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祇園祭がはじまる(清水道「浪川菓舗」の祇園祭)

初めて京都に来た頃。あの頃は急に世界が広がって、なんでも見えていると思っていた。でも全然違った。同じ場所を通り、同じものを見て、いろんなことを見過ごしていた。今もそうなんだと思う。

7月1日。

四条通りをゆく市バス207。その車窓越しにアーケードをサクサク歩いていく欧米人はカメを追い越すウサギのごとし。やっと見えてきた八坂さんの西楼門の左右には「祇園祭」の真っ赤なのぼりがあがっていた。

祇園祭が始まるのはこの日から、ということを知ったのは、いつだっただろう。

207はどんつきを右へ進む。清水道で下車する。眩しい。私は東山に降るこの日差しが、この景色がとても好きだ。

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バス停を降りてすぐそこにあるのは「浪川菓舗」。何度も前を通って、ここにあることは知っていたのに、訪れたのは初めて。あの頃は、自分の世界とこのお店のある世界はなんだか別のもの、という感じがあった。だからあの頃の私は世界の半分も見えてなかった。

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日よけの簾がなんだか懐かしい。今回のお目当てはこの「祇園祭」。

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うちわの形をしたまんじゅうがかわいらしいし、どことなく風情がある。ちなみに赤い三つの点は、祇園祭の紋「左三つ巴」。

山鉾の提灯には必ずこの紋と、きゅうりの断面のような(という表現を本ではよく見かける)紋が入ってます。これから祭り期間の1カ月、いろんな場所でこの紋を見ることになると思います。

浪川菓舗の「祇園祭」は、祇園祭の始まる7月から販売が始まります。と言いたいところだけど、お店のお父さんいわく「いや、もうちょっと前から売ってるよ」とのことでした。

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▶ 浪川菓舗
住所:京都市東山区辰巳町113
電話:075-561-0933
営業時間:8:30~17:30
定休日:不定休

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