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身体と痛み、トラウマとヨガと太極拳についての長い話

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長く抱え続けてきた痛みについて、痛みがどこから来て、何を教えてくれるのかについて考える。痛みと向き合うために始めた太極拳とヨガについて書く。
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記事一覧

親にされて嫌だったことを自分のこどもに

「自分がされて嫌なことを人にはしない」ということをきちんと自覚して、自分の言動や行動を戒…

十谷あとり
14時間前

昼休みの過ごし方

いくつかの企業や団体でパートタイマーとして働いてきたが、どこにいた時も、昼休みの過ごし方…

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茶摘みの歌

母が退院する日、夫の運転する車で母を迎えに行った。退院したその足で隣市の特別養護老人ホー…

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新幹線の駅のホームで(2)

夜遅くに福山駅に着いた。駅のホームに、扉を開けっぱなしにした列車が止まっていた。運転手さ…

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新幹線の駅のホームで

母が突然「実家に帰る」とわたしを連れて出ることがあった。着替えを大量に詰めた袋を提げて、…

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蹬脚の部分稽古

ひとりで二十四式の練習をする時は、頭の中でT先生の声を聴きながら動いている。最後に稽古を…

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数枚の折り紙

幼稚園には二年通った。通い始めた時は二年保育の一年目のクラス、ふじ組にいたのに、いつの間にかわたしは二年目の子ばかりのもも組で過ごすことになってしまった。どういう事情でそうなったのか今となっては確かめようもないし、あり得ない話でもあるのだが、実際にそうだったのだから仕方がない。 もも組のこどもたちは当然のことながら幼稚園生活に慣れている。自己主張もしっかりしていて、強い。でもそれよりも困ったのは担任のM先生だった。 M先生は若い先生だった。背が高くて、当時流行していたミニ丈の

母が医療につながったきっかけ

一九九九年、平成十一年の秋、一人暮らしをしていた母がいよいよ精神のバランスを崩してしまっ…

十谷あとり
13日前
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〈目薬〉のありがたさ

ケン・ハラクマさんの『ヨガを伝える――すべての人によりよく生きる知恵を届ける』*という本…

十谷あとり
2週間前
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陰ヨガの話

陰ヨガのレッスンを受けると、その時点での身体の調子がよくわかる。身体がこわばっているとい…

十谷あとり
2週間前
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鮮烈なヴィジョン

情動の面を含め、体調が悪い時はひたすら眠い。だらだらと家事も何もできないまま横になってう…

十谷あとり
3週間前
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泣いているこどもがいる

鳩尾のあたりに小さいこどもがいる。その子はひとりで薄暗い隅っこに立っている。肩に力が入っ…

十谷あとり
3週間前
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Yさんに言ってしまったとっさのひとこと

職場でYさんという女性と働いていた時期があった。新型コロナ対策の厳しかった頃で、昼休みを…

十谷あとり
3週間前
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何のためにヨガをするのか 『トラウマをヨーガで克服する』より(2)

ヨガを習うことで、身体の痛みを何とかしたかった。硬い身体をほぐしたかった。股関節の動きがよくなれば、太極拳の上達につながるかもしれないという期待もあった。三年ほど通ううち身体の状態は改善してきた。ただ、わたしという人間にふさわしく、変化は目にみえづらく、とても遅いものだった。 『トラウマをヨーガで克服する』という本を読み終わって気付いたことがある。 わたしはどうやら無意識のうちに、ヨガをすることで普通に、人並みになりたいと考えていたようだ。今までできなかった動き、アーサナがで