見出し画像

繰り返す歴史

どうやら、コロナが過去最高と言われるまでに流行っているようですね。
周りを見回すと、もう、ノーマスクで咳き込む人も……
まだまだ、気は抜けない時期です。
今日は、疫病のたびに読み継がれる名作、カミュ『ペスト』を紹介しましょう。

一九四※年、アルジェリアのオランにてペストが発生します。
最初の数日の兆候は、四月十六日の朝、医師ベルナール・リユーが一匹のネズミの死骸に躓いたこと。
彼は、それを異様だと感じます。
何故なら、彼がいた建物には、ネズミがいないはずだから。
ネズミは、次第に人目のつく場所でどんどん死んでいきます。
何かが、おかしい。

そして四月二十八日には、リユーの住む管理人が病に倒れます。
”熱は三十九度五分あり、首のリンパ節と手足が腫れ上がり、黒っぽい斑点がわき腹に広がっていた”……と本文にはあります。
しかし、この時点ではまだ、何の病気かわかりません。
とある病気が猛威を振るう時は、はっきりと断定するのも難しいので、原因不明の病としかいえないでしょう。
やがて、気候も暑く、あらゆるものが手の中でべとつく中、同じような症状で苦しむ病人を往診で見る日々が続くことになります。
考えたのち、リユーはこう判断を下します。
これは、ペストのようだーーーーーーと。

ここから、医師リユーの、残り四部にもわたる長い戦いが始まります。
とにかくすごいので、ここからは是非、皆さんの目で見て欲しいです。

さて、皆さん。
コロナの話に戻りますが、手洗い、うがい、まだまだしっかりしましょう!
この夏は暑いですので、家から帰ったら軽くシャワーを浴びて、汗を流すついでに雑菌を落とすのもいいですよ。

最後に、『ペスト』の終わりの一文を引用して、この記事を〆ます。
”(前略)ペスト菌はけっして死ぬことも消滅することもなく、家具や衣類のなかで数十年間眠ったまま生存でき、寝室や地下室、カバンやハンカチや反故のなかで忍耐強く待ち、そしておそらくはいつか、人間に不幸と教訓をもたらそうと、ペストがふたたびそのネズミどもを呼びさまして、死なせるためにどこかの幸福な都市に送りこむ日が来るだろうということを。”



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?