命を懸けて守る覚悟 安康天皇十一 神話は今も生きている ことの葉綴り七六〇
巳の日に肉の日
おはようございます。お花見いかれましたか? 寒暖差がありますが、体調いかがですか? どうかお元気でお過ごしくださいね。
毎月29日は、「肉の日」(^^)。気候が不安定なときは、お肉で活力つけるのもいいですね。
三月二十九日(火)の暦は、六曜は、「仏滅」で、勝負なしの日。
十二直は、すべて満たされる「満」ただし控えめにしてよし。祭祀、お参り、婚礼、お祝いごと、引っ越し、旅行、建築、種まきに吉です。二十八宿は「觜」で、お稽古ごとや、お仕事始めに吉!そして、金運・財運に良い「巳の日」です。弁財天さまにお参りをして、「銭洗い」してきましょう。
さて、神話の物語に入ります。
<神話の物語マガジン>
最新マガジンは、「仁徳天皇さまの物語」です。宜しくお願いします。
<ふりかえり>
第二十代、安康天皇さまを暗殺された末弟の大長谷谷王は、軍隊をおこし、兄を殺した七歳の目弱王をかくまっている、年老いた家臣都夫良意富美の屋敷へと攻撃をしかけていきます。
都夫良意富美も応戦しますが、勝ち目はありません。
大長谷谷王は、攻撃の手を止めます。
なぜなら、都夫良意富美の娘、訶良比賣とは結婚し后に迎える約束をし、結納まで交わしていたのです。
都夫良意富美たちを全滅させることは、后となるはずの愛する人の死も意味します。
都夫良意富美も、娘の訶良比賣には、自分の土地をつけて后にと送り出すつもりであることを、大長谷谷王に告げます。
「しかしながら……幼き目弱王さまを、お引き渡すわけには参りませぬ!!」
そう断言したのです。
都夫良意富美の覚悟
都夫良意富美は、さらに、こう続けていきます。
大長谷谷王さま。
私は、あなたさまに降参をするつもりも一切ありませぬ。
なぜなら、遥か古より、今時に到るまで、私共の臣や連といった大君さまの臣下の者が、天皇の宮殿に、隠れ逃げ込んだという話は聞いたことがあります。
しかれども、未だ、王子が、臣下の家に逃げ込み隠れたという話は、長い歴史の中でも一切聞いたためしがございません!
大長谷谷王《おおはつせのみこ》も、静かに、舅となるはずの老齢の都夫良意富美の話に耳を傾けています。
大長谷谷王さま。これを考えてみますに、賤しい身分の私め意富美が、どれだけ力を尽くし、あなた様と戦いましても、大長谷谷王さまに、私が勝てることはきっとないでしょう。
しかれども、こんな年老いた私を頼りにされて、この屋敷に逃げ込んでいらした、あの幼い王子さまを、この意富美の命が亡くなろうとも、見捨てるわけには参りませぬ。決してございませぬ!!!!
そう言い切ると、地面に一度は置いた武具を手に取ると、踵を返し、大長谷谷王に、背中を向けて、自身の屋敷の中へと戻っていったのです。
都夫良意富美は、七歳の子供の目弱王がしてしまったことも、そうしてしまった抱えきれないほどの悲しみとショックと怒りも……逃げ込んだきたときに……かくまえば、自分はどうなるかも理解した上で、「この王子さまを最後までお守りするのが、年老いた爺の役目よ」と、肚をくくっていたのでしょうね。そして、同時に可愛い娘は、大長谷谷王と幸せになって欲しいと……。
大長谷谷王は、何も言えず、ただ、その背を見送ることしかできませんでした……。
―次回へ
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