自分に注意を向けたい人達

みなさんは「注意を引く」という事を普段は意識するでしょうか?


注意機能ってのが高次脳機能障害の領域ででてきますが、
注意ってのは深い。

その注意を、自分に向かせるという視点

みなさんは他人の注意を
自分に引きつけたい時にどうしますか?

子供の退行なんてのが分かりやすいです。
周りの人間に(もしくは対象となる人物)、自分へと注意を引かせるための戦略。
「指をなめる」
「赤ちゃん言葉を話す」
とかは有名な技ですよね。
ほかにも、
「大切にしていた物を壊す・捨てる」
なんていうのも注意を引かせる技としてはある。
大人は
「どうしたの!?あんなに大切にしていたのに!」
と、狙った通りの反応をしたりする。

<自傷他害>
はその技の最大で最悪の戦略です

自分で傷をつけてきて、母親などに
「何があったの!!?」と心配させる。
もしくは他人に攻撃をしてまでも、自分に注意を向けさせようとする。
ま、この辺が<自分に注意を引かせる>という視点での分かりやすい話

忘れてはいけない事は「退行」は
子供の話に限った話じゃない
という事です。

大人ってのは知識と経験と学びをつけた子供ですし
「発達的観点」でいう「発達」というのは高齢者になっても続きます。
死ぬまで我々は子供であるし、発達するというのが化け学の定説
なので、 子供か大人か 
というような二元論はこの視点では特に必要ありません。

さて、ここで
当院の精神科患者が<注意を引かす>ために頻繁に使ってくる技を紹介します。
彼・彼女らに技としての自覚はないでしょう。
後天的に自分に注意を向けてほしいが故に
無意識に獲得していった技なのやと考えます。
別に精神疾患問わず、よく使われています。

〇名前を呼ぶ
ま、
1番多いかな。
パッと聞いただけでは、
「え?名前を呼ぶ事が?」となりそうですが、これは注意機能の分野ででてくる
注意を引かせる技です。
例えば
僕も技として使う時があります。
専門学校の外部教員もしているんですが、
明らかに興味がない
聞いていない
集中できていない
他の子に話かけたりして邪魔をする
とかがいると、
「ね、~~君」など名前をよびます
この瞬間に空間は大きく変化します。
今までは全対象になっていた空間は、
一気に名前を呼ばれた子に注意が向きます。
これが注意操作の例。
他にも、病院の待合室なんかで
(キムラタクヤさ〜ん)とか呼ばれてしまうと
他の人が一気にその人に注意を向けるような時も、注意引きつけの例です。
ま、この場合は事故みたいなもんですけどね(笑) 
病院の待合室でフルネーム呼ぶ文化、
もうやめりゃいいのに(;´∀`)

さて、精神科の患者も
自分の話を聞いてほしいが故に何度も何度も名前を呼んでくる事があります。
(ね、〜さん!)といった感じで、
自分の話を無視させない技です。
なかなか固有名詞まで出されて無視できるスタッフも少なく、実際には功を奏しているのです。
自傷他害とかをするような技ではさすがに
怒られたり、無視されたりとしますが
固有名詞を呼ばれるだけであれば、
呼ばれた側はなかなか逃げ場がないので
そういう理由からも
患者が日常で多く使う技です。
一時期、
人の名前を覚えて呼ぶことが良いこと!
みたいなプロパガンダがありましたが、
実際嫌いな人から名前を呼ばれたらゾッとするし、
名前呼ばれんの嫌なヤツもおるし、
名前呼ばれたら周りに本名がバレるのが嫌なヤツもおるねん。
やから、
令和ではもうそういうプロパガンダは信じずに
名前を呼ぶときってのには
相手への緊張感が必要です。

特に精神科では絶対にね。
名前を呼ぶってだけでも、
それはある時には治療で
ある時には人を傷つけ
ある時には依存を生む

⚠無闇矢鱈に、
名前を呼ぶ癖がある人は気をつけてください

〇物理的距離を近づける
顔が近いとか、パーソナルスペースが狭すぎるとかって技
これも、自分に注意を向かせる技です。 
分かりやすく言えば
人の話聞いてるー??とかって顔を近づけるみたいなのがあると思うんですが
あれです、はい。

目の動きや、手の動き、それらを自分に1点に注意させる
人間は距離を詰められると、必然的に感覚器はそちらに向きやすい。
近づく対象には、脳の防衛が入るからです。
よって、
精神科の患者達は自分の話に注意を向けさせたい時は距離を詰めてきます。
それがですね!とか言いながら、顔をかなり近づけてきます。
スタッフの中ではその技に対して
あの人めっちゃ距離が近い!!
とイライラしている人もいますが、
まずは何を目的として
顔が近いのか
距離が近いのか
を分析する必要がありますね。

話す時にパーソナルスペースが近い人や
顔がやたらと近い人がいますが
そんな時は、自分に注意を向けたいんやなって冷静に思考してあげてください。 
あなたがそうであるなら、
やめましょう。
恋人だけにしてください( ˊᵕˋ 

〇自傷他害をする
注意を向かせる中では、最悪の技です。
TPJという心の理論が崩壊している人間の技です。
距離が近いとか、名前を呼ぶってのとレベルが格段に違うのがわかると思います。
自殺未遂とか、自分の骨を折るとか、無視した相手を脅すとか、危害を加えるとか
もうこれは、
強制で自分に注意を向かせる技です。

簡単に言えば、
自分に注意を向けないのなら殺すぞ
と脅すようなレベルです。

ここまでくれば、大半の人間は注意を向けるでしょう。
世間を賑わせるような犯罪にも多いですね。
一体何がしたかったのか?という計画性のない犯行等で多い。

そりゃそうです。
自分の不幸を聞いてほしかったんですよ
身の上話を聞いてほしかったんですよ
自分がいかに大変か知ってほしかったんですよ
自分がいかに苦しいか教えたかったんですよ
それが達成するのなら、
相手の事なんて知ったこっちゃないって思想の末路です。

精神科では自傷他害で入院してくる人も多いです。
この3つは僕の精神科ではほんとに多い。

その根底には、
ネグレクトや
性的虐待や
アダルトチルドレンや
差別や
比較やらと
様々な生育環境が原因を及ぼし
極端に自分への不安があるという仮説があります。

見捨てられ不安ってやつや
自分の存在を確かめたい人や
愛情が欠乏している人や
アイデンティティが崩壊している人

やから、
自分に注意を向けてほしい
自分に興味をもってほしい
自分を承認してほしい
ただ、自分を愛してほしい

っていう根底がある。とされているって事です。

が、もちろんこれはただの1仮説。

親に愛されすぎて過保護に育った人間にも起こります。
自分が愛されるのが当たり前
となってる人間もいるからです。

みなさんも見たことあると思います。
自分が話の中心じゃないと嫌
自分にピックアップされてないと嫌
自分を認めてくれなきゃ嫌
ってね。

あれは
虐待を受けたパターンもあれば
愛されすぎたパターンもあるって話

結局、
生育環境なんてのはevidenceとしてはかなり弱い。

貧乏で育っても
笑いに変えて生きる者もいれば
恨み続けて生きる者もいる
結局は、
個人という人間の問題なのです

全ては、自分の責任です。

これらの注意引きつけってのは
総じて高次脳機能障害では
注意機能の障害
とされます。

今日該当しなかった人は
そんな視点もあるんやな。
くらいで、少しでも楽に世の中を見ましょう
名前を呼びまくってくるのも
顔近いのも
なんか恐ろしい事するのも
自分に興味もってほしいんやな(^^)
くらいで終わり。
無視して自分を生きましょう。

今日該当した人は
自分が注意機能の障害と自覚をするのが 
治療の第一歩です。
なぜ自分がそこまで人に注意を向けさせたいのか?

省察してみましょう




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