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嬉しい!歓びの言霊 セルフ「和らぎ鎮めを」元伊勢四九 ことの葉綴り三七六

和らぎ鎮めの祈り

こんにちは。雨の金曜日。
今日は、移動しながら、神話の物語を綴っています。
早速、倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、天照大御神さまを、伊勢の神宮にお祀りされるまでの「元伊勢」の物語に入ります。
引き続き、宜しくお願いします。
※これまでの1~343回までの、神代~13の神話の物語のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。

垂仁(すいにん)天皇十八年倭姫命(やまとひめのみこと)さまご一行は、伊勢の国の阿佐加(あさか。三重県津市や松阪市のあたり)の「藤方片樋宮」(ふじかたかたひのみや)」で、天照大御神さまを四年間、お祀りになられました。
このとき、この阿佐加(あさか)の地には、荒々しい凶暴な伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)がいたのです。
そのことを伝えるために、都にいらっしゃる垂仁(すいにん)天皇へ使者を遣わせます。
父である垂仁天皇から「種々のものを捧げて、荒ぶる神のを和(やわ)らげ鎮めて、阿佐加の里を平定するるように」と、の(みことのり)を受けた倭姫命(やまとひめのみこと)さま。

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嬉しい!! 歓び溢れて!

時に、その神を阿佐加の山の嶺に社を作り定めて、
その神を夜波志志都米上(やはししづめあ)げ奉りて労(ね)ぎ祀りき。
その時、「宇礼志(うれし)」と詔(のたま)ひて、
その処を名付けて宇礼志と号(なづ)けたまひき。

そこで、倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、
阿佐加の里を往く人たちの半分を捕まえては殺していた荒ぶる伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)をお祀りするために、阿佐加の山の峰に、お宮をおつくりになります。
そこに、たくさんの種類の貴重なお供えものをお供えし、その荒ぶる神に、「柔らかに、和らいで、鎮まりますように」と、御祈願の祭祀をとりおこないました。

すると、伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)の荒々しさが収まり、凶暴な行動も止んだのです!!

その変化をご覧になった倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、たいそう喜ばれました

そして、こうおっしゃられたのです。
宇礼志(うれし)い!!!
嬉しい~!!!

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倭姫命さまの、歓び

倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、たいそう喜ばれ、感激しての嬉し涙や微笑みを浮かべられていて、「大物忌(おほももいみ)」の大宇祢奈(おおうねな)をはじめ、周りのものたちと、手をとりあい喜ばれているお姿が浮かびませんか?(^^)

想像するに、最初は、相手の凶暴さゆえ、おっかない、怖いというお気持ちもあったかもしれません
自分では、どうすればいいかを、独自では判断せずに、父である天皇に相談されます。
そして、天皇の「詔」(みことのり)を賜り、荒ぶる神を和らげ鎮め、その地域を安全な場所に平定する命をうけます。

天照大御神さまの御こころを受けとる御杖代(みつえしろ)として、斎王(さいおう)として、ご自身の魂の使命として、祭祀を行われていく。

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そのとき、相手の存在をまずはそのままで「認め」、「いのち」を労う。
そして、全身全霊で、その荒ぶる神が和らぎ鎮まるようにと、祈りを捧げたことで、本当に、荒ぶる波が、静かな凪の海におさまっていくように、伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)が、どんどん変容して、柔らかく鎮まっていった。
凶暴なことも、しなくなっていった

ちなみに、この伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)は、人々の暮らしや、ご巡幸の道行きさえ、できなくなる自然のすさまじい猛威のことではないかとも、いわれているそうです。

伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)の変容を感じられて、それは、それは嬉しかったのでしょうね。
祈りが通じたこと
それ以上に、相手が、変容し成長したことも嬉しかったかもしれませんね。

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セルフ「和らぎ鎮める」

これって、人々の「癒し」「和解」など心の成長過程とも重なりますね。

荒ぶる伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)の変容
荒々しい相手も、自らの存在を「受容」され、「労(ねぎら)う」は、苦労や骨折りに感謝しいたわる

感謝まではできなくとも、これまでの相手が経験してきた苦労、荒々しくなってしまった原因、骨を折らざる、得なかったことへと思いをはせる……。
もう、大丈夫ですよ

私たちだって、激しい怒り、憤怒、恨みを感じることもあります。
そんなとき、存在そのものを認められ、いのちを受容されて、
大変だったね」と、労ってもらったら……
鋭い怒りが、緊張がほどけてゆるんで、涙溢れるでしょうね。

すると、怒りも、恨みも、憤怒といった固く硬く尖っていた心が、“ふんにゃ”と柔らかくなり、心も落ち着いていく気がします。


私たちも、自分の心が荒々しくなったとき、自らを、メタ認知で、第三者の視点、俯瞰の視点で、その“荒々しい自分”を、見て、倭姫命(やまとひめのみこと)さまのように、祈ってみると、「和らぎ鎮める」ことができる気がします。

あっまた長くなってしまった!(苦笑)

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―次回へ

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