（男女共用）

11:50｜そばごころ小坂でランチ

「そばごころ小坂」に到着すると、すでに5組ほどウェイティングがありました。列にならず、それぞれの組がざっくばらんにお店の前にいたのでウェイティングボードに記入するのかな？と思いましたが、並んだ順で通されるシンプルな仕組みです。

待っている間に雪が降りはじめ、数日前からの予報が的中。わたしたちの後ろに並んでいた組は早々に離脱し、先頭にならんでいたご年配の方は寒さのあまり空気イスの状態で硬直していて、思わずクスッと笑ってしまいました。

最後尾であるわたしたちがようやく次だ！となったところで新たに一組やってきます。2人だけで切り盛りしているので回転は早いとはいえず、辛抱が必要です。夏と冬は長時間待つのがこたえますね。

退店する方から「テーブル席が空いたのでもうすぐのはずですよ」と声をかけられ、わざわざ安心する言葉をかけてくれたやさしさが心に染みます。

並びはじめて約1時間、ようやく入店できました。寒い日なので温かいそばを食べたいところですが、そばの風味を味わうべく冷たいおそばに。評判の天ぷらも食べたいので「野菜天せいろ」に決めます。

メニュー表によると、田舎は「強い香りと甘味」、八ヶ岳は「ほのかな香りと甘味」とのことです。そばの香りとつるっとしたのどごしを感じたいので、田舎を選びました。

わたしたちの注文後、田舎そば、八ヶ岳そばの順に品切れ。あとから来た方は十割一択になっていたので、希望のそばを食べたいなら12時頃までに並んでおくのがいいかもしれません。

ツルシコ食感でのどごしのいいおそばです。出汁の旨みを存分に感じるつゆがおいしく、ふわっとくちどけがいい風味豊かなわさびも添えられています。

食感のよさは抜群ですが、そばの風味が薄くつゆの旨味に負けてしまっているのが残念…… つゆをつけずにそのまま食べてもあまり香りを感じられないので、十割のほうがよかったのかもしれません。

レビューを参考に注文した天ぷらは、評判通り絶品！薄くて軽い衣をまとい、油っぽくなくカラッとサクサク。野菜がもつ水分とおいしさがぎゅっと閉じこめられていて、なかはとろとろになっていました。天つゆなしでパクパク食べられるほどのおいしさです。驚いたのは、ブロッコリーとまいたけの天ぷらが特大サイズだったこと。大口開けても入らないほど大ぶりで、シェアしてちょうどいいボリュームです。

最後は蕎麦湯をいただきお腹いっぱいに。とろみのある蕎麦湯もおいしく、お腹が満たされました。

事前にGoogleマップで確認してもはっきりとわからなかった「店裏の駐車場」は、コインパーキング大手町駐車場で正解でした。ちなみに駐車場とお店をつなぐ細い裏道がありますが、通り抜け禁止の注意書きがあります。

わたしたちの場合、入店まで1時間待ち、注文後に30分待ったので、時間に余裕をもっていくべきお店です。