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私の本棚① 「暇と退屈の倫理学」

たくさんの本に囲まれるというのは結構心地よい。そういう気持ちが強い私の周りには本の山ができる。積読とは言い得て妙。

もちろん半分くらいは読んでいるし、中には一気読みをしたものもあるし、いつまでも撫でていたくなるほど気に入るものもある。

紹介する記念の一冊目は「暇と退屈の倫理学」である。哲学書だ。なかなか魅力的な本である。哲学書は大学時代など何冊かは読んだが、最近はあまり手にすることはなかった。先日本屋をぶらついていて、ふとタイトルが気になって衝動買いをした。何やら私のためになりそうな、とそう思った。

読み出すと、とても独特な語り口で、難しい哲学書というイメージはなく、すぐに引き込まれた。新旧様々な哲学者の話や引用があって、決して簡単な内容ではないのだけれど、なぜか先へ進まずにはいられなくなる。ある哲学者を完全否定したかに見えたと思うと、「本当にそうだろうか?」とか「別の角度から見てみよう」とかいう感じで更に掘り下げ意外な着地点を見せてくれたりする。そんなこんなで最後まで読んでしまった。

とにかく「暇」というものの分析で「第1形式」から「第2形式」そして「第3形式」の関係が面白い。私がどれだけ理解できているかは微妙なところだが、私の今はさしずめ第3形式であがいている状況だろうか。國分功一郎氏の著作を読むのははじめてだが、読み終えるとむくむくと様々な思いが湧きあがり質問してみたくなった。まあそれはもう少し哲学書を読んでからにしようと思う。

購入してから気づいたが、帯を若林正恭さんが書いていることも興味深い。

「暇と退屈の倫理学」
國分功一郎著
新潮文庫 2022年1月

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