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心の眼で視る 神道のこころ ことの葉綴り。其の百二一

たいせつなことはね、目に見えないんだよ

こんにちは。仕事を終えて、「ことの葉綴り。」に向かう“サボり”屋です。青い空に白い雲が今日は綺麗でした!

今日六月二十九日は、『星の王子さま』の日。
1943年にアメリカで初版され、
戦後、ヨーロッパで刊行された世界中で愛される名作。
作者である、アントワーヌ・ドサン=テグジュペリが、
1900年6月29日に誕生したことから、
星の王子さまの日になったそうです。

サハラ砂漠に不時着したぼくに、
星の王子さまはこういいます。

「たいせつなことはね、目に見えないんだよ」

目に見えない……大切なもの。

王子さまは、「心で見なくちゃ、ものごとはよくみえないってことさ」と、真理を語ります。

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古来日本人も、星の王子さまと同じように、目には見えないものを尊び、とても大切にしてきました

神話の物語でも綴りましたが、
『古事記』の冒頭
「天地初発之時於高天原成神名天之御中主神」

(あめつちのはじめのとき、たかまがはらになりませるかみのみなは、あめのみなかぬしのかみ)

宇宙の始まりのとき、その中心に、
天之御中主神さまがいらっしゃって、
その御心により宇宙ははじまった
と、
書かれています。

この神の御心、「こころ」は、目には見えません

次に高御産巣日神。次に神産巣日神
この三柱の神は、みな獨神と成りまして、
身を隠したまひき

次にお生まれになった「産霊(むすひ)」の二柱の神さま
生成の神様、結びの神さま、名の通り、何かと何かを結んでいく神さま。
ご縁も結ぶものですね。

そして、この三柱の神様たちは、
「身を隠された神さま」で、
まさに、私たちの目には見えません

人のこころも、
人と人とのご縁も、見えない。
目には見えないけれど、大切なもの。
それが、神話の冒頭に書かれているのです!

空気や風だって、目には見えません。
神さまや、魂も見えません

目に見えているものだけが、
“世の中”や“世界”ではない、ですもんね。

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心の目と身体で読む「神話」

社会人で大学に通っていたころに、
『日本書紀』の授業で教えてもらった内容が忘れられず
今も、大切にしています。
それは……。

古事記』や『日本書紀』の神典(神話)を
よく読み見るべし! 心と身体で読みなさい

目で見て頭で読む、それは「目に見える世界」のこと。

でも、心と体で読むとは、どういうことでしょう?

軽く目を閉じて、静かに深く祈ってみましょう…と。
瞼の奥に、家族、亡くなった祖父母、愛する人が浮かび“会え”ますよね?
これは、「心の眼」で見ている、ということ。
毎日5分でも、目を瞑り祈る。
心の眼の視力がついていきます
よと。

この「心眼」を養うことが、大切
現代は、この「心眼」の視力が低下した人が増えていると。

心の耳を澄ましてみると……
地球の裏側で食べ物がなくて困っている子どもの声を感じることもできるかもしれません。
それは「心耳」で聞くということ。

また身体で読むとは、「丹田」を意識してみること
臍下丹田の「ハラ」で読むこと。
頭で考えて決めることと、肚で考えて決断することは違う。
人は人生の重要な最後の決断をすることを、
「肚を決める」といいます

古代人は、
あるものをないと、見ることができた。
ないものを、あると見ることができた。

目の前に、見えてはいなくても、
そんな風に、我が身(身体とこころ)を使って、
感じて読んでいきましょうと……。

目には見えないけれど、大切なものが、心の眼で”見える“ように……

物事は、心の眼で見て、心の耳で聞いてみる
「星の王子さまの日」
目に見えないものを、目を閉じて、心の眼で見る
ちょっと試してみませんか?

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今日も、ありがとうございます。

―次回へ。

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