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人生を豊かにする中国古典の名言37

【今日の名言】

初め有らざること靡し、克く終わり有ること鮮し
(読み:ハジめアらざることナし、ヨくオわりアることスクナし)

『詩経』大雅・蕩篇

人は初めは慎み深く物事を進めるが、最後までその姿勢を全うできる者は少ない、という意味。

初心を忘れないことの大切さと有終の美を飾ることの難しさを表した言葉ですね。


誰しも始めたばかりのころはモチベーションも高く、一つ一つの手順を大事にして作業を進めると思います。

しかし、ある程度仕事に慣れてくると、作業のゴールが見えてきた安心感から大なり小なり油断してしまうでしょう。

そこで気を引き締めなければ、それまでは順調に作業が進んでいたのに最後の最後で大きなミスをすることにつながってしまうかもしれません。

中国最古の詩集である『詩経』に今回のような言葉が残っているということは、2500~3000年ほど前の人類もゴール手前で油断しがちだったということ。

そう考えると人間は今も昔もあまり変わっていないんだなぁと感じます。

ちなみに、心理学の用語には「ピークエンドの法則」というものがあります。

過去の経験はピーク時と終わりの印象によって決まる、というものです。

「終わり良ければすべて良し」という言葉もありますが、最後の最後をどのように締めくくるかで、その作業への満足度や達成感は変わってくるということですね。

有終の美を飾るためにも、最後まで初心を忘れずに真摯に取り組んでいきたいなと思います。


今回の名言は以下の記事でも取り上げています。

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凪平コウ@古典・歴史愛好家
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