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雨とビール

雨が降っている。
ベランダで、ビールの缶を開けた。
椅子に座って、外を眺めながらビールを飲む。車が通って、地面を擦れる音がして、手すりに雨が叩きつけられた音がしている。いろいろな音が混ざって聞こえてくる。ぼうっと眺めている景色には雨のカーテンがかかっているようで。

心地いい夕方と夜を、ビールのアルコールがなお心地よくさせてくれる休日。

隣に住んでいる人に聴こえてしまうかもしれない。
そんないつもの懸念を今日だけは通り越して、音楽を流してみる。大きな音ではなく、ちょうど聴こえるくらいの音量で、星野源の「ばかのうた」を流している。
映画「モテキ」で「ばらばら」が挿入歌になったときの驚き、あのときの生活、関わっていた人たち、夜から朝まで飲んで、始発で帰るときの記憶がちょっとだけよみがえる。そんな記憶も、もう10年前になるんだ、なんて何回思ったかわからない驚きを今日も抱いて、現実をこうして生きている。

辞めないで、ずっと続けていたら、報われるかはわからないけれど、少なくとも自分は満足させられる。そう思って、いまの生活を正面から受け止められたような、そんな気がした今日。

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