諏訪湖にご鎮座 大国主神様の国譲り 神様も“失敗”して成長した。百三九
信濃へ逃げた建御名方主神
こんばんは。週末の夜「ことの葉綴り」に向かいます……。
神さまも“失敗”して成長した、神話の物語。
大国主神さまの子の言代主神さまは、
豊葦原の中つ国を譲ると宣言されて、お隠れになりました。
大国主神さまのもう一柱の息子神の建御名方主神さまは、
高天原からの使者の建御雷神さまに力比べを挑んだところ、
逆に、建御雷神さまに、思い切り投げ飛ばされました。
恐ろしさに、逃げ出した建御名方主神さま。
それを追いかける建御雷神さま。
とっとこ、とっとこ一目散に、逃げる、逃げる。
建御名方主神さま。
建御雷神さまも、とっとこ、とっとこ、追いかけます。
出雲から、とっとことっとこ走って逃げる建御名方主神さまを、
建御雷神さまは、追いかけ続け、
やがて、遠い信濃の諏訪湖で、追い詰めて、殺そうとします。
そのときです。観念した建御名方主神さまが、息を切らしながら
こう、命乞いをなさったのです。
あ~恐れいりました。
私を殺そうとしないでください。降伏します。
私はこの諏訪の地から、別の場所へは決していきません。
また私の父、大国主神の命令にも
兄の八重事代主神が決心した言葉にも背いたりしません。
この葦原中つ国は、天照大御神さまの御子神さまにお譲りします。
そう、嘆願したのです。
信濃の古社 諏訪大社
ここに、出雲の国の、国譲りが決定しました。
そして、建御名方主神さまは、諏訪湖のほとりに永久にご鎮座なされます。
それが、御柱祭で有名な、信濃国一之宮の古社『諏訪大社』さんです。
全国にある一万社以上ある諏訪神社の総本社です。
建御名方主神さまと、お妃の八坂刀神(やさかとめのかみ)と、
御子神の十三柱が、この信濃の国を開拓されて、
諏訪湖の湖畔の聖地を、とこしえの神居と、ご鎮座され、皇室武門、皇統の守護の任につかれて、今もなお、この国を守ってくださっているのです。
諏訪大社は、長野県の諏訪湖のほとりに、
上社 本宮 諏訪氏中洲
上社 前宮 茅野市宮川
下社 秋宮 諏訪郡下諏訪町
下社 春宮 諏訪郡下諏訪町
の4社があります。
古社で、拝殿の建物がありません。
七年に一度、寅と申の年に、執り行われる「御柱祭」。
正式名称は、『式年造営御柱大祭』といい、
宝殿のつくりかえや、社殿の四隅に、樹齢200年ほどの
樅(もみ)の巨木を曳いて建てる、804年の
桓武天皇の御代から、今にも続く、勇壮で盛大なご神事です。
諏訪湖地方の氏子さん20万人以上が参加する、アツい祭!
次は令和四年の四月と五月です。
諏訪明神とも呼ばれ、古より風、水の守護神として
五穀豊穣を祈る神、武勇の神として、崇敬されています。
現在は、生命の根源、生活の源を守る神と信仰されています。
ここに、建御雷神の国譲りの任命は、誰一柱(一人)
命を落とすこともなく、“一大事業”の「国譲り」が、
平和裏のうちになされそうです!!
これまで出雲の国づくりをされてきた大国主神さまは
どうされるのでしょうね?
―次回へ。
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