天照大御神さまの言よさし 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百二五

神話の物語　ふりかえり

こんにちは。今日は一仕事を終えて、「ことの葉綴り。」に向かいます。
明後日7月5日は、山羊座の満月。そして7日の七夕と、
世空を見上げるの楽しみが続きます。
お天気がよいといいですね。

さて、神話の物語。
神さまも、さまざまな“失敗”を経験されて成長されていく神話。
そこには、今を生きる私たちへの“ヒント”もいっぱい。
これまで、「ことの葉綴り。」では、神話を通して
「神道のこころ」を綴ってきました。

今日から、神話『古事記』の物語の続きを
綴っていきたいと思います。
これまで、どんな神さまの物語を綴ってきたかを
ふりかえっておきます。

と、ふりかえりなので、更新順ではなく、
神話『古事記』の物語の順番でご紹介してみます。

もし、まだご覧になっていない方で、
ご興味あれば、お目を通していただければ幸いです。

最初の、神様も失敗して成長した「ことの葉綴り。」１２回

不完全の完全　日本の神さま

初めてのご夫婦神は、国生み、神生みをされて、
生と死の世界に別れた、初の“離婚”もされた
伊邪那岐伊邪那美さまの物語は、「ことの葉綴り。」４７～９０回

マザコンで荒ぶるアウトローは、愛する比売と出会い、英雄神へ。
須佐之男命さまの物語は、二度に分けて綴っています。
「ことの葉綴り。」１３回と１４回　短めバージョン

須佐之男命さま　じっくり編「ことの葉綴り。」９１～１１８回　

こ須佐之男命さまの中に、心に傷を負い「天の石屋戸」にお隠れになり、
太陽の姫神へと成長された天照大御神さまが
登場するのは、９４～１０８回

いじめられっ子から、国造りの神様へ成長された
大国主命さまの物語は、「ことの葉綴り。」１５回～４３回

国造りを成し遂げた大国主神さま

さて、物語は、大国主神さまが、
大親友の相棒の少名毘古那神様との
突然の別れを、嘆き悲しんでいるところに
大物主神さまが登場されたくだり。
大物主神さまは、
大国主神さまの「幸魂・奇魂」だった……。
そこには「一霊四魂（いちれいしこん）」という
古くからの「霊魂観」がありました……。

森羅万象に宿る目に見えない力の象徴でもある
大物主神さま。
大国主神さまは、その神さまを、三輪山へお祀りしました。
すると、出雲の国を中心にして
葦だらけの大地に、
豊かな稲が実ったのです。
ここに、大国主神さまは、使命であった
国造りを成し遂げられたのです。
大国主神さまは、そこをよく治められて
出雲の国は、豊かになりとても栄えていきました。

大国主神さまは、これまでの長き道を
感慨深く思い出されたことでしょう。

天照大御神さまの長男

そして物語は、地上から高天原の天上界へとうつっていきます。

天照大御神さまは、高天原から
地上の葦原中つ国の、ご様子をご覧になっていました。
弟神の須佐之男命さまが、地上へ降り、
八岐大蛇を退治し、その尾から出た剣を献上してきました。
それが「草薙の剣」です。

弟神も心を入れ替えられ、立派に地上で愛する家族と暮らし
それから、根の国へと赴いたのです。

その子孫である大国主神の国造りも
ご覧になっていました。

そして、あるとき、高天原の神々にこう仰ったのです。

「豊葦原の千秋長五百秋の水穂國は、
我が御子、正勝吾勝勝速日天忍穂耳命の
知らす国ぞ」と言よさしたまひへ、天降したまひき。

「豊かな稲穂の実る水穂の国は、我が子の
天忍穂耳命（あめのおしほみみの）の治める国である」
そうおっしゃって、地上に降りるように命じられました。

覚えていますか？
正勝吾勝勝速日正勝吾勝勝速日天忍穂耳命（まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと）を？

天照大御神さまと須佐之男命さまが、
天の安河での「誓約（うけひ）」のときに
神生みをされたとき、須佐之男命さまが
天照大御神さまの、髪飾りの勾玉を、口の中で噛み
噴き出した息が霧となり、最初にお生まれになった男神さま。

「言よさす」とは、天照大御神さまの父、伊邪那岐命さまが
天照大御神さまに「高天原をしらせ」と、仰ったように、
もう決まったこと、として、伝えること。絶対命令でもあります。

御子の天忍穂耳命（あめのおしほみみの）さまをお呼びになり
地上の葦原中つ国へ降りて、水穂國を統治するように
命じられたのです。

天照大御神さまは、父と母の伊邪那岐伊邪那美様が、
つくられた国を、地上にいる国つ神よりも
天上の天つ神が統治したほうがよいだろう。

そうお考えになられたのかもしれません。

そこで、長男の天忍穂耳命（あめのおしほみみの）を
地上に使わせます。

さぁ、天照大御神さまの思惑は、うまく運ぶのでしょうか？

ここから、また新たな展開が起こりそうです！

―次回へ。