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ダイバーシティ&インクルージョンて どゆこと?こゆこと?

最近、多様性とか、ダイバーシティとかインクルージョンとか、よく目にしたり、耳にしたりする機会増えましたよね。

私自身も口にすることはあったのですが、本当にちゃんと理解しているのかな…と、少しモヤモヤしている自分がいました。

ということで、今日は私なりのダイバーシティ&インクルージョンについて書いてみることにします。

まずは、和訳


ダイバーシティ(diversity)→ 多様性
インクルージョン(inclusion)→包括性

私の思考はここで止まっていました。英語学習者あるあるな気もするのですが、日本語訳を見て満足してしまう状態です。(私だけかしら?)
理解していないのにわかった気になって、だからこそこの言葉を耳にする時、ちょっとモヤっとしたのかもしれません。

というわけで、ダイバーシティインクルージョンてこういうことなのかなーという自分なりの解釈を息子とのアメリカ生活の思い出を振り返りながら書いていきます。※下記エピソードに出てくる名前はすべて仮名です。

ディスレクシアのクラスメート


突然ですが、息子はトム・クルーズが大好きです。

ある日、ふと「そういえばトム・クルーズって確かディスレクシアで、字が読めないからセリフを音で聞いて覚えていたって話を聞いたことがあるよ」なんて私の知っているトム・クルーズ情報を伝えてみました。

すると息子が
「マット とオードリーもそうだよ」
とクラスメートのことを教えてくれました。

「マットはね、特別な機械を使って字を読むんだよ でも全部読めないわけじゃないよ、読める字もあるし、機械があれば読めるよ」

「オードリーはね、機械は使ってない。全部読めないわけじゃなくて、knowとか読める字もあるんだよ」

「全部読めないわけじゃないんだよ、わかる?」
「読める字もあるの!わかる?」

何度も念を押されてしまいました。

これを聞いた時、私が素敵だなと思ったのは、まず、ディスレクシアの子が同じ教室で学んでいるということでした。自分と異なる特性をもつ子が自然に一緒にいられる環境っていいなーと思いました。

息子の話しぶりから受けた印象、あくまでも私の主観ではありますが、息子は友だちが字が読めないことを馬鹿にしたり、逆に自分が字が読めることを偉いと思っている風でもなく、ただ、事実をそのまま受け止めているような印象を受けました。優劣をつけるわけでも、ジャッジするわけでもなく、友人のありのままを受け入れている様子を見て、息子がいるクラスの環境にとても感謝した瞬間でした。

アレルギーを持つクラスメート

息子のクラスはナッツフリークラスといって、教室にナッツを持ちこんではいけないというルールがありました。

オーウェンという子にナッツアレルギーがあり、彼は食べることだけでなく、例えば誰かがナッツを触った手で触れた場所に触れてしまっただけでもアレルギー反応が出てしまうそうです。そのためナッツ類の持ち込みが禁止されていたのです。

ある時、おやつにナッツ入りものを間違って持ってきてしまった子がおり、オーウェンがそれに触れるとたちまち彼の顔が赤く腫れてしまったそうです。以来、息子は毎朝持っていくおやつにナッツが入っていないか私に入念に確認するようになりました。

アレルギーを持つお子さん、そしてその親御さんは、きっとすごく大変だと思います。だから軽々しく言ってはいけないと思うし、どう言葉に表現していいのかわかりませんが、オーウェンのおかげで息子が友達に配慮する気持ちを学べたと思っています。とてもありがたいです。

こうして色々な人がいるということを体感できる環境があること、しかも柔軟な子ども時代にそうした人たちと直接ふれあえることは、のちの思いやり、違う立場の人を思う心につながっていくのではないかと思います。

これに関連して、ねこさんが、病気を持つお子さんについて書いている記事についても触れさせてください。

この中で、息子さんのクラスメイトの優しさに感謝を述べられていました。私が読んで感じたことは、クラスの子たちにとってもまた、息子さんは大切な存在なのではないかということです。

助けが必要な子について、私たちは本やインターネットを通じて知ることはできます。でもそれは自ら取りにいかなければ、知らずに通り過ぎてしまう情報でもあります。直接のふれあいは自分以外の世界を認識するきっかけや入り口となり、何かの気づきにつながったり、将来誰か他の人に向けた優しさになったり、きっと人生において素晴らしい財産になるのではないかと思います。

繰り返しになりますが、ご本人や親御さんの抱える気持ちやご負担を考えたら、あまり軽々しく言える言葉ではありません。でもやはり、直接ふれあえることはありがたいことだと私は思っています。

まさかの日本代表?!息子の話

話はアメリカに戻ります。色々なクラスメイトがいましたが、私の息子も、おそらくクラスに「違い」をもたらす存在だったと思っています。

それは日本人であること。

「なんじゃそりゃ?」と思われるかもしれませんが、通っていた学校にはアジア人が少なく、さらに日本人は1人しかいない環境だったため、それだけで珍しい存在でした。

息子のベストフレンド・ブラッドは息子と出会う前は日本のことを知りませんでした。

「ブラッドは僕がチャイナから来たと思ってるの。日本って何回言っても信じてくれないの。日本のこと知らないの。」

と息子はもどかしく思っていました。

ある時、クラスの先生からの依頼でクラスのお友達に日本について発表をしたことがあります。


以来、ブラッドも日本を認識してくれたようでした。というのもブラッドのママと話す機会があり「プレゼンテーションの後、日本はマリオの国なんだよ!僕、いつか日本へ行かなくちゃ!」と言っていたと教えてもらいました。地図で東の端っこにちょこんと浮かぶ島国が、ブラッドの頭の中で具体的なイメージになったのかなと少し嬉しく思いました。

また、ランチには息子におにぎりをもたせていました。クラスメイトは興味津々、「これは何?」という話から、海苔は何でできているか?なんてみんなでおしゃべりもしたそうです。

とまあ、些細な話ではあるのですが、いつか、彼らが将来、日本人と出会った時、息子を思い出して、もしかしたら、少しだけ身近に感じてくれるかな、ニュースでJapanと耳にした時、あ、あそこにある国だな、なんて思い出してくれるかななんて。だとしたら、息子のみんなと違う要素もクラスメイトたちにとって何かしら良い影響があったかもしれない、と都合よく解釈しております。

で結局ダイバーシティ&インクルージョンて何?

息子がアメリカで通っていたのはモンテッソーリの小学校でクラスは縦割り編成なので、クラスには小学1〜3年生がいました。異年齢の友人と一緒に学ぶという環境もある意味で多様性というか、とても良い経験だったと思っています。

とこのように、私は「違う」者同士が直接触れ合うことで、良い効果をもたらすと信じています。自分と異なる存在は知らないと、なんとなく怖いような、あるいは固定観念が先行してしまったり… でも知ったら怖くない、「あれ、思っていたのと違うかも」むしろ「面白い!」と感じることもあるかもしれません。また先程述べたような思いやりや優しさにもつながるかもしれません。

だからまずは認識すること。「違い」を知ることができる環境は素敵だなと常々感じています。

で、結局、多様性と包括性って…

異なる特性を持つ人がいることを認識すること、そしてその人たちの存在(自分含む)をそのまま受け入れることでいいんですかね。(←雑!)

ちょっと何言ってるかわからないので、皆様おなじみ金子みすゞさんの詩をお借りして解釈することにします。

みんなちがって=多様性(違いを認識すること)
みんないい=包括性(違いを受容すること)

『私と小鳥と鈴と』

ということかな?

これが今、私なりに理解しているダイバーシティ&インクルージョンです。

ラジオ配信のお知らせ 初のゲストは?


今回、多様性&包括性について書こうと思ったきっかけは、みんなの子育てラジオ ISSHO NI ひなたぼっこでした。

このラジオでは初のゲストとして『パパはなぜ10日間の育休がとれないのか』の著者 なりけんさんをお迎えして、男性の育休について色々お話を伺いました。

収録後、話は育休以外にも及び、小学校の教員でもあるなりけんさんと教育について話す中で、今回書いたことに関連するお話が出てきたので、一度自分の中で思考を整理したく、このテーマで書くことにしました。

配信したラジオでは自分の意見を押し付けない、なりけんさんの素晴らしいバランス感覚、パートナーへのリスペクト、相手に選択肢を提示することなど、家族との関係を考える際に役に立つヒントをたくさんいただきました。

また、なりけんさんの「社会の変化はグラデーション」という考え方もとても素敵でした。

ISSHO NIでは、「ありのままが受け入れられ、子どもが幸せに暮らせる環境、みんなで子どもを育てる文化が広まること」を目指して活動をしています。劇的な変化は難しくとも、ゆっくり着実に、自分たちのできることを進めていけばいいんだなと、なりけんさんの言葉に勇気をいただけた気がします。

ぜひ、みなさんもなりけんさんの言葉に耳を傾けてみてくださいね!
ラジオ動画版はこちらです。

★ラジオエピソード関連リンク
ラジオで話していたなりけんさんのnoteはこちらです。

Voicy『MAMA's』
なりけんさん出演回

sachiさん出演回

なりけんさん著書『なぜパパは10日間の育休がとれないのか?』

お読みいただきありがとうございました。

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