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あのときの、あの言葉

向き合うべきものさえ見つけてしまえば人は楽に生きていけるもの。
でも、それを見つけられる人は限られている。
見つけられないと思っていても、実は見つけている人もいたり、
どうしても見つけられなくて、見つけたと自分に言いきかせて納得する人もいる。
ひっくるめて、気持ち次第、と言ってもいいのかもしれない。
だからあなたも、根を詰めすぎずにそこそこにね。

誘われるがままに人と付き合って、
これかもしれないというやりたいことを続けて、
仕事を手に入れてなにも知らないところからしがみついた。
毎日毎日やることばかりで、眠る時間さえ惜しくなって、
睡眠と、食事がどんどん疎かになっていくことにも気づかないほど、
自分の決めた選択に必死になってしがみついて、盲目的にその先に何かが得られると思って毎日を過ごしていた。

けれど、あっという間に心は擦り切れて、無くなってしまっていた。

そんなとき、
本当に不思議なタイミングで話した人との何気ない会話。
自分の最近のことを話して、返された言葉。
そのときはまるで雲の上のことを話されているかのように現実感の希薄な綺麗ごとのように聞こえたのは、自分で選んだことだからと表面上は納得して自分の不要領を責めつつ、内心では、泥まみれになりながら地面を這いつくばって、どうして自分がこんな思いをしなければいけないのかと張り裂けそうなくらいの違和感を抱いていたからだったのかもしれない。

そんな私の心の中を、そのとき交わした少しの言葉で見透かしていたのだろう。

思い出したこと。

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