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銀の滴降る降るまわりに

『ゴールデンカムイ』のWOWOW配信が始まりましたね。
凄くいい……らしいので、ちょっと見てみたいです。
新たな登場人物も発表されて、盛り上がっているなぁ……なんて、思っています。

私が、アイヌと聞いて思い出すのは、知里幸恵さん。
『アイヌ神謡集』を書き起こした、若くして亡くなった偉大な女性です。

"1903年生まれというのは、アイヌ語の母語話者としては最後の世代くらいにあたる。"と岩波文庫の解説で中川裕さんが語っています。
アイヌ語は、この時代には、既に衰退しゆく言語だったのですね……
その言葉を、ローマ字を使って発音を書き起こしながら、日本語訳をつける作業をしたという知里幸枝さん。
自らの母語があった証を残そうと、努力したのだな……と胸が熱くなってしまいます。

ローマ字で書き起こされたアイヌの物語を見ると、同じ言葉の繰り返しなどが入っており、まさしく歌うように語り継がれた言葉なのだなぁ……としみじみしてしまいます。
"kamui"という言葉を見ると、これ、『ゴールデンカムイ』にもあった!って嬉しくなりますね。
日本語訳に原文ママの言葉が出てくると、これはどうしても日本語に対応する言葉がなくてそのまま書かざるを得なかったのだろう……と思いを馳せてしまいます。

岩波文庫は、『アイヌ神謡集』を赤い背表紙…… 外国文学として扱っています。
私は、これを知った時、衝撃を受けました。
日本という国に住んでいるのに、外国文学に分類されているのか……と。
あまりにも、残酷ではないでしょうか。
しかし、このアイヌ語という言葉が日本語とはまた違った言葉なのも事実。
そのことを思うたびに、苦しくなってしまいます。

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