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圧倒的に不足する人事のプロフェッショナル

こんにちは、一条洪龍です。
外資系コンサルファームで組織人事コンサルをやってます。

つまるところ、僕は人事領域に関するコンサルティングをやっているわけですが、他人に自分の職業を紹介するときにいつも困ることがあります。それは、この仕事を説明してもうまく伝わらないってことです。

そもそもコンサルティングファームの仕事って、外部から見ていると結構謎なわけですが、そこに加えて「人事」ってのがよく分からないことが多いようです。

結果として「人事コンサル」というと、人材紹介業だったり研修講師業と誤認されることが多かったりします。悲しいことに、何度説明しても家族にも理解されないです・・・汗

さて、今回は「コンサル」の方は置いておいて、「人事」の方について書いてみます。

「人事」の方も、そもそも謎って方が多いのではないでしょうか?まず、周りに「人事のプロフェッショナル」と呼べる方、高度な専門性を持ってて人事を語れる方、どのくらいいますでしょうか。ITエンジニアや、経理財務のスペシャリスト、医者、弁護士など比較してどうでしょうか?

結論を言うと、人事のプロフェッショナルってものすごく少ないです。もうね、はぐれメタル並みです。なので、ちょっとどのくらい少ないか簡単に考察してみます。

まず、人事部はそもそも大企業にしかありません。。。大企業は、日本に占める企業全体のたったの0.3%しかありません。つまり、残りの99.7%の企業は人事部がない中小企業、ということになります。中小企業では人事機能はあったとしても、総務部の中に人事担当がいるような、いわゆる「ひとり人事」だったりするので、人事に関する高度な専門性を持った人材はほぼいないといった状況です。
一方の大企業ですが、大企業の従業員のうち「人事部員」は、一般的には100人に1人程度と言われています。その100人に1人の人事部員も高度な専門性を持っているかといえば、疑問符がつきます。

これにはいくつか理由がありますが、主要な要因としては、人事部のような部門は、フロント部門で通用しない低業績者が配置されやすいことによって、フロント部門と比較して相対的に優秀人材が少ないという傾向があるという点が挙げられます。また、日本の人事制度がいわゆるメンバーシップ型の総合職を基盤とした人事制度であるがゆえに、優秀人材が配置されたとしても、数年間でローテーションの対象となってしまうため「人事のプロフェッショナル」という領域に達する前に離任してしまうケースが多い点も挙げられるでしょう。

そうすると、ただでさえ少ない大企業の、ただでさえ少ない人事部員の、ただでさえ少ない優秀人材の、ただでさえ少ないローテーションで異動にならなかった人材、が消去法的に言えば「人事のプロフェッショナル」ということになります。

そういえば、最近では働き方改革とか人事に関連する経営課題だったり社会的要請が強かったりするわけですが、僕は人事のプロフェッショナルって圧倒的に不足しているんじゃないかと思います。

そんなわけで、このnoteでは少しでも人事について興味を持ってもらえる記事を書いていけたらと思います。

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