漢方仙人による漢方逸話『菊のお花も優れた生薬として用いられておるのじゃ~!』
菊の花は皇室の紋章や仏花に使われ身近なものじゃのう。
菊は8世紀前後に中国から伝わったとされておる。
当初は宮中をはじめとする一部の階級層の間で、観賞用の花とともに薬用として用いられておったようじゃ。
そして今日では多くの品種が存在しておる。
よく刺身のツマに添えられているのを目にするが、これは生の菊の花に解毒殺菌作用があるためである。
食用としては、江戸時代から民間で食されるようになったようじゃな。
生薬としては、かぜを治す作用があるとされておる。炎症を鎮め、熱を下げる作用があるのじゃ。
菊花を配合した桑菊飲(そうぎくいん)という咳がひどいかぜなどに使われる漢方薬があるのじゃが、残念ながら日本では発売はされておらんのじゃ。
さらに、菊花は目のかすみ、炎症、視力低下などを改善する作用もあるとされておる。
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)という漢方薬が有名で、頭痛、めまい、高血圧を改善する作用もあるとされておる。
また、血圧を下げながら頭痛などを治す釣藤散(ちょうとうさん)という漢方薬も有名じゃ。
このように菊花は漢方の生薬としても活躍しておるのじゃ。
今回はここまでじゃ。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思うのう。