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送り返された姫神 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百五七

恋の成就?


こんにちは。朝のお仕事の後、「ことの葉綴り。」に向かいます。

ある日、桜の花が美しく咲き誇る桜の女神
木花佐久夜毘賣(このはなさくやひめ)さまに
一目惚れをして、突然のプロポーズをされた
天孫の邇邇芸命(ににぎのみこと)さま。

私は……お答えすることはできません。
私の父の大山津見神に、お尋ねくださいませ。

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と言われた、邇邇芸命さまは、
早速、と、山の神である、父、大山津見神さまのもとへ
「あなたの娘神を、私の嫁にもらいたい」
と、使者を出しました。

なんと、ありがたいことか。

山の神である大山津見神さまは、
天照大御神さまのお孫である
邇邇芸命さまの娘神へのプロポーズを
それは、それはたいそうよろこばれたのです。

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そして、大山津見神さまは、
多くの結納の品々とともに、
邇邇芸命さまの元へ
娘神を、嫁がせたのです。

邇邇芸命さまの一目惚れの恋は
成就した……。
目出度い!!  
の、ですが……。
ですが……。
さて、何があったのでしょう?

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二女神の嫁入り

実は……
邇邇芸命さまの元へ嫁いだのは、
木花佐久夜毘賣……
だけではなかったのです。



嫁入りしてきたのは、
邇邇芸命さまが、一目惚れをした
美しい桜の姫神、木花佐久夜毘賣と一緒に
父の大山津見神さまは、姉の石長比売(いわながひめ)さま
も、邇邇芸命さまの元へと嫁がせてきたのでした。

邇邇芸命さまも、
ええ~~どうしたものか……。

それには驚かれました。

もちろん、一目惚れをした、木花佐久夜毘賣さまを嫁にもらうのは嬉しい……。
でも、まさか、もう一人……。

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姉の石長比賣(いわながひめ)

邇邇芸命さまは、石長比売さまのお顔をご覧になると
よけいにお困りになりました。

石長比売さまは、妹の見目麗しい木花佐久夜毘賣とは
まったく似ていませんでした。


神話には、『甚凶醜きによりて』と、あります。

ひどく醜い容姿だった……のです。

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さぁ、邇邇芸命さま、どうされたと思います?

『見畏みて返し送りて、ただその弟木花の佐久夜毘賣を留めて、
一宿(ひとよ)婚(まぐはひ)したまひき」

邇邇芸命さまは、
醜いお顔の石長比売さまを、嫁としてもらうことなく
「お姉さんには、引き取ってほしい」と、
大山津見神さまの元へと、お返しになりました。
恋をした木花佐久夜毘賣だけを留められたのです。
そして、その夜、寝所に入られて、佐久夜毘賣さまと
一夜、契りを結ばれたのです。

邇邇芸命さまの、恋は成就した、といえば
したのでしょう……。


娘神を二神、邇邇芸命さまに差し出した大山津見神さま、
大切な姉娘の石長比賣を送り返されて、相当なショックを受けられました。

そして、邇邇芸命さまに、長いお手紙をお出しになったのです。

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―次回へ。

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