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映画と本のこと

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バンコクナイツ

バンコクナイツ

 『バンコクナイツ』は、去年からずっと楽しみにしていた映画だった。それが今回、やっと劇場公開されたので、いそいそと観に行ったのだが、鑑賞中、思わぬ場面で、全てが吹っ飛んでしまった。
 スクリーンには、バンコクの見慣れた街並みが、次々と写し出されるのだが、途中、日タイ友好橋がチラッと出てくる。俺はこの橋の上で、タイの女性に、手酷く振られた過去があるのだ。ただ振られたのならまだしも、グーパンチを見舞わ

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筋トレが最強のソリューションである

筋トレが最強のソリューションである

 今年になって、突如、肉体改造に目覚めた。
 筋肉に、筋トレに目覚めた。
 ジムにも通いだした。
 とりあえずの目標は、ベンチプレスが体重の1倍、スクワットが体重の1.5倍、デッドリフトが体重の2倍、それぞれ挙げられるようになることだ。
 現状では、デッドリフトだけが、このラインをクリアしている。
 デッドリフトが、楽しくて仕方がない。

 本書『筋トレが最強のソリューションである』によると、世の

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満州国演義

満州国演義

 直木賞作家の船戸与一は、71歳で亡くなった。
 胸腺癌だった。
 癌が見つかったときに、医者から、余命1年と言われたのだそうだ。
 その宣告を受けて、船戸与一が何をやり始めたかというと、本当に書きたかった小説の執筆だった。
 それが『満州国演義』である。
 最終的に『満州国演義』は、四百字詰め原稿用紙で7500枚の大長編となったが、これだけの仕事を、闘病生活の中で成し遂げたのだ。
 命を使い切っ

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さいはて紀行

さいはて紀行

 金原みわ著「さいはて紀行」は、著者が自身のブログで書き溜めた文章を、再編して一冊の本にまとめたものである。
 著者は、その旺盛な好奇心を武器にして、さまざまなさいはての地を渡り歩く。本書はその記録の物語だ。
 各章それぞれとても面白いのだが、俺は、淀川河川敷で暮らす人々の生活に迫った章を読んでいて、おもわずはっと息を呑む箇所があった。
 この本を読んで初めて知ったことなのだが、ホームレスになって

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