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少名彦神の祝い酒 神功皇后十七 神話は今も生きている ことの葉綴り六一八

深まる秋 空を見上げて

おはようございます。日暮れが早くなり秋の深まりを感じますね。
皆さん、お元気ですか? 風邪ひいたりしていませんか?
私は、空が美しいので、いつも空を見上げている気がします(^^)
さて十一月八日(月)の暦からご紹介です。
六曜は「先勝せんしょう」で、午前が吉。急用によく、先んじることで幸を勝ち取れる日。十二直の「おさん」は、物事を納め入れる日。買い物、新築、五穀の取り入れに吉。二十八宿は「ひつ」。祭祀、お参り、建築工事の開始、不動産取得、祭儀に吉。
そして、吉日の、婚礼によく天が人々を慈しむ「母倉日ぼそうにち」と、ご神事によい「神吉日かみよしにち」で、神社へのお参り、ご先祖供養にいい日です。
週初めですし、お参りにいく時間がなくても、ご先祖や神さまに手を合わせてみてはどうでしょう。
今週も、お元気でお過ごしくださいね。

<ことの葉綴り>全体のご案内
この「言の葉綴り」は、神話の物語を神さまごとに「マガジン」に分けて読めるようになっています。
「神さまも“失敗して成長した”」と、魅力的な神さまごとに18のマガジンに分かれています。全体のご紹介は、こちらをどうぞ。
600回の節目に、まとめてみました。


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神功じんぐう皇后、これまでの物語>

神功じんぐう皇后さまの御子品陀和氣命ほむだわけのみことさまは、「皇位を継ぐ太子ひつぎのみこ」とご神託をうけて誕生しました。
けれど、忍熊王おしくまのみことの間に、皇位継承問題がおきたとき、「御子は亡くなった」と、“死人”と偽ったことから、重臣で、審神者さにわ建内宿禰たけしうちのすくねと共にこの“穢れ”を祓う禊の旅へでます。
そして、越前の角賀つぬがで禊をおこない、土地神から「我が名を御子の御名と取り替えたい」と、ご神託が降りたことで、禊を無事に終えることとなります。
この神は、御食津大神みけつおおかみ、また氣比大神けひのおおかみ(気比大神)と名前を替えられて、福井県敦賀市「氣比《けひ》神宮」に今もお祀りされています。

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母がかもした祝いの待酒まちざけ

幼い御子の品陀和氣命ほむだわけのみことさまと、建内宿禰たけしうちのすくねは、禊を終えて、大和の国へと戻ってきました。
神功じんぐう皇后さまは、御子の無事の帰還を待ちわびており、元気な姿にたいそう喜ばれて、祝いの宴を催されました。

御子のお祝いのために、神功じんぐう皇后さまは、母として待酒まちざけかもして待っていました。
待酒まちざけとは、自分の待つ人が無事に来ることを祈り
待ちながら醸造しつくったお酒
のことです。

それはそうですよね。まだ幼い我が子を、はるか遠い旅路へと送りだしたのですもんね。
電車も車もない時代ですし、何がおこるか、どんな難関が待ち受けているのか……ともに旅をしている建内宿禰たけしうちのすくねに、委ねるしかありません。
日々、祈り、御子の無事と禊の成就……母の強い祈りを感じますね。

品陀和氣ほむだわけよ、よく禊を成し遂げて還ってきましたね。なんとめでたいことか。
さあ、母のつくった待酒です。

宴の席で、母は、幼い御子に、この待酒を差し出しました。
御子の隣には、御子を見守り旅を共にしてきた建内宿禰たけしうちのすくねが、誇らしげに嬉しそうに見守っています。

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神功じんぐう皇后、祝いの御歌

御子に待酒を差し出すと、神功じんぐう皇后さまは、立ち上がり御歌を詠まれたのです。

この御酒みきは 
我が御酒みきならず
くしかみ 
常世とこよいま
石立いはたたす 
少名御神すくなみかみ
神壽かむほき 壽《かむほ》き狂ほし
豐壽《かむほ》き 壽《かむほ》きもとほ
まつ御酒みき
さずせ 
ささ


この祝いの御酒みきは、私が醸したものではありませぬ
これは、酒を司られる神
常世の国においでになる
石神としてお立ちになっている
少名彦すくなびこの神さま(少名毘古那神)が
この寿ぎのために祝い踊り狂い
踊り巡りて醸して
献上してくださった御酒みきなのです。
さあ、残らずに飲み干してくだされ
さあ、弥栄いやさか 弥栄!!

神功じんぐう皇后さまの母としての、喜び、祝福が伝わってきますよね。

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少名彦神すくなびこなのかみの祝福の酒

と、神功じんぐう皇后さまの御歌に登場された神さま。
覚えていらっしゃいますか? って初めての方もいますよね。
少名彦すくなびこの神さま、少名毘古那神!
私、大好きな神さまなのです。
出雲の神話に登場される神さまで、とっても、とっても小さくて、でも知恵深くて、大国主神おおくにぬしのかみさまの“相棒”で“親友”で、仲良く“けんか”したり(笑)。
温泉を見つけられたり、お酒を造られたり、そしてご一緒に国造りをされて、そして、ある日突然、常世の国へと還られた神さまです。医療の神様でもあります。
私が、お正月と節分にご祈祷をさせていただく、神社のご祭神でもあります。
日本で最古のお宮、奈良県の大神おおみわ神社さまにもお祀りされています。

よかったら、楽しい小さな神さまの物語をご覧くださいね。↓

この|少名彦《すくなびこ》の神さま、少名毘古那神さまが、お祝いのために、大喜びで踊り狂われて醸してくださったお祝い酒!

ものすごく楽しそう。でもすごく酔っちゃいそうですよね!
さあ、弥栄、弥栄!
そして、おめでたい祝宴は続いていきます!

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―次回へ
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