最近の記事

たゆたうから気になる

コロナの流行からだと思うが、縦長のボタンを押すタイプの自動ドアがわからない。 近づいただけで開く時もあるし、「開かないなぁ」と思って押そうとした瞬間に開くヤツもある。普通に押さなきゃ開かないヤツもある。 老舗の蕎麦屋みたいな所だと、接触不良なのかガンガン鳴る程押さなきゃいけない時もある。 なるべくスマートに事を納めたい私は、まずは近付いてみる。 それで開かなければボタンの近くにそっと手を翳す。 それでも駄目なら軽くプッシュしてみる。 どうやら開かないと思えば、プッシュする力

    • 異世界転生のすゝめ

      近年、現実を捨てて異世界に転生する者が後を経たない。 やれドラゴンだの、やれ魔法だのといったどこかで聞いた様な世界観に、様々な年代、職業、性別の人が次々と転生させられている。 こんなに気軽に転生する世の中になるとは、きっとお釈迦さまも予想していなかったに違いない。 ふとした拍子にすぐ転生。玄関開けたら二分で転生。 現世は今や捨てる物、絵に描いた様なセカンドライフを。 アニメの話でした。 というか最早「転生ブーム」そろそろ廃れても良い時期に差し掛かっているのかもしれない。その

      • 銀シャリのおトぎばなし の話

        銀シャリ。 お笑い芸人の銀シャリ。 ラジオがとても面白いと、私の中では結構前から話題騒然である。 ツッコミの橋本さんとボケの鰻さんのコンビであるが、お二人ともとても魅力に溢れている。 橋本さんは漫才でもお馴染みの語彙力と共に、ほぼ同世代のごく僅かな人にしか刺さらない「誰が分かるねん」みたいな話をチョイチョイ挟み込んで、漫才の時とは少し違った芸風をラジオでは見せてくれる。時折、全く似ていない物真似も披露してくれます。 鰻さんは純粋で天然。ウソみたいな角度から話題を掻き乱して、

        • 無題

          「私は絵が描けます。むしろそれ以外のことがあまり得意ではありません。」 「それ以外の事って?」 「仕事とか勉強とかです。学校の成績表ではいつも下から数えた方が早かったですし、アルバイトも長続きしませんでした。」 「ふーん。でも絵は今でも描き続けてるんだ?」 「はい。」 「俺は絵の事は良く解らないけど、例え一つでもずっと続けられる趣味があるのは羨ましいよ。うちの押し入れには、ほぼ触っていないギターやゴルフクラブが眠ってる。どれも難しくて挫折したよ。」 「…私にとっては、ちゃんと

        たゆたうから気になる

          ユンビニ

          もうセブンイレブンの唐揚げ棒でいい。 世の中、数多の諍いや困難、衝突や不条理があると思うが、その殆どをセブンの唐揚げ棒で解消出来るという事は、皆さんもご存知であろう。 唐揚げ棒は「絶対」という言葉が適応される唯一の存在だと言える。 どうでもいい話は置いておいて、いつの間にかコンビニの種類が激減しているという問題について。 小学生の頃、よく友達と野球をやっていた公園の近くにはサークルKがあった。毎週の様に店の前で何か食べながらたむろしていたのを覚えている。 スリーエフやamp

          ユンビニ

          友人の鮮度

          幼馴染と言える友人が一人いる。 今や結婚して子供もいるが、彼をまともだと思った事は一度もない。 仲違いしなかったのが不思議なくらい不可解な言動が多かった様に思う(彼も私に対してそう感じてるかも知れないけど。) しかし、理解出来ない分、大いに笑わされた。 いつも常識や予想を超えて、奇想天外な結果を導く彼を、私は尊敬していたし畏怖していたと思う。 大人になった今でも、会えば何をしてくるかわからない。 一寸先の発言は読めないし、十年先もどうなっているのかわからない。 一番近くにい

          友人の鮮度

          サボテン。

          母の育てているサボテンが好調らしい。 一昨年くらいの母の日に私があげたものだ。 プリンのカップくらいの鉢植えに入った小さな物だが、流石はサボテン、その生命力は折り紙つきだ。 私の母はそもそも、植物の世話がクソ下手で有名である。 貰い物なのか自分で買ったものなのか知らないが、実家のベランダには朽ち果てたプランターが無数にある。 彼らが元気な間は甲斐甲斐しく水をあげるものの、ほんの少し弱りだした途端に一切の興味を失う様で、瞬く間に彼らは記憶の中の存在になっていく。 枯らすだけな

          サボテン。

          眼鏡屋さん

          見る、観る、視る、診る、看る。 全て、読みは「みる」 「霊視る」と書いて「みえる」と読むのはガリレオのサブタイトルであるが、それはあまり関係ない。 私は、ここ5、6年くらい最強の眼鏡屋さんにお世話になっている。 その眼鏡屋さんは、随分前にテレビか何かの媒体で紹介されていたので知った。 それからまたしばらく置いて、ふと思い出した折にインターネットで調べて予約したが、半年待ちと言われた。 その上、一度寝坊して約束をすっ飛ばして、めっちゃ謝って予約を取り直したため、普通に一年待ち

          眼鏡屋さん

          人鳥幹線道路

          外界の刺激・印象を受けいれる能力。物を感じとる能力。 感受性は歳を重ねるごとに衰えていくものだと思っていた。 いい大人になれば、価値観が一変する様な出来事はまず起こらないし、漫画や小説の主人公にもなれない、良いことよりも悪いことの方が圧倒的に多いし、どうやら世界にはバグがないらしいことに気付く。 ハルヒの冒頭みたいな書き出しではあるが、これはラノベではない。 私がここで言いたいのは感性ってむしろ鋭くなってんじゃね?って事だ。 歳をとって派手な感動を求めなくなった分、些細

          人鳥幹線道路

          或る蟻の群像

          我が家に蟻が大量発生している。 夏もそろそろ終わろうかというこのタイミングで、ヤツらの業界は繁忙期を迎えようとしている。 何年か前にも、同じ様に湧いて出た蟻とシェアハウス状態になっていた事があり、その際にはアリメツという最終兵器を駆使し、退居して頂いた。 そこから数年顔を見ていないので、てっきり絶滅に追い込んだのだと思っていたが、結果から鑑みるにウチの地下でずっと息を潜めていたのであろう。 謎の蜜と百均のガムテープによってほとんど壊滅させられた惨状を、生き残って地下に伝えた

          或る蟻の群像

          或るチーズ

          テレビで紹介されているお店とか、芸能人がおすすめしていたコンビニスウィーツとか、実際に食べてみると「まぁこんなもんか」って感じで「確かに美味いけど…」みたいな雰囲気になることが多くて、いつからか何事にもあまり期待しない冷めた大人になっていないかい? 俺もそうだったよ。 でもテレビで見たから食べてみたブラータっていうチーズ。 めっちゃ美味しい。 それだけの話なんだけど、これが別に味が無いのよ。 なんか口の中がまった〜りとするだけ。 そんでもって結構高い。安いやつでも400

          或るチーズ