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許されぬ恋の結末 允恭天皇十六 神話は今も生きている ことの葉綴り七四七
衣通姫さまと輕太子さま
おはようございます。三月十六日(水)の暦は、六曜は「先負」。午後が吉。万事に平静にしてよし。
十二直は「除」で、障害を取り除く日。お医者さんへのかかりはじめ。薬の飲み始め。掃除でほこりや汚れを取るのはもってこい。種まきもよし! 二十八宿は「箕」で、ものを仕入れたり集金に吉。リフォームや改築、建築もよしです。
今朝は、早速ですが、衣通姫さまと、輕太子さまの神話の物語に入らせて頂きます。
<神話の物語マガジン>
最新マガジンは、「仁徳天皇さまの物語」です。宜しくお願いします。
第19代允恭天皇さまの皇子で、長兄と、同母妹、
輕太子さまと衣通姫さまは、禁じられた許されぬ愛が発覚してしまいます。
島流しになった兄を追って、衣通姫さまもすべてを投げ出して、伊予の地へとやってきたのです。
そして、念願の再会を果たされたのです。
輕太子さまは、さらに歌を詠まれます。
隠り國の 泊瀬の河の
上つ瀬に 齋杙を打ち
下つ瀬に 眞杙を討ち
齋杙には 鏡を懸け
眞杙には 眞玉を懸け
眞玉如す
吾が思ふ妹 鏡如す
吾が思ふ妹 ありと言はばこそに
家にも行かめ 國をも偲はめ
泊瀬(初瀬)の川の
上流の瀬に、清らかで神聖な杙を討ち、
下流の瀬にも、真に立派な杙を打ち、
そして、上流の神聖で清らかな杙には
神の依り代である鏡を懸けよう
立派な杙には、神聖な勾玉を懸けよう
ああ、丸で勾玉のように尊く大切に思ふ妹、
その鏡のように、尊い大切に思ふ妹よ
この愛する妻が、この世にいるのであれば
私は故郷へも帰ろう。
国をも偲ぼう……けれど、私は、これほどまでに大切で尊い、愛する妻がいないのであれば……もう我が家にも故郷を偲ぶこともない……。
再会を果たされた輕太子さまと、衣通姫さまは、もう一つのこの歌を詠まれました。
そして……
そして……。
輕太子さまと、衣通姫さまは、お二人で、自ら命を絶たれて、この世から旅立たれてしまったのでした……。
美しさが、衣を通してもまばゆく輝く衣通姫さまは、それは神神しくしく女神のようだったでしょうね。
兄の輕太子さまも、最期の歌のように、まるで女神に接するように崇め奉りたい気持ちでもあったのかもしれません。
衣通姫さまも、一途でまっすぐな兄を、愛してしまった……けれど、それは、決して許される間柄ではありませんでした。
この世には、禁じられた愛を貫く自分たちには、もう居場所はないと思われたのでしょうか。
お互いがいれば、もう何もいらぬと思われたのでしょうか……。
神話の『古事記』では、父である、允恭天皇さまの物語は、お子である、輕太子さまと、衣通姫さまの、この許されぬ恋の悲しい結末により幕を閉じているのです。
切ないですね……。
そして物語は、次の御世へと遷っていきます。
―次回へ。
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