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映画鑑賞の記録『告白 コンセッション』

 親友と雪山で遭難。「最期に聞いてくれ」死を覚悟した殺人の"告白"。だが、直後に山小屋が出現。2人は助かってしまった・・・
 この上なく気まずい一夜を過ごすうち、一線を越えた親友同士の攻防は、16年前のある真実を浮かび上がらせ、衝撃の朝を迎えることに。
 原作は福本伸行とかわぐちかいじ、主演は生田斗真とヤン・イクチュンという豪華Wタッグ。監督は『カラオケ行こ!』の山下敦弘が務め、ヒロイン役には最注目女優の奈緒、さらにマキシマム・ザ・ホルモンが緊迫感溢れるラウドロックの主題歌を書き下ろして参戦。
 個性溢れる一流の才能が結集した、想像の"先の先"を行く極限のワンナイトサバイバル開宴!

↑映画公式HPより。

 基本的に雪山の山小屋に入った二人の男しか出てきません。ヒロインは回想シーンにしか出てきません。「あいつ、遭難で死んだことになってるけど違うねん、俺が殺してん」墓場まで持っていくつもりだった秘密を墓場の一歩手前で親友に告白したら、まさかの九死に一生を得てしまう。これは怖いですね。告白した方もされた方もたまったもんじゃありません。この極限の状況で試される友情の真贋。真実を真に真実であると信じさせるのは例え真に真実であったとしても難しいはずなのに告白された方はされた方でどうやら実は大事なことを隠しているらしい。

 お互いの疑心暗鬼がエスカレートしていくと、その疑う心が暗い鬼を生み出してしまう。告白した方とされた方の鬼の一面が明るみになり、観ている我々には滑稽に見えるほどの狂気の世界が広がります。外観は普通の山小屋に見える山小屋の構造というか、間取りがいったいどうなっているのかも気になりましたが、そんなことは二体の鬼の諍いを前にしては些細なことにすぎないのです。

 ヤン・イクチュンさんは物語のなかでも韓国人役(なんだと思う)で、日本語がやや覚束なく、興奮してくると母語(おそらく)の韓国語が出てきてしまう。生田斗真さんが演じる日本人のほうは韓国語が全くわからないから何を喋ってるのかわからないのに殺意だけは迫ってくるっていう、あの緊迫感もたまりませんでした。静かにしていなければいけない映画館なのに私正直、何度もできる限り抑えたトーンで「ひやっ!」と叫んでおりました。

 それにしてもあの状況で信じ合える友情なんてあるのだろうか。あんな極限、滅多に(っていうか、ほぼ絶対に)訪れることはないけれど、あのズタボロに切り刻まれていく友情の脆さを観るにつけ、私たち、意外とギリギリの繊細なところで人間関係を保っているんだろうな、って思いましたね。面白かったです。

 っていう映画鑑賞の記録とはまったく関係ないのですが、私涌井慎(筆名:蠱惑暇こわくいとま)の著書『1人目の客』と、とってもかわいいと巷で評判になりつつある「1人目の客Tシャツ」はウェブショップ「暇書房」にてお買い求めいただけます。

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