こころとからだに良い食材の工夫とは?~知っていて損はない食養生について①~
今回からは数回にわたって、季節ごとの食養生について説明したいと思う。
「医食同源(いしょこうどうげん)」という言葉を知っているだろうか。
食べ物と医療は同じ源にあるということで、食べ物も工夫すれば薬になるということである。
この医食同源の考えの基である、「食養生」を大切に考える医学体系が「漢方」というわけである。
今回は春の食養生について解説しよう。
春は漢方の理論では、「肝」と密接な関係があるとされている。
この「肝」とは、五臓の一つである。
いわゆる肝臓(レバー)のみではなく、自律神経系の機能面も含んでいるのが漢方の「肝」の特徴だ。
これはすなわち、精神神経系、ストレス系と密接というわけである。
春は仕事や学業も含めて様々な変わり目なので、精神的に乱れやすい時期だ。
そこに、昨今のコロナ禍も含めるとなおさらである。
この季節におすすめの食養生を紹介しよう。
小麦、豚肉、玉子などは精神安定作用があるとされている。
「春巻き」は、作り方によりこの3つが含まれるので、春の食材としては最適である。
小麦によるパン、うどんなどはこころの病に適応できるので、ストレス過多の状況の際には、ご飯より良いともいえる。
お肉関連では、豚肉は鶏肉や牛肉よりも精神安定作用が勝るので春にはよい食材である。
ただし気を付けたいのは、鶏肉や牛肉は温める作用があり、イライラしている人などにはその熱がより悪化する可能性があるので、過剰摂取には気を付けたいところ。
一方、豚肉は平性(へいせい、温めも冷やしもしない)なので使いやすいもの。
こうした、ちょっとした食養生で、春を乗り切ってみてはいかがだろうか。
今回はここまで。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思う。
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