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生きているってなんて素晴らしいことなんだろうと初めて思う日々が来る。

初めて精神科クリニックに行って、あなたは怠け者ではなくて病気なのだと告げられた。怠け者ではなかったことは、わたしにとって大きな大きな救いだった。

詳しくは過去の記事に書いています。

とはいえ、すぐに普通に暮らせるわけでもない。

お薬が効かない

初めての診察の後、一錠のお薬が処方された。

ポピュラーな軽い安定剤なのだが、当時のわたしには薬に関する知識は全くなかったので、言われた通りに服用するのみだった。

ところが、何日経ってもこれといった変化はなかった。

お薬が変更される

あまりにも効かないので、主治医(になるとは当時は思っていなかった)は処方を変えた。

同じく毎食後に一錠ずつのお薬なので、色と形が変わったなぁと思うくらいの気持ちで服用を始めた。

結果、思いがけない変化が起きた。

なぜか心が軽やかに

まず、布団から出られるようになった。

次に、食事も家族と一緒に食べられるようになった。

パジャマを部屋着に着替えることが出来た。

気づいたら、家に適当に積まれた一人暮らし生活で発生した私物を整理整頓していた。

いるものといらないものの区別がつくようになったのだ。つまり、考えるということが出来るようになっていた。

布団もたたんで、家の中もスッキリしてきた。

処方されたお薬を服用し始めて5日目くらいのことだった。

信じられない変化が

毎日、何か前向きな行動を取れるようになった。これがお薬の効果だということには全く気づかなかった。

処方されてから一週間後には、昔と同じような生活が出来るようになった。

いや、同じどころではない。

バタバタと様々なことをこなすうちに、

「生きているってなんて素晴らしいことなんだろう」

と、思うようになっていた。

自分でも信じられない変化だった。物心ついてから一度もこんなことを考えたことがなかった。

いつも生きることが難しかった。

でも今は違う。

毎日楽しく幸せに、次々とやりたいと思っていたことをこなしていく。

すごいすごい!

どこかでこんな風に思っていた。

この調子で心地良く過ごしている間にわたしは、

突然、記憶を失うことになる。

新しいお薬を服用してから10日くらいが過ぎた頃だと思う。





久しぶりの、

【シリーズ:坂道を上ると次も坂道だった】でした。




地味に生きておりますが、たまには電車に乗って出かけたいと思います。でもヘルパーさんの電車賃がかかるので、よかったらサポートお願いします。(とか書いておりますが気にしないで下さい。何か書いた方がいいと聞いたので)