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雲男。 テーマ曲 「闇雲」 &あとがき

「闇雲」

浅く吐く息は 夜を覚ます
もういいよ 目を開けてもいいよと言うけど
もういいよ 目を開けたくはないの
色褪せて潰れたどこかへ転がるみたい
舞うように 落ちた

明日を失くした
影を残さない 残さない
もういいよ 手を繋いだら行こうと言うけど
指の先さえ もう動かないの
青く枯れゆくのをどこかで待っていたのは誰?
遠い遠い 記憶

音を裂き 揺らぐ世界に耳を塞いだ
叫びながら
色は咲き 輝く生は目隠しをした
笑ったまま
透明なあなたに触れた
ぬるい光が通り抜ける
雲のように


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あとがき

「雲男。」を読んでくれてありがとうございました。

この「雲男。」は、私の若かりし頃の実話を元にしたストーリーです。

はじめて彼と出会ったのはもう15年以上前にもなりますが、そのシーンは衝撃的で色褪せずに鮮明に私の中に残っています。

書き始めた当初は、遠い昔の恋心を思い出して物語の中の自分と一緒にドキドキしていたのですが、さすがに後半からはその追体験がしんどくなりました。

だって今まで心の奥底に眠らせていた暗黒の時代をわざわざ掘り起こしたんだもの。

けれど、こうやって文字に書き起こして当時の気持ちを整理することで、今までモヤモヤしていた部分の雲が晴れたというか。面倒でまとめて心の奥底に眠らせていたものをいったん全部引っ張り出して、バラバラにして仕分け、それぞれあるべきところに収納してすっきりしたという感じですかね。

当時は出会わなければよかったとさえ思っていたけれど、彼がいたから今の自分がある。そう思えるようになりました。色々勉強になって成長できたし(笑)。苦しくもあったけれど、それまでの楽しい時間を過ごせたのは彼のおかげですもの。

もう会う事はないけれど、彼がどこかで幸せに暮らしていますように。


そして「闇雲」は聴いていただけるとわかるかと思いますが、「雲男。」の後半からの内容を元にした曲です。前半の脳内お花畑とはかけ離れているのでご注意くださいませ。。


そうそう、次はこの頃に出会った誰かとの物語をピックアップして書こうと思っています。「雲男。」を読んだ人は「あ、あの時のあいつ・・・」と楽しめるかと。乞うご期待。


それではまた。


猫井コーシュカ


\「雲男。」を最初から読む/




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