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大国主神の再登場 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百三四

天翔ける船


おはようございます。
神さまも“失敗”して成長した、神話の物語。
今日も、その続きに向かいます。
天照大御神さまの「地上の豊葦原の水穂國は、我が御子が治めるべき国」との言向けの使者として、
刀剣と雷神の神、建御雷之男神(たけみかづちのかみ)
遣わされることになりました。
四度目の派遣、いったい、どうなるのでしょうか?


刀剣と雷神、建御雷之男神(たけみかづちのかみ)さまの
お供をされたのは、鳥之石楠船神(とりのいわくすぶねのかみ)こと、天鳥船(あめのとりふね)という伊邪那岐伊邪那美さまが産んだ神の一柱です。
その字のごとく、鳥のように速く、天翔ける船の神でした。
なんだか、天空を飛ぶなんて、今の時代なら、UFOみたいですね。


そして、二柱の神さまが、高天原から、地上へと向けて旅立たれました。

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大国主さまの子どもたち

出雲の国をつくられたのは、”いじめられっ子”から数々の試練を乗り越えて、大国主神さま(その物語は、こちらをお読みください)。


大国主神さまには、今では沢山の子の神がいました。
その中でも、優れたところがあり、大国主神さまが、
信頼を寄せていた二柱の神でした。

一柱は、事代主神(ことしろぬしのかみ)といい
深い知恵をもち、出雲のみなを助け、多くの人からも信頼されていました

もう一柱は、その弟神で、たいそうな力持ちの、建御名方神(たけみなかたのかみ)で、その力強さはとても頼りになる存在。

まさに、知恵と力、大国主神様の“腕”となる優れた息子神たちでした。

ところが高天原から、四度目となる使者がきます。


それは刀剣と雷の勇壮なる神だと聞いた……。
武力で戦うことになるのは避けたい……。
だが、これまでの使者たちのように、取り込んでしまうわけにもいくまい……。
はてさて、どうしたものか……。

大国主神さまも、どうしたらいいか思案にくれられます。
しかも、よりによって、このとき、信頼する息子神たちは、それぞれの仕事で不在なのです……。

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武力の刀剣神

建御雷之男神(たけみかづちのかみ)さまと、天鳥船さまは、
地上の出雲の国の伊那佐の小濱(いなさのをばま)に、
降り立たれました。そこは、現在の稲佐の浜のことです。


天上界から、稲佐の浜に降りたった建御雷之男神さま。

出雲のみなが、「あれは誰だ?」「なんだろう?」
と、驚き騒ぐなか、

建御雷之男神さは、意にも介さず、
無言のまま、ご自身の腰に帯びた十拳剣を抜かれた
のです。

刀剣と雷の神です! いよいよ、争いになるのでしょうか?

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―次回へ。

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