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2 いいとこ探し

 否定だらけの社会をよくしたい。

 そんな情熱にも似た思いで考えていたところ、「子どもの頃から学校で人と比べられてばかり」という言葉を思い出した。教育の相対評価のことだ。

 相対評価には反対だ。クラスメートと比べられる相対評価よりも絶対評価の方がいい。その子どもがどういう人間なのかを見てあげた方がいいと思う。

 なんなら評価さえしなくていい。教育とは「育てる」ことなんだから。教育が「評価する」ことになってしまっていて悲しい。

 だってその弊害は大きい。低い評価をされた子どもは、自分はダメな人間だと思い込む。社会に出ても劣等感に悩まされることになる。

 逆もある。良い評価をされた子どもは自分は大層な人間だと過信する。友だちを軽蔑する高慢な井の中の蛙が出来上がってしまう。

 これでは「教える」ことに傾きすぎていて「育てる」ことがおざなりではないか。

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