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宝石と研究者の苦労が輝く、国立自然史博物館@ワシントンDC

映画ナイトミュージアムの舞台にもなった、ワシントンDCの国立自然史博物館(Natural History Museum)に行ってきました。

広い博物館の中で、特に印象深かったのが、宝石の展示。

十万個もの鉱石や宝石が、ダイヤモンド、サファイアなどの化学組成に基づいた鉱物群ごとに分類されていました。

世界中から集められた宝飾品も展示されており、ナポレオンが第二夫人にプレゼントしたネックレス、マリーアントワネットの所持品だったティアラなどを見ました。

何時間でも眺めていられるような宝石の数々。一つ一つの展示を十人弱で囲むように眺めながらふと、なぜ私たちはこんなに宝石に魅了されるのだろうと不思議に思いました。

調べてみると、私たちは生物学的に、宝石などのキラキラしたものに惹かれるそう。宝石の輝きは、水面での光の反射を思い出させます。つまり、キラキラしたものに惹かれるのは、生き延びるために水を求める本能的な欲求に基づいているというのです。

他にも、 青は天国や海、赤は心臓や情熱というように、色に対するイメージが、特定の色を持つ宝石の価値に影響を与えているとも言われています。

このようにたくさんの理由が考えられる中で、私はとある宝石学者の言葉に納得しました。

As soon as you cut a flower, it wilts. A sunset is beautiful but you can't capture or wear it. There is something so special and everlasting about nature's creation of minerals and rocks.(CNN: What's behind our obsession with gems?)

「花を切れば、しおれてしまう。夕日は綺麗だけれど、それをそのまま保存したり身につけたりは出来ない。その点において石や鉱石は、自然が作り出したものの中でも、特別に、永遠に残るものだ」。


もちろん宝石以外にも恐竜エリア、哺乳類エリア、海洋エリアなどの展示もあって、三時間かけても周り終わらず、体力が限界を迎えました。

これら一つ一つの展示は、その分野のプロたちの長年の調査や発掘活動によって成り立っているのだと思うと、人間の好奇心のパワーを実感できます。

自然の美しさを永遠に残す宝石に魅了された宝石学者のように、どの研究者も、研究しているそのものにしかない特別な魅力を、さらに発見するために人生を費やしているのでしょう。


We do science not because of what we know but because of what we don't know (研究は知っているもののためではなく、知らないもののためにするんだ)

これは、深海の生物を研究している学者の、若い世代へのメッセージとして紹介されていたものです。

社会にどんな利益をもたらすかが今すぐに説明できなくても、どんな秘密が眠っているかわからないという未来の可能性には、価値があります。

私たちが心から知りたいと思うものを、「知りたいから」という好奇心だけを理由に研究できる世界が、続けばいいなと思います。

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