“正体”に気づいた父から娘へ 応神天皇八 神話は今も生きている ことの葉綴り六二七
今年最後の己巳の日
おはようございます。小春日和が続き、移動中の車内から見えた、オレンジ色に紅葉する川沿いの桜の木が美しかったです。
皆さんのお近くの秋の深まりはいかがでしょうか?
さて十一月十七日(水)、己巳の日です~!
財運・金運の吉祥日。へび「己」さんの中でも、白蛇さんは、弁財天さまのお使いで、金運上昇に結び付くといわれます。
そして己と合わさる「己巳の日」は、特に縁起の良い日!六十日に一度なので、今年最後の「己巳の日」! お時間あればぜひ、お参りしてはいかがでしょう。
ほかの六曜は、「仏滅」で、勝負なしの日ですが、十二直は、物事を突破する「破」、ただし、婚礼などのお祝いは凶。
一方、二十八宿の「軫」では、婚礼などのお祝いごと、地鎮祭、建築ごと。祭祀などが吉。そして、ご神事によい「神吉日」でもあります。皆さんにとり佳日でありますように!!
<ことの葉綴り>全体のご案内
この「言の葉綴り」は、神話の物語を神さまごとに「マガジン」に分けて読めるようになっています。
「神さまも“失敗して成長した”」と、魅力的な神さまごとに18のマガジンに分かれています。全体のご紹介は、こちらをどうぞ。
600回の節目に、まとめてみました。
最新のマガジンをつくりました!
神話19 成務天皇・仲哀天皇と神功皇后
<応神天皇さま これまでの物語>
第十五代応神天皇さまは、三柱の皇子、大山守命さま、大雀命さま、
宇遲能和紀郎子さまの中で、いちばんの年下の皇子、宇遲能和紀郎子に、皇位を継承すると、詔をだされました。
この皇子の母矢河枝比売さまを、寵愛されていたのです。
出会いは、近江国(滋賀県)へと山越への行幸をされたときのことでした。宇遅野(京都府の宇治)の木幡村(現在の宇治市の東部にあたり)の辻で、見目麗しい矢河枝比売さまと運命的な出会いをされたのです。
丸邇(和珥)の娘、矢河枝比売
この比賣は、地元の古代からの有力な豪族、丸邇(和珥)の娘でした。
応神天皇さまは、近江への行幸を終えての大和への帰りに、「矢河枝比売の屋敷を訪れる」と、告げられます。
驚きつつ、恥ずかしそうに一礼をして立ち去る矢河枝比売さまの後ろ姿が小さくなるまで、見送られていました。
一方の矢河枝比売さまは、屋敷へ戻ると、父である丸邇の比布禧能意富美に、木幡村(現在の宇治市の東部にあたり)の辻での偶然の出会いについて、詳しく話をしたのです。
娘の話を聞いていた父は、目を大きく見開いて驚き、そして娘をこう諭しました。
な、な、なんと……比賣よ……それは、それは、そなたが出会ったのは、それは天皇さまであろう!!
これは、なんと、あまりにも畏れ多いことか……。
父、辻で出会った“男”の正体に気づく
どうやら、この矢河枝比売さまは、どこかの“偉い方”くらいに思っていたのかもしれません。
しかし父は、話の状況や交わした会話から、娘が出会ったお相手の“正体”がピンときたようですよ。
そして、父として、我が娘をこう諭したのです。
我が子よ、よいか、それは光栄なことである。悦んで明日は、お仕え奉るのじゃ!!!
そう言い終えると、急ぎ走り出して、屋敷中に響き渡る大きな声で、こう指示を出しました。
みなよ~よいか、屋敷中をきれいに整えるのじゃ~~
明日、我が屋敷へ、天皇さまが、我が子に逢いにいらっしゃる~~~!!
丸邇の比布禧能意富美は、急いで、屋敷中を整えて飾りをつけ、ご馳走の準備、最上級のおもてなしの準備をして、天皇さまをお待ち申し上げたのでした。
―次回へ
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