みどりあお

書家です。 読書とアニメが好きです。 主に読んだ本の感想、アニメの感想、おすすめの文具…

みどりあお

書家です。 読書とアニメが好きです。 主に読んだ本の感想、アニメの感想、おすすめの文具をあげていきます。

最近の記事

魔女はきり、と笑う

皆さんは、ミステリーは読んでいますか? 私は最近離れ気味で…… そんな私が最近読んだミステリーを紹介します。 『図書館の魔女』です。 物語は、山育ちの少年キリヒトが、史上最古の図書館「高い塔」の番人、「高い塔の魔女」マツリカに仕えに行くところから始まります。 このマツリカ様が格好いい…… 若くして何十という言語に明るく、東西の万巻をやすやすと繙くと言われるという英知。 はあ……こんな人に仕えられるなんて……と私なんかは思ってしまいますが、キリヒトくんはめちゃくちゃに心酔はし

    • 愉快な運転手

      三浦しをんさんのエッセイ、『しんがりで寝ています』を読み返しました。 彼女のエッセイを読むたび、なんでこんな愉快な体験をしているんだろう……と思ってしまいます。 おそらく、三浦しをんさん自身の感性が素晴らしいところにもよっているのでしょうが、しかしそれにしても、何故か……不思議ですよね!? こんなに個性的な体験をしている人がいるんだなあ……と、読み返すたびに思ってしまいます。 読み返して思ったのが、タクシーの運転手って確かに変わった人多いなぁ……ということ。 私は、やむを得

      • 次は何読む劉慈欣!

        Amazon prime videoで『三体』の放送が開始していますね。 その評判の良さに、私も早く見たいと思っています。 あのシーンやあのシーンがどう映像化されるのか、とても楽しみです……!! 楽しみすぎて、『三体』原作も読み終わっちゃった!という方がもしいらっしゃったら……… 劉慈欣さんの短編集、『老神介護』をおすすめしたいです。 表題作の『老神介護』はある日突然空に現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神がこう言います。 「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報い

        • 『氷と炎の歌』を今更読み返す①〜七王国の玉座編〜

          ゲーム・オブ・スローンズのスピンオフ、ハウス・オブ・ドラゴンの放送が開始してから結構経ちますね。 私は、なかなか見ることが出来ず…… あの悪名高いターガリエン家の過去話なんて、絶対面白い!と思うのですが、視聴環境が整っていないのと、原作を読んでから映像化に望みたいという信念(みみっちい信念ですね笑)があるので、なかなか手が出せていません。 なので、今更ですが、ゲーム・オブ・スローンズの原作、『氷と炎の歌』を再読し始めました。 私は、ほんっとうにこれが大好きで……!! 書評で

        魔女はきり、と笑う

          源氏という男を知っていますか

          『源氏物語』。 名前を知っている方は多いのではないでしょうか。 光源氏という稀代のプレイボーイが、色々な女の人と恋愛をする……というところは有名ですよね。 その魅力に魅せられた人は数えきれないほどで、『源氏物語』を現代語訳した作品も数多くあります。 今日はその中の一作、『源氏物語を知っていますか』阿刀田高著を紹介します。 阿刀田さんといえば、『〇〇を知っていますか』シリーズが有名……と個人的には思っておりますが、皆さんはいかがでしょうか。 『〇〇を知っていますか』シリーズ、

          源氏という男を知っていますか

          銀の滴降る降るまわりに

          『ゴールデンカムイ』のWOWOW配信が始まりましたね。 凄くいい……らしいので、ちょっと見てみたいです。 新たな登場人物も発表されて、盛り上がっているなぁ……なんて、思っています。 私が、アイヌと聞いて思い出すのは、知里幸恵さん。 『アイヌ神謡集』を書き起こした、若くして亡くなった偉大な女性です。 "1903年生まれというのは、アイヌ語の母語話者としては最後の世代くらいにあたる。"と岩波文庫の解説で中川裕さんが語っています。 アイヌ語は、この時代には、既に衰退しゆく言語だ

          銀の滴降る降るまわりに

          犬との暮らし

          犬、いいですよね…… 尻尾を振り、元気に歩き、良き友として歩んでくれる。 でも、時には失敗することもあるかも? 今日ご紹介する絵本は、そんな犬との暮らしを綴った絵本『クーのおるすばん』です。 "こいぬの クーは おるすばん。 いいこで まってられるかな?" 「ただいまーっ!」と帰ってくるクーの家族。 クーも嬉しそうに「おかえりなさーいっ!」と尻尾を振ってお迎えします。 あれ、でも、色々めちゃくちゃだぞ……? それに対して、クーは「だって」ともの言いたげ。 自慢げそうなお

          犬との暮らし

          恋愛の殉教者

          恋文を代筆する、というシチュエーション。 なんだかロマンチックで、でも、相手に真摯でないイメージがあります。 だって、相手側に立ったら……胸をドキドキさせながらいざ対面して、それで恋文で聞いたことをまた尋ねてみたのに、なんか違う返答の仕方が帰ってきて、あれ……?って違和感を覚えたりするかも。 それが積み重なって、手紙ではこう言ってくれたよね!?って喧嘩になっちゃうかも…… 『シラノ・ド・ベルジュラック』はまさにそんなシーンがある小説です。 主人公、シラノは学者で詩人で軍人、

          恋愛の殉教者

          奪われた全てを取り戻せと

          皆さんは、『将国のアルタイル』という作品をご存じでしょうか。 月間少年シリウスにて、2007から2024年まで連載され、アニメ化も2016年にされた漫画作品です。 私は、この作品が大好きで……! あらすじを簡単に説明します。 舞台は架空の大陸。 そこに隣在する二国、トルキエ将国とバルトライン帝国は長年対抗してきました。 将軍(パシャ)達が将軍会議(デイワーン)という共和制でもって治めるトルキエ将国。 ゴルドライン11世が統治するバルトライン帝国。 物語は、トルキエ歴75年、

          奪われた全てを取り戻せと

          のみものカバー

          かわいい靴下ってありますよね。 キャラものとか、動物の柄とか、いろいろ…… 靴を履けば隠れるし、ビッグにキャラクターがあしらわれたTシャツよりかは、使いやすいかな~と思って私は買ってしまいます。 でも、いざ外で靴を脱ぐなんてことがあったりすると、あ、まずかったかも……って後悔するんですよね…… たいてい靴を脱ぐ場所って、おうちにお呼ばれするときとかでしょうから、脱ぐことぐらい予想できるだろ!って突っ込まれるかもしれませんが、どうも忘れっぽくて…… 焦ってて、適当にこれでええ

          のみものカバー

          広がる烏シリーズ

          前期アニメ、『烏は主を選ばない』。 私は、原作第一巻である『烏に単は似合わない』から大好きです。 アニメからのファンも増えたようで、嬉しいことです。 続編も決定していますね! 続編の『黄金の烏』は烏シリーズの根幹が明かされるお話ですので、これからどう転がるのか、アニメが待ちきれず原作を読みたいと思う方も、アニメで見とどけたい方も、お楽しみに。 続きがどうなるのか気になる方に……『黄金の烏』の続巻である、『空棺の烏』のお話を少しだけしちゃいます。 『空棺の烏』では、雪哉が剄

          広がる烏シリーズ

          人間・太宰治

          今期アニメ『異世界失格』始まりましたね。 こちら、漫画を読んだ知り合いに面白かった!と言われたので見ました。 いやあ、なかなかいいですね…… センセー役の神谷さんが、あのお声でけだるそうに台詞を吐くのを見ると、なんだかすごく良い気分になってきてしまいますね……笑 でも、実際のところ、太宰ってそんなに人生を儚んでいたのかな?なんて私自身は思うところもあります。 確かに、何度か心中を試み、そして実際それがきっかけで亡くなってしまった。 暗く悲しい話を書く時もある。 でも、彼の

          人間・太宰治

          クレヨン王国 月のたまごを読み直してみよう②

          近日中に上げるといっていた『クレヨン王国 月のたまごPart2』。 読み終わったので、感想を上げます。 続き物なので、前作のネタバレが含まれます。 そのことに注意して読んでください。 前作の登場人物たちはどうなったのか? アラエッサとストンストンは爵位を貰いました。 まゆみは、区立の中学校に通うことに。 そして、三郎はタイムトンネルをくぐって…… 皆、それぞれ、落ち着かない。 特に三郎は、かわいいまゆみをおばあさんにしたくないと思いながらタイムトンネルをくぐりましたが、気

          クレヨン王国 月のたまごを読み直してみよう②

          繰り返す歴史

          どうやら、コロナが過去最高と言われるまでに流行っているようですね。 周りを見回すと、もう、ノーマスクで咳き込む人も…… まだまだ、気は抜けない時期です。 今日は、疫病のたびに読み継がれる名作、カミュ『ペスト』を紹介しましょう。 一九四※年、アルジェリアのオランにてペストが発生します。 最初の数日の兆候は、四月十六日の朝、医師ベルナール・リユーが一匹のネズミの死骸に躓いたこと。 彼は、それを異様だと感じます。 何故なら、彼がいた建物には、ネズミがいないはずだから。 ネズミは、

          クレヨン王国 月のたまごを読み直してみよう①

          またまた、最近読み直している児童文学のお話。 クレヨン王国シリーズを読み直しています。 アニメ化もした作品なのですが、結構、原作は重い展開になりがち。 特に、巻数を重ねている『月のたまご』がすごい。 本当に、第一作でぼろぼろに泣いてしまいました。 中学受験に一人だけ落ちてしまったまゆみ。 茫然自失になっている彼女の前に現れた青年、三郎。 ふたりは一緒にドライブをし、まゆみは自作の歌を歌います。 途中、アニメでおなじみのニワトリのアラエッサとストンストンも加わります。 でも

          クレヨン王国 月のたまごを読み直してみよう①

          ぽっぺん先生を読み返してみよう①

          最近、懐かしの児童文学を読み返しています。 子供の頃大好きだったのが、ぽっぺん先生シリーズ。 ぽっぺん先生は、38歳独身の生物学助教授。 ツッカケで歩く音が、ぽっぺんというガラス細工のおもちゃに似ていることから、ぽっぺん先生と呼ばれるようになりました。 黒いべっこう縁の丸メガネをかけて、鼻が大きく、個性的な顔をしています。 第一作目の『ぽっぺん先生の日曜日』は、休日、ぽっぺん先生が自分の蔵書を整理しようとしていたところ、子供時代に読んでいたなぞなぞの本を手に取ったら、その中

          ぽっぺん先生を読み返してみよう①