小宮

梨はおいしい

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梨はおいしい

最近の記事

発芽

熱が出た。 仕事が終わって病院の再診を終えてから家に帰り、嫌な予感するなーと思っていたら案の定体温計が38.0℃を指し示していた。 とにかく栄養を摂らないと行けないと思い、学生時代に熱を出したときに母親がよく作ってくれた肉うどんを作ることにした。 一人暮らしの時に出る熱は、ひどく寂しい。 ぐつぐつ煮立つうどんをじーっと見ているだけで自然と涙が溢れてくる。 自分は今、どうしようもなく1人なんだということを思い知らされる。 家族は俺のことを愛してくれていたんだな。 薄味のうど

    • 浮き足立つ頭

      死ぬほど憎んだ人にされたことを他の誰かにしてしまうこと。被人道的なことを言っていた友達を軽蔑した目で見た次の日に同じことをしてしまうこと。 自分を模る基盤がこれらであることは微塵も否定できないくせに、それらに生かされてる実感が乏しい。 想像力の欠如とでも言うのだろうか。 ずぶりと刺されて殺される思いを何度しても同じことを繰り返してしまうことは。 これが自分の生き様だとしたらなんと無様で救いようのない生涯なんだろう。偽りの安寧を築いたところでなににもならないと分かっているのに

      • 優位

        就職活動が終わった大学4年生たちは卒業まで何をしているんだろう。ゆるりと流れていく時間に身を委ねることしかできない。過ぎゆく時間には戻ることも逆らうもできないという当たり前に傷心する謎の成人男性がここにいます。1日1日の気温の変化に浮き沈みする日々はいつまで続いてくれるのだろうか。 それっぽいことを言って、それっぽく振舞って、それっぽく生きてみても、俺なんかはサチ子の吐くこの一言に到底及ばないわけです。目に見えて上っ面のものを見下していても、本質なんて結局分からない。見識を

        • 今日からまたnoteを書く、という意思表示

          5月

          ・高校までは地方でのびのび暮らすのがいいと渋谷の街を歩いていて思った。渋谷の高校生カップルは座る場所を探すのすら大変そう。 ・paioniaのライブが本当に良かった。胸がいっぱいになったしなぜか死にたくないなーって気持ちになった。 ・開演まで暇すぎて勇気を出して隣にいた男性に話しかけてみた。同い年くらいに見えたが社会人の方で静岡から観に来たらしい。すごくいい人だったし話していて楽しかった。何事も一歩踏み出すことで人生をより豊かにできるみたいだ。 ・というかpaionia

          2023.2.22 三日月

          空を見上げたら綺麗な三日月が出ていた。 駅のロータリーを早足で歩く人たちは目線を足元に落とし、そんな風景には目もくれていなかった。綺麗なものを綺麗と思うのは意外と難しいことなのかもしれない。 しかし、そのことに気づいた外国人のお姉さんと優しそうなおばあちゃんが携帯を取り出して歩道の脇で写真を撮り始めた。この月に気づいたのはたぶん僕たち3人だけですよ、と声をかけたかったが、もちろんやめた。 バイト先のお店は結構混んでいて、久しぶりにものすごく大変だった。忙しくててんやわんやに

          2023.2.22 三日月

          おい!!!!

          それでは小宮さんの働く目的を教えていただけますか? はい!私の働く目的はカクカクシガジカでホニャホニャです! なるほど、そうなんですね!ではこれについてはどうお考えでしょうか? はい!そちらに関しましてはナニナニで〜... いい加減にしろ!!!なんだよこれ!!! キメ〜就活を始めた当初は常にこんなことを思っていたわけですが、人間というのは不思議と環境に順応するもので今では嫌悪感を抱くことが大分少なくなりました。(忌み嫌ってもどうせやらなきゃいけないから諦めがついた?)それ

          おい!!!!

          夏が終わり、オラー!

          気がついたらカレンダーは10月18日を示しており、暑い夏は身を引く準備を始めているようだった。でもなぜか、汗でびしょびしょになって「エアリズム全然涼しくないじゃんか!」とブチ切れる生活がもうすぐ終わると思ったら急に夏のことが愛しくなってきた。かわいいね、夏。 自分は年中「俺一番好きな季節夏なんですよ!」とか「あーあ、夏まだかなー!」とか豪語している人間である。しかしいざ始まってみるとその威勢の良さは熱で溶け出してなくなり、夏が抱かせる幻想に過ぎなかったことを思い知らされる。

          夏が終わり、オラー!

          二流でも自分の道を進むしかないと決意を決めた数年後に、就活というフェーズで一流へとなり得たかもしれない影を幻視する生活を送ることを余儀なくされた。それが自分を苦しめていることは明らかなのだが、当然逃げることも目を逸らすこともできない。どうしたらええんだ、と。

          二流でも自分の道を進むしかないと決意を決めた数年後に、就活というフェーズで一流へとなり得たかもしれない影を幻視する生活を送ることを余儀なくされた。それが自分を苦しめていることは明らかなのだが、当然逃げることも目を逸らすこともできない。どうしたらええんだ、と。

          正直者はすぐに死ぬ

          退廃を気取っていたら鬱病のようになってしまったし、嘘を重ねていたら自分の本当の気持ちが分からなくなってしまった。人生ってそういうもんなんすか? 文豪に影響され最もらしい美学と大義名分を掲げるも、所詮は受け売りでしかなく、それに呼応する一貫した言動など当然取ることはできない。 それでもなんとかそれを自分のものにしようともがいた結果が、これである。 今までの愚行のつけが回ってきている。 祈っていた青春も過去になるみたいだ。 透明な俺はどこへ行った!

          正直者はすぐに死ぬ

          反芻

          1つ前の投稿にもある通り、つい先日自分が本当は教師になりたかったことに気づいたわけである。だがしかし、教職課程を取らないまま大学4年生になってしまった自分には当然そんな夢を実現することができない。泣きそうですが、それはそう。 思えば、自分は人生のあらゆる局面で選択を間違えてきたような気がする。 日本の高校に進学するため中学1年生の時にアメリカから帰国したこと、部活を真剣にやらなかったこと、日本の生活に順応してしまったこと、名前も知らない女の子を抱いてしまったこと、仮面浪人を

          神様、2011

          「ああ、俺は先生になりたかったんだ」 自分の中に隠れていた欲望が、突然ひょっこりと顔を出してきた。 いつものように4限の日本文学の授業をぼんやり聞いているとき、何気なく先生の顔に目を移してみたら、ふとそんなことに気づいてしまった。 微かに笑みを浮かべつつ、淡々と作家とその作品について解説をしている彼女が、とても、ほんとうに、羨ましく思えた。 生徒たちと楽しく会話を交わしたい。 朝のホームルームで連絡事項を伝えたい。 部活動を担当して休日を潰したい。 球技大会を日陰でのんび

          神様、2011

          腹が立つ

          最近はもうなんか色々なことに腹が立つ。 誰かと一緒にいないと生きられない大学生、他人を見下しているボディービルダー、話が長い教授、大学生のようなノリのバイト先のパートたち、突如関係を断たれたネットの友達、采配の意図が読めない贔屓球団の監督。その他もろもろ。とにかく色々なことに腹が立ってしまう。 逆に、ものすごく機嫌がいい日もある。 今まで自分は全く気分屋ではなくて、常に情緒が安定しているタイプだと思っていた。でも本当は全くそんなことなくて、完全に気分屋。色んなことに情緒が

          腹が立つ

          2020.9.24 無臭

          寝不足の頭にthe HIATUSを聴かせる。 午前10時45分、家には誰もいない。 冷ややかな空気を身に纏い、重い体を軋ませる。 昨日はなにをしたっけ、 俺は大人じゃないからよく覚えてないや。 刹那的は望んでいないから、 細くていいから息をし続けてくれないか。 2枚の毛布では防ぎきれない不安と焦燥。 ガラス越しに見る青い雑木林。 やっててよかった機械式。

          2020.9.24 無臭

          気に病むことはない

          最近、日常の些細なことの中に「死」の存在を意識してしまう。友達との会話、テレビの報道、読みかけの小説など、その感情を喚起するものは様々だ。前にも書いたことがあるが、自分は常に「死」を意識して生きることを心がけている。命あるものに終わりは来る、という桎梏を。だが、最近のそれは今述べたように、能動的に自分で考えて感じるのではなくて、受動的に向こうからやってくる。ただ疲れているだけなのか、あるいは自分の死期が近いことを脳が示唆しているのか。どちらにせよ、やり残してるがまだまだいっぱ

          気に病むことはない