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クラブ別戦力評価#32 清水エスパルス

記事編集日:2023年2月22日

みなさん、こんにちは。
Jリーグ開幕のタイミングに合わせて、昨年も行いました戦力評価を行っていきたいと思います。
すでに、2023年に入り、ついにJリーグも開幕し数試合が行われています。
「クラブ別戦力評価」の第32回は、清水エスパルス編です。
評価軸としては、「GK」から「FW」の各ポジション、そして「その他」として監督などのスタッフや継続性を「SS」「S」「A」「B」「C」「D」「E」の7段階評価をしていきたいと思います。

移籍市場

ここまでの、移籍市場の動きを振り返っていきましょう。
画像は、Jリーグ公式の移籍情報ページのキャプチャになります。

<考察>

 監督は昨年途中より就任したゼ・リカルド監督が継続して指揮を取ることになりました。
 昨年は、4バックを主に採用していましたが、今期はキャンプより3バックも併用していたとの報道もあり、実際に開幕戦では3バックを採用しています。

 選手の加入や退団に目を向けると、パリ五輪世代の日本代表でもある鈴木選手がフランス1部のRCストラスブールに移籍することとなり、退団してしまいました。
 しかし、「海外移籍を含む移籍交渉」により今季の契約締結が大幅に遅れていた日本代表の権田修一選手、松岡選手。加えて、昨年のJ1得点王でもあるチアゴ・サンタナ選手の3人は無事に契約を更新し残留することになりました。
 夏での移籍が否定できず、シーズンを通して清水でプレーするかはわかりませんが、とりあえず現時点では非常にポジティブな要素であると言えます。

 ほかの退団選手に目を向けると、右サイドバックの一番手であった原選手がスイスに。DFラインの立田選手と片山選手が二人揃って柏へ。永井選手が横浜FC、高橋選手が町田、ヴァウド選手が長崎、ピカチュウ選手がブラジルなどというのが主な退団といえるでしょう。
 
 いずれにせよ、J1からJ2に降格をしてしまっているため、「主力級総入れ替え」となってしまっても不思議ではない状況である中、ピカチュウ選手とヴァウド選手を除く強力外国人助っ人が残留し、DFラインの鈴木選手、松岡選手、西澤選手をはじめほとんどの主力選手が残留しました。

 獲得選手に目を向けても、J1の柏レイソルで主力であった高橋選手やシステム変更によってなかなか名古屋で出場機会を掴めなくなっていた吉田選手。
 「規格外」という言葉がよく似合うルーキーの森重選手を獲得したほか、昨夏よりJ2の山形へ期限付き移籍しており、J2のレベルを身をもって知っているディサロ選手を復帰させるなど、一年でのJ1復帰に向けて精力的に動いた移籍市場であったと言えます。

評価

GK

最初にGKです。

 評価は『SS』でしょう。

 日本代表守護神でもあり、カタールワールドカップではほとんどの事象で圧巻のパフォーマンスを見せた権田選手が、遅くなったとは言え契約延長をしており、権田選手がJ2というのは規格外と言えます。

 加えて、大久保選手はFC東京やサガン鳥栖でJ1で主力であった経験がある選手で、梅田選手も一時は清水でポジションを掴んでいたことに加え、期限付き移籍崎の岡山でも主力であり、J1・J2の主力級以上の選手が3人もいるというのは、「層が厚すぎ」ともいえる状態で、評価は最高評価の『SS』が妥当でしょう。

DF

次にDFです。

 昨年のJ1で54失点と守備が崩壊しているというのが正直なイメージです。
 そして、GKがJ1でも上位の実力を持っている権田選手であったにも拘らずということで、DF陣の奮起を期待したいのが昨季でした。
 
 とは言え、途中で監督交代というエクスキューズがあり、守備の構築がそこまでできていなかったのが現状で、そう考えるとまた0から作り上げるフェーズであるように感じます。

 サイドバックタイプで考えると、右サイドバックの一番手であった原選手がスイスに、左右両方ができるという優位性を活かし、多くの出場機会を得ていた片山選手が柏に移籍することになりました。
 
 一方で、浦和レッズなどへの移籍の噂もあった左サイドの山原選手は契約延長しており今季も清水でプレーします。
 レギュラー格、二番手が揃って移籍した右サイドバックに関しても、名古屋グランパスより吉田豊選手を獲得しています。
 左サイドバックを本職とする選手ですが、開幕戦では右のウイングバックで起用されており、左右問わずに起用されることが見込まれている気がします。
 他にも、柏より加入した北爪選手も右サイドバックを本職としている選手で、選手の「頭数」という観点では問題がないでしょう。
 また、実力面に関しても吉田選手はJ1でもバリバリできる選手ですので、問題ないと言えます。

 センターバックに関してです。
 主力という観点で見れば、立田選手が柏レイソルへの移籍を決断しましたが、代役にその柏で主力であった高橋選手を獲得しており、大きな不安点はありません。
 また、昨季はレギュラーではありませんでしたが、一定程度の出場機会を掴んでいたヴァウド選手が長崎へ移籍しました。
 
 早稲田大学より加入した監物選手がセンターバックということや、長崎に期限付き移籍していた菊地選手を復帰させていることから人数的な問題はありません。
 一方で、どちらの選手もヴァウド選手と比べると実力・実績共に劣るのが正直なところで3バックを採用した時の控えに関しては不安が残ります。

 昨年のJ1での失点数は気になりますが、基本的にはJ1で主力であった選手たちでバックスを構成できるというのが今年の清水の最終ラインで、戦力値はJ2屈指と言えます。
 一方で、昨年の監督交代後に守備が良くならなかった点があるので、最高評価ではなく『S』評価としました。

MF

次にMFです。

 攻撃的なMFとして日本代表に入りの期待もあった鈴木選手に関しては、フランス1部のRCストラスブールへ移籍し、念願の海外移籍を叶えました。
 他方で、同じく海外移籍を模索していたボランチの松岡選手に関しては欧州の移籍期間内に海外移籍することが叶わず、残留という形になりました。

 他にも、2021年まではJ2の北九州で司令塔として不動の地位を築いてた高橋選手が町田へ移籍していますが、昨年のJ1では6試合の出場にとどまっており大きなダメージではありません。
 また、昨夏に加入したピカチュウ選手が母国に復帰していますが、J2はJ1と比べても外国人枠が5から4に減るということもあり、やむを得ない移籍であるように感じます。

 そのほかの選手は軒並み残留しており、新たな「主力級」と呼べる選手の加入もないため、DFラインとは打って変わって「継続」に重きを置いた陣容になっています。

 松岡選手、ホナウド選手、西澤選手、コロリ選手、乾選手などJ1でも屈指とも呼べる実力を持っている選手が多く所属しており、どっからどう考えても評価は最高評価の『SS』となります。

FW

次にFWです。

 なによりも大きいのは、昨年のJ1得点王でもあるチアゴ・サンタナ選手の残留と言えるでしょう。
 海外移籍や浦和移籍の噂もあった中、J2の舞台に落ちてしまった清水に止まるというのは正直想定外で、エスパルスサポーターにとっても「嬉しい誤算」と言えるかもしれません。

 他にも山形より復帰したディサロ選手にも期待です。
 昨夏より山形でプレーしていた選手で、今季の清水のFWの中では唯一昨年のJ"
を知っている選手で、しっかりと結果を残していることも含め期待感が高まります

 他にも、10番のカルリーニョス・ジュニオ選手や、昨夏に海外より復帰した北川選手らも残留しており、MF同様J2レベルではない選手ばかりで、昨年のJ1でも44得点とJ1中位程度の得点力を誇っていた選手が残留していることを踏まえても評価は最高評価の『SS』でしょう。

その他

最後にその他です。

 リカルド監督は2年目のシーズンになります。
 昨年は途中就任でしたので、キャンプから指導できるという観点では、今年が初めてとなります。

 多くの主力選手が残留している状態である中、昨年の課題でもあった「守備陣」に関しては入れ替えが多く、少し不安が残ります。
 一方で、新たに加入した選手は軒並み経験値がある選手であり、そこまで大きな不安感を抱く必要はないと考え、「その他」の評価は『S』としました。

フォーメーション

フォーメーションは、開幕戦の水戸ホーリーホック戦のメンバーを参考にして決めました。

 GKに関しては、昨年の主力で日本代表の守護神としてカタールワールドカップにも参戦した権田修一選手が残留しており、基本的には権田選手が一番手と考えて問題ないでしょう。
 逆に言えば、梅田選手と大久保選手に関しては実力が確かであるだけに勿体無い感じもあるにはあります。

 開幕戦で採用した3バックを予想していますが、3バックの軸になるのはキャプテンマークを巻く鈴木選手と昨年の柏の主力である高橋選手の二人でしょう。
 一方で、開幕戦ではリベロの位置に井林選手が起用されました。
 「メンバーのやりくりの中で」ということにはなりますが、ホナウド選手をリベロで起用しても面白そうだなとは思います。

 ウイングバックに関しては、左の山原選手は昨年も主力で絶対的な主力といるでしょう。
 それだけに、新加入で左サイドが本職の吉田選手が開幕戦では右ウイングバックで起用されましたが、そのようなことが今後も続くかもしれません。
 また、同じく新加入の北爪選手や岸本選手に関しても実力がある選手であるだけに、起用できないのは勿体無いなと感じます。

 ボランチは、ヘナト選手が現在、負傷離脱中ということもあるため、開幕戦は松岡選手とホナウド選手の組み合わせになりました。
 他にも、竹内選手や成岡選手がいることもあり、非常に層が厚いポジションであるように思います。

 シャドーに関しては、開幕戦の組み合わせであるカルリーニョス選手と北川選手のコンビを基本軸と考えていますが、中山選手、白崎選手、神谷選手、西澤選手など実力・実績が伴っている選手が多く所属しているのが、今年のエスパルスであり誰が出てもJ2どころかJ1でも上位の組み合わせになりそうです。

 最前線は、昨年のJ1の得点王であるチアゴ・サンタナ選手が主軸と考えて問題ないでしょう。
 北川選手がこっちに回る可能性や、ディサロ選手が起用される可能性もありますが、「フォーメーション予想」という観点ではサンタナ選手は外せません

まとめ

これまでの評価をまとめます。

目標

 現実的な目標は、「J1自動昇格」になるでしょう。
 「J1で戦うチームです」と言われてもなんら不思議ではない選手構成で、最後方に日本代表、最前線にJ1得点王という構成がJ2にいるというのは、まさに「来ないでJ2」の典型例であるように思いますし、この戦力がいれば一年でのJ1復帰は「至上命題」であるように感じます。

最後に

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