アズマくん@元公務員、現在無職です

公務員を退職してから、病院系のコンサルタントをしていましたが、退職して現在は無職です。…

アズマくん@元公務員、現在無職です

公務員を退職してから、病院系のコンサルタントをしていましたが、退職して現在は無職です。 自治体や公務員、公立病院のことなどを書きたいと思います。

最近の記事

古巣の病院について思うこと

元々は公務員で、働いている間に病院勤務をやったことから、退職後は公立病院向けの病院コンサルタントをやっていました。(今も細々とやっていますが) 先日とある勉強会で古巣の病院の話があり、現職時代からコンサルタントの間に感じたことを話したので、頭づくりにまとめてみます。 古巣の病院 私が勤めていた公立病院は、精神科単科の病院とバリバリの急性期基幹病院というまったく違うタイプの病院で、今回話題になったのは後の方の急性期基幹病院でした。 病床数540床で、私がいた当時で既に年間の

    • 新型コロナウイルス感染症の病床ひっ迫を振り返って

      いつもの公立病院の話ではありませんが、関西学院大学総合政策学部の宗前清貞教授が、新型コロナでの病床ひっ迫について、医療制度の視点から分析されていますのでご紹介します。 医療供給体制と構造的制約-日本のコロナ病床確保はなぜ困難に直面したのか- 文中にもあるように、宗前先生は「日本医療の近代史ー制度形成の歴史分析ー」という本を著されており、世界的な古代からの医療提供の歴史を概観しながら、日本における江戸期から現代に至るまでの医療の歴史を、高度な専門技能としての医療としてではな

      • 小規模自治体の公立病院はどうなるのか

        小規模自治体の公立病院での事件 知り合いから、小規模自治体の公立病院で発生した事件を教えてもらいました。 部下の横領の責任問われ2913万円支払い命じられた元上司「重すぎる」…取り消し求め提訴  三重県南伊勢町立南伊勢病院で元職員の被告(39)(業務上横領罪で公判中)が、多額の診察費などを横領したとされる事件を巡り、被告とともに町から約2900万円の損害賠償命令を受けた元上司の男性1人が、町を相手取って、命令の取り消しを求めて津地裁に提訴したことが分かった。提訴は2月2

        • 公立病院には、役所や役場で飛び切り優秀な職員を送らないといけないのでは

          3年の入院生活って そろそろ地方公務員の人事異動の季節になりました。直営の公立病院がある自治体では、どの職員を病院に異動させてどの職員を長部局に戻すか、人事部門が頭を悩ましているところでしょう。 自治体の人事異動の中で、病院への異動は特に人気の”ない”異動の一つだと思います。内示が出たときに、「これから3年間の入院生活だ」と嘆く職員もいるし、異動したらカレンダーに「あと〇日」なんて書いて、そこに車線を入れるのを楽しみにしながら働いている職員もいるそうです。こういう職員に限っ

        古巣の病院について思うこと

          本会議場で静かに目を閉じる議員

          きわめて久しぶりのノート作成です。 これまで読んでいただいていた方、申し訳ございません。4月末に体調を崩して9月で退職し、家でおとなしくしております。ぼちぼち体調も戻ってきたので、いろいろな感想などを書き散らかしてみたいと思います。 超しらべてみたら 年末12月28日にフジテレビ系列で放送された「超しらべてみたら」では、青森県議会の11月定例会の本会議場での議員の様子が紹介されていました。 放送はもう見られないので、ネットでまとめられていたことを紹介します。 アラ還おや

          本会議場で静かに目を閉じる議員

          日本は破綻しないのか?

          今日は公立病院とは直接の関係のない話から。 文芸春秋11月号に掲載された、矢野康治財務事務次官の借金だらけの日本の財政はおかしい、という論文に対して、浜田宏一イェール大学名誉教授がPresident Onlineにウソだという論文を書かれています。 イェール大名誉教授「"日本財政は破綻寸前"はウソと断言できる理由」 財務次官論文はフェイクニュース #プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/51806 浜田名誉教授の結論は

          他人は変えられないか?

          私の好きな言葉の一つに、「過去と他人は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」というものがあります。 なかなか分かってくれない人を相手にするときに、無力感に包まれながら心に浮かぶときもあるし、明日のために頑張ろうと自分に言い聞かせながら心に呟くときもあります。 でも、この言葉には矛盾があることに先日気がつきました。 私もそうですが、この言葉は私が考え出したものではありません。どこかで誰かが話したことを聞いたか書いたものを読んで、そうだよな、とうなずいて心に残ったもので

          役所の官房部門が病院を左右する

          そんな話を人事課に持ってこられてもなぁ あぁ、財政課も知らないなまたまた久しぶりに書いてみます。 さて、あなたは市役所の人事担当者です。 市立病院の事務長さんから、「6月から9月まで新型コロナ対応に忙しくて、夏季休暇が取れなかった看護師がいる。何とか取得期間を12月まで延長できないか」という相談が来ました。 実は、あなたの市では一般行政職員も新型コロナ対応があったので、8月に規則の附則改正を行い、10月まで夏季休暇をとれるようにしていました。 さて、あなたはどうしますか?

          役所の官房部門が病院を左右する

          病院事務職員はなぜ企業会計を勉強しないといけないんでしょう。

          しばらくサボっておりました。 COVID-19が猛威を振るっているおかげで、お仕事も直接病院様にお伺いすることが減って、Webでの対応が多くなっています。それで楽になったかと言うとそういうことはなくて、以前なら移動時間で対応できませんで済んだのが、自宅からWeb会議にしましょうということになっています。また、対面なら相手の表情の動きからこちらが話したことへの反応を見ながら対応できるのですが、Webだと先様は病院にいらっしゃるので当然マスク越しになって、どんなふうに感じておら

          病院事務職員はなぜ企業会計を勉強しないといけないんでしょう。

          次は、損益計算書と貸借対照表を「読んで」みようじゃないか。

          こんにちは。 いよいよ夏が近づいてきたことを感じさせる天気が続いています。 5月から始めた、支援している病院様の初めて一般会計から病院事業会計へ来た職員さんへの公営企業会計の勉強会は、2つのシリーズで計6病院様への講座を終わることができました。 多分に私の準備不足や説明下手があり、いくつかの病院様からいただいたアンケートは、やや満足が多数という結果でした。この中には不満に近いやや満足もかなりあるものと思いますので、改良に取り組んで、来年もまた一般会計からいらっしゃる皆さんの

          次は、損益計算書と貸借対照表を「読んで」みようじゃないか。

          公立病院の決算統計は巨神兵並みの破壊力か?

          6月に入り、自治体の一般会計は、出納整理期間が終了して決算額が確定している頃でしょう。現役の公務員の頃は、4月から5月は補助金や委託料の確定業務、それに引き続く国庫補助金の受け入れや逆に確定後払いの業務で、とにかく忙しかったことを覚えています。 そして追っかけてくるのが、決算統計と呼ばれる総務省の統計調査資料の作成業務です。今は各自治体ともシステム化されていて、基本数値は財政課で取りまとめて、所管課はその内容の確認くらいで済んでいるんではないかと思いますけど、今から40年近く

          公立病院の決算統計は巨神兵並みの破壊力か?

          14 公会計でも発生主義の勉強を

          自治体の財政についてはプロ中のプロの方が、前回の記事を紹介してくださいました。 発生主義と現金主義 https://note.com/yumifumi69/n/n9b0308743983?fbclid=IwAR1ogOco-TGJ5EMZwNsbI_1sdMAQxKV3KsC7otXCXLku-TLr9ExoyyQkDz8 公務員も発生主義会計を理解した方が良い、という趣旨で書かれています。 この中で大事なのは、「年度内の収入と支出の均衡を図ることに長けた現金主義で公会計

          14 公会計でも発生主義の勉強を

          13 企業会計なんてわかんないよ。

          今の仕事は病院経営コンサルタントということになっていますが、私のところは公立病院さんにお声をかけていただくことが多くて、特に私はほぼ公立病院経営コンサルタントというニッチなお仕事になっています。 私自身は、役人時代に水道用水供給事業で4年と病院事業で6年の計10年公営企業でお仕事をして、最初に入ったときには、はっきり言って公営企業会計なんて全くわかりませんでした。 「3条予算?4条予算?なんの3条と4条なの?地方公営企業法?」 「発生主義会計?なにそれ?」 「損益赤字なのに

          13 企業会計なんてわかんないよ。

          12 やっぱり基礎だよね

          ゴールデンウイークの連休も今日で最終日。 ふだんの年なら、高校時代の友人の家族とバーベキューをやるのが恒例の行事だったんですが、去年に引き続いて今年もできませんでした。一昨日は年末に亡くなった同級生のお母様の告別式があるなど、寂しいゴールデンウイークでした。 その代わりというわけではないですけど、昨日はその普段集まる高校時代の友人とライン飲み会を2時間ばかりやってみました。中に私を公立病院業界に引きずり込んだ大学の准教授と総合病院の副院長の2人の医者がいて、彼らは既に2回の

          11 事務屋も楽しくお勉強

          4月の人事異動で晴れて病院勤務になった公務員の皆さん、3週間過ぎて少しは慣れたでしょうか? 中には、見たことも聞いたこともない企業会計の担当になって、決算を控えて頭を抱えている方もいらっしゃるかと思います。もしかしたらお悩みにお答えできることもあるかもしれませんので、その程度でもよろしければコメントにお書きください。 さて、医療職-特にお医者さんは医師と研究者としての立場があるということを書きました。どちらも日々学習と研鑽が求めらます。 そういうお医者さんと接する時には、や

          10 お医者さんとはどう付き合ったらいいんだろう…

          〇〇さん、辞令をもらって病院に来てどうでしたか? まずは院長先生にご挨拶に伺ったでしょうね。その時には、院長先生の出身大学と診療科、持っている資格などは予習してから行ったでしょうか? 初めての時は、予習していなくても「初めての病院勤務です。よろしくお願いします。」で良いと思いますけど、早いうちに調べておいてくださいね。 それから、副院長先生、診療部長の先生、各診療科の部長の先生と、一通り管理職級の先生方にご挨拶をしないといけないですね。 まず必要なのは、自分の病院がどの大学

          10 お医者さんとはどう付き合ったらいいんだろう…