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わたしの句

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趣味の句作(俳句・短歌)をまとめました
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#小林一茶

「ひしめきて靴踏み踏まる初詣」

「ひしめきて靴踏み踏まる初詣」

お題は「靴」

ひしめきて靴踏み踏まる初詣

「靴」は無季の言葉なので、どんな場面がいいかなと考えを巡らせ、季節的に初詣のお参りの句を作ってみました。コロナも終わり、たくさんの人たちが初詣に出かけることでしょう。混雑につい、誰かの靴を踏んでしまったり、逆に誰かに踏まれたり。コロナ前はちょっと煩わしかった人出も、今年ばかりは「コロナ前に完全復活だなぁ」と感慨深いかもしれません。

しかし今年のお正月

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花びらを鼻先にのせ猫の恋

花びらを鼻先にのせ猫の恋

タイトルに惹かれて、村松友視の「猫ふんぢゃった俳句」を読んでいます。

「猫の恋」というのが、ちゃんと季語として成立する…というのも、俳句に興味を持ってから初めて知ったこと。この春には戯れにいくつか自分でも。(あ、「猫の恋」は春の季語です。念のため)
といってもいきなりには難しいので、印象に残った句をお手本に。タイトルの句は小林一茶、

鼻先に飯粒つけて猫の恋

から。“恋”に“飯粒”をくっつける

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花は散る幹は大樹となりにけり

花は散る幹は大樹となりにけり

本業の傍ら知性と教養に裏打ちされた優雅な句を作る江戸の旦那衆や、如才なく門下を従える商売上手な俳人たちに、羨望をつのらせながら、何者でもなく終わってしまうかも知れない自分自身への不安に苛まされていた…

田辺聖子さんの「ひねくれ一茶」を読むと、好好爺なイメージだった一茶の印象が随分変わります。子供や小動物、庶民の生活を題材にした、当時でもちょっと風変わりだと思われていた一茶の句。財産相続、子供の死

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