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客席からの眺め

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お箏の演奏会は楽しい! お箏の演奏会に行くといろんな曲、いろんな情景に出会うことが出来ます。 どんな物を聴いて、何を感じたのか。素人が聴きに行った演奏会の感想を、綴ります。
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#箏曲

「第三回川瀬露秋の会 ~懐い継なぐ~」

「第三回川瀬露秋の会 ~懐い継なぐ~」

紀尾井ホール小ホール。
生田流箏曲白秋会を率いるお家元の会。
江戸時代の曲を、箏・三味線・胡弓で演奏。

と聞くと、
堅苦しそう、かしこまって聞かなくてはならなくて、そして眠そう。
そんなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、そのイメージが覆る「演奏会」ではなく「ライブ」でした。

幕開けは2面の長磯箏で「みだれ/京みだれ」
長磯箏は、豪華な装飾がなされたお箏です。
蒔絵や螺鈿、鼈甲で彩ら

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「The 箏 KOTO spin-off」

「The 箏 KOTO spin-off」

深海さとみさん、福永千恵子さん、吉村七重さん
大御所お三方による「The 箏 KOTO」の4回目の公演です。

サブタイトルはspin-off。
これまでは大曲が多かったのですが、皆さまの声にお応えして、「聴きやすい曲」にしてみたとのことです。
確かに、他の演奏会でも耳にしたことのある「聴きやすい曲」のラインナップです。
ですが、全然違います。

トップバッターは福永千恵子さん「鳥のように」

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「山田流箏曲協会創立百周年記念 第九十三回定期演奏会」

「山田流箏曲協会創立百周年記念 第九十三回定期演奏会」

山田流箏曲協会の定期演奏会。
今年は、協会創立百周年記念とのことで、盛大に開催されました。
開演は11時。そして20時終演。
いずれの曲も聴き逃しがたいとは思いながらも、さすがに全曲を集中して聴き続ける体力に自信が無く、途中から拝聴いたしました。

箏曲には大きく山田流と生田流があります。
学校の教科書等では、爪の形が違う、くらいしか習いません。
演奏される曲も、どちらの流派でも演奏される曲もあ

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「中井智弥 砧の系譜 箏・二十五絃箏リサイタル」

「中井智弥 砧の系譜 箏・二十五絃箏リサイタル」

中井智弥さん。
二十五絃箏をメインに演奏され、ご自身で作曲もされます。
リサイタルは毎回凝ったプログラム。
今回のテーマは「砧(きぬた)」です。

昔、麻や葛の着物の繊維を和らげるためや、木綿のしわを伸ばすために、布を木槌で叩いていました。
この動作や道具を「砧」と呼びます。
秋の夜長に、あちらこちらから聞こえる砧の音は、秋の風物詩となり、様々な文化芸能に取り入れられています。

箏曲にも数あ

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「下野戸亜弓 箏曲リサイタル ー山田検校作品連続演奏会Ⅲ-」

「下野戸亜弓 箏曲リサイタル ー山田検校作品連続演奏会Ⅲ-」

山田流箏曲演奏家である下野戸亜弓さん。
2019年から、古典の会と現代曲の会をそれぞれ開催されています。
本日の公演は、古典の会の3回目にあたります。
山田流は、声の表現も重視した流派で、歌も聴きどころです。
下野戸さんは、箏曲演奏家であり、かつ日本の歌唱法の専門家でもあります。
そのお歌を聴くのも楽しみに、足を運びました。
それぞれ趣向が凝らされた3曲が演奏されました。

「小督曲」
平家物

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「新宮順子演奏会 いにしへをたづねて-絵巻-」

「新宮順子演奏会 いにしへをたづねて-絵巻-」

お箏といえば、お正月に流れる「春の海」。
皆さまご存じのこの曲を作曲されたのが、宮城道雄さんです。
この宮城道雄さんの教えを、守り伝承されている新宮順子さんの演奏会。
目で見ても耳で聴いても大変美しい「絵巻」そのものでした。

越天楽変奏曲
昭和3年、昭和天皇即位大典の奉祝曲として作曲された独奏箏とオーケストラによる協奏曲。
今回は宮城道雄さん本人が、邦楽器の合奏曲として編曲したバージョンとのこ

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「中島裕康 箏リサイタル2022~2023 千葉公演」

「中島裕康 箏リサイタル2022~2023 千葉公演」

圧倒的な、揺るぎのない、正確無比なテクニック。
どの音も、音程もリズムも、一分のブレもありません。
気迫のこもった演奏には、1曲終わる度に、客席から感嘆のため息がこぼれます。

その爪音を、存分に味わうことの出来るプログラムは、バラエティ豊かで、とても贅沢な気分を味わえました。

超絶技巧の十三絃箏
奥深い古典、低調子の十三絃箏
十三絃箏と十七絃箏のアンサンブル
十七絃箏の独奏
総勢12名での

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