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【新刊】『土民生活流動体書簡集(一) バックレ可(笑)』 *取扱店更新2024.7.9

2023年9月、虹霓社の新レーベル「NIJI BOOKS」より『土民生活流動体書簡集(一) バックレ可(笑)』(土民生活流動体著/よしのももこ編)を刊行しました。全3巻予定。この作品は、2023年1月に自主制作でリリースした小説『ジドウケシゴム』が作家・山下澄人さんによるすごい紹介文のあと押しも受け、半年足らずで初版第1刷完売となったよしのももこさんの第2作。執筆開始から3年、待望の新作は書簡体小説か、はたまた島暮らしを綴ったノンフィクションか。独特なワードが舞う「よしのももこ的世界」をぜひ漂ってほしいです。


『土民生活流動体書簡集(一)バックレ可(笑)』/装画:moineau

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この本について

ぐるぐる迷走していた首都での暮らしからバックレて、家族とともに離れ小島へ流れ着いた「わたし」は、トモエ学園、ルイス・ミショーのナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア、大杉栄の「鎖工場」、中島正の自給農業、石川三四郎の土民生活などを日々の生活に織り込み、都会では起こりようもない出来事に振り回されながら、徐々に生きているを取り戻していきます。

積極的にバックレたい。できてるフリをするよりできなさを体感したい。できないならできない者としての生活をガチでやりたい。都会がダメで田舎がすばらしいとかじゃない。自給自足がどうのこうのとかでもない。ただ、毎日の生活に読めなさを取り戻して、《生きている》のままならなさに日々驚いていたい!

本文より

「土民生活流動体」という署名の他には何の手がかりもないけれど、いつかの〝今〟に存在した「わたし」が書き残した手紙らしきもの。引き戸の奥で忘れ去られようとしていた紙の束と遭遇したよしのももこは、それらを本に編み始める。50年後100年後の誰かのために。

できる人が書いた「ちゃんとおもしろいもの」を形にして残すのは、私じゃなくてもいろんな人がやるだろう。だから私は〔中略〕この「手紙」らしきものたちを複製して、あえて紙の本の形で編むことに決めた

本文より

この本は書店流通用のISBNコードを付けておりませんので、書店での取り寄せはできません。下記の取扱店にてお買い求めくださいませ。


『土民生活流動体書簡集(一) バックレ可(笑)』
著者:土民生活流動体
編者:よしのももこ
発行元:NIJI BOOKS(虹ブックス)
判型:B6(180頁)
定価:1,600円(税込)
発売日:2023年9月29日ごろ


SNSでの反響


本書から引用を4つ、5つ

 『トットちゃん』を読んで以降、わたしはこの世にトモエがあるほうの《生きている》をやることになって、それはじっさいにトモエのような学校を探してそこに転校するとかそういうことじゃなくて、いる場所は同じでも、そこにはいつも別の可能性が折りたたまれて含まれてることがわかった。わかったというか、含まれてるほうに賭けることにした。折りたたまれたものたちのこの凸凹した感触を知っていれば、どこにいたってわたしはきっと大丈夫だと思えて、それで、というほど劇的でもなく、だんだんと何となくわたしは気にせず学校に行けるようになりました。学校が好きになったのでも楽しくなったのでもなかったけれど、《直線のかたち》に飲まれなくなった。

P38-39「3通目 脱出口」

もう見なかったことにはできないのだと気が付いてしまったプレイヤーが、ほうぼうから集まってきて店主のミショーさんと語り合い、居合わせたプレイヤーと顔見知りになり、それまで「無いことにされていた」類の本と出会い、そこからまた新たな種がこぼれてほうぼうへと運ばれ芽吹いていく。わたしがこの世に生まれ出て来た1974年に営業を終えたというこの小さな独立書店の存在は、わたしが《生きている》を続けていく上での大きな支えの一つになっています。《直線のかたち》からの退避所のひとつとして、ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストアは今でもまだそこにある。

P58「5通目 ミショーさんの本屋」

「三人家族」風に見えているこれは、猫とか鶏とか猪とかスズメバチとかミミズとかカビとか黄砂とか土壌微生物とか水とか空気とかいろんなものからできている。別に「家族の定義をつくり変えたい」とかではなく、もともと決まったかたちになりようがない。いろんなものどもが複雑に出たり入ったりして常に流動している集まりを一時的に区切って「三人家族」と呼ぶことでうまく回る部分もいろいろあるけど、わたしたちが「三人家族」をやっているわけではない。
 その状態を「土民生活流動体」と呼ぶようになったのは今から3年前のことです。

P136-137「10通目 土民生活流動体」

さまざまなものどもが作用し合う堆肥の中にはハラウェイの言うように《死ぬこと》が確実に含まれている。土の上で生き物が育まれ、食い、食われ、死を迎え、分解し、合成し、熱を放ち、においを放ち、腐っていく。そのすべてが土壌を育み、育まれた土の上でまた新たな生き物が育まれる。その腐敗と生成の過程からこの身を切り離さないでおくこと。〔中略〕朽ちること=何かがダメになってしまうこと。以上。オシマイ。なのではなく、それは何かがかたちを変えて新しいものとしてあらわれ出る動きの一部分にすぎなくて、そこだけにピントを合わせてしまうと見えなくなるものがきっとたくさんある。

P152-153「11通目 あやとり」

人間のエゴがこんな酷い状況をつくり出してしまった、私たちはもうそこから逃れられない、どうしてこんなことになってしまったんだ、あいつらが投票に行かないからだ、あいつらが声をあげないからだ、とか、希望のありかはたぶんそこじゃない。人間がやってるんだもん、どんな状況にも必ずバグは生じる。小さい穴はどっかに開く。へんなものがぽこっ、と生まれちゃったり、必ずする。《あやとり》をする指が異なっていればいるだけすき間ができる。そこに希望の芽があるとわたしも思うし、なによりそのほうがおもしろい。

P162-163「11通目 あやとり」

本書の目次

・長く空き家だったというこの家を借りて、
・1通目 バックレ可(笑)
・2通目 閉所恐怖
・3通目 脱出口
・4通目 エスカレーター
・5通目 ミショーさんの本屋
・6通目 設定が違う
・7通目 気がついたら出てた
・「手紙」を読みはじめたのは遅めの昼食を済ませたあとだった
・8通目 悪夢と胃の腑の鍵
・9通目 セルフ島流し
・10通目 土民生活流動体
・11通目 あやとり
・12通目 糞尿博士
・13通目 アウト・オブ・眼中
・今から五十年後百年後の誰かがこれを偶然読む、

本書に引用された文献リスト

『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子著(講談社文庫、1984年)
『ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯』ヴォーンダ・ミショー・ネルソン著、原田勝訳(あすなろ書房、2015年)
『アメリカ黒人の歴史 新版』本田創造著(岩波新書、1991年)
『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ著、上田真而子、佐藤真理子訳(岩波書店、1982年)
「鎖工場」『大杉榮語録』鎌田慧編(岩波現代文庫、2001年)
『農家が教える 自給農業のはじめ方 自然卵・イネ・ムギ・野菜・果樹・農産加工』中島正著(社団法人 農山漁村文化協会、2007年)
『君たちはしかし再び来い』山下澄人著(文藝春秋、2022年)
「土民生活」『石川三四郎著作集 第二巻』石川三四郎著(青土社、1977年)
「農本主義と土民思想」『石川三四郎著作集 第三巻』石川三四郎著(青土社、1978年)
石川三四郎 魂の導師大澤正道著(虹霓社、2020年)
『谷中村滅亡史』荒畑寒村著(岩波文庫、1999年)
子どもではなく類縁関係をつくろう──サイボーグ、伴侶種、堆肥体、クトゥルー新世|ダナ・ハラウェイが次なる千年紀に向けて語る(「DOZiNE」2019年5月24日のポスト)
『メディウム 第2号』(『メディウム』編集委員会、2021年)
『糞尿博士・世界漫遊記』中村浩著(現代教養文庫、1972年)

編者プロフィール

よしのももこ
1974(昭和49)年生まれ。離れ小島で暮らしている。好きなことは言葉に節をつけて歌うことと動きを中から言葉にして書くこと。空間把握がヘタで注意力が驚くほどないので、よく食パンや鍋を焦がしている。 これまでに書いたものに「《わたし》は土に還れるか?─離れ小島 でメンドリと暮らす」(『スペクテイター』47号所収・2020年)、「ナーンチャッテ家族」(『季刊黒猫』連載・2020-2023年)、小説 『ジドウケシゴム』(私家本・2023年)がある。

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・下記の取扱店リストに掲載させていただきます。
・よしのももこ著『ジドウケシゴム』(初版第2刷)との同時取扱いも大歓迎です。取引の詳細はお問い合わせください。

◎取扱店リスト

◆静岡
ひばりブックス(静岡市) 
水曜文庫(同)
書肆猫に縁側(同)
めがねや春田(富士宮市)
長倉書店サントムーン店(駿東郡清水町)
Ginger Books Cafe(三島市)

◆北海道
トロニカ(札幌)

◆東北
Go Go Round This World! Books&Cafe(福島県郡山市)

◆関東甲信越
イレギュラー・リズム・アサイラム(東京・新宿)
タコシェ(東京・中野)
蟹ブックス(東京・高円寺)
本屋Title(東京・荻窪)
mountain bookcase(長野県富士見町)
ひなみ文庫(長野県飯田市)
生存書房(茨城県土浦市)
バックパックブックス(東京・代田橋)

◆東海
庭文庫(岐阜県恵那市)

◆近畿
100000tアローントコ(京都)
あまかわ文庫(姫路)
陽文庫あさのは商店〕(姫路)

◆中国
本屋アンラーン(福山)

◆四国
ドンドロ浜商店(香川)
古本 YOMS(香川)
うずまき舎(高知)

◆九州
とらきつね(福岡)
カライモブックス(水俣)
books selva(鹿児島)
ひよこ雑貨店(熊本)★期間限定★
長崎書店(熊本)
平平書店(大分)*2024年7月中旬オープン予定

◆その他
しいねはるか(個人ディストロ・手渡しのみ)
ママゴト商店(イベント出店等)
book & board game shop 'caravan'(移動式書店)

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本を扱っているかは全く問いません。何屋でも何屋でなくても。アクセサリーやお弁当や野菜の隣にぜひ。

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