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邇邇芸命さま恋の行方は? 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百五六

木花佐久夜毘賣の返事は……?


「ことの葉綴り。」今日も書いているあいだに、西日が射してきました。

さて今日は、筑紫の日向の高天原に天孫降臨した
邇邇芸命さまの「恋」の物語の続きです。

ある日、朝日が昇り夕日が沈む笠沙の岬で
出逢った、見目麗しい美人(をとめ)の名は、
木の花の美しい姫神
木花佐久夜毘賣
(このはなさくやひめ)
と、いいました。
まさしく、桜の花が美しく咲き誇る桜の女神

その可憐な美しさに一目惚れをした邇邇芸命さまは、
そなたを見た瞬間、愛おしいと思った。
妻になってほしい……どうだろう?

と、いきなりのプロポーズをしたのです。

出逢ってすぐのプロポーズ

邇邇芸命さまも、ご自身できっと驚かれたでしょう。

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突然、見ず知らずの神からプロポーズに
驚いた木花佐久夜毘賣(このはなさくやひめ)さま。

あの~
あの~

私だけでは、それは……お答えすることはできません。
私の父の大山津見神に、お尋ねくださいませ。

ようやっと、そう返事をすると
木花佐久夜毘賣(このはなさくやひめ)さまは、
恥ずかしそうに走り去ってしまいました

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三姉妹の父神・大山津見神

「あなたの娘さんを、お嫁さんにください」

と、邇邇芸命さまは、姫神の父である大山津見神さまの
もとへと、正式に使者を出しました


さて、大山津見神さまとはどんな神さまでしょう。
山の神さまで、
伊邪那岐命・伊邪那美命さまの
国生みのときに、生まれた神さまで
また、多くの神さまの父神でもあります。
よかったら、「ことの葉綴り」の其の六三をご覧くださいね。

覚えていますか?
須佐之男命さまが、八岐大蛇退治で救い、妻となった
櫛名田比売
さま。
その親の足名椎・手名椎も、大山津見神の子とされています。
八俣の大蛇退治の物語」はこちらをご覧くださいね。
「ことの葉綴り。」其の百十四

大山津見神さまの、「やまつみ」とは
山を持ち坐(いま)すという意味で、
名のごとく山を司る神さまで、
大山祇(おおやまつみ)、大山積とも書きます。

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愛媛県のしまなみ海道の瀬戸内海の真ん中にある、
大三島の「大山祇神社」さんが、
全国にある大山祇神社大と三島神社の総本社として知られ、
山、海、武の神として有名です。

境内には、樹齢二千六百年の大楠のご神木がご鎮座しています。
この大山祇神社をはじめ、森林列島には、
山の神さまをお祀りする神社が一万社以上あります。

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天孫の邇邇芸命さまが、恋に堕ちた、木花佐久夜毘賣さまは、
この大山津見神さまの娘で、三姉妹のなかの一人でした。
ほかにも物語で、この後、すぐに登場する
石長比売(いわながひめ)
木花知流比売(このはなちるひめ)との三姉妹でした。

ちなみに、木花知流比売(このはなちるひめ)は、
お名前から、桜の花びらが散りゆくときを表していますね。
この姫神は、須佐之男命様と櫛名田比売の子の、
八嶋土奴美神(やしまじぬみのかみ)と、ご結婚されて、
布波能母遅久奴須奴神(ふはのもぢくねすぬのかみ)を
お産みになります。
このお子神が、大国主神様の曾曾祖父にあたります。

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つながっていますね~

この山の神・大山津見神さまに、

「あなたの娘の木花咲夜比賣を妻に娶りたい」

邇邇芸命さまの使者の突然の来訪と
娘を欲しいというプロポーズの言葉に
大山津見神さまは、どうお答えするのでしょうか?

邇邇芸命さまの恋は成就するでしょうか?

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―次回へ。

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