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大人になってサボるのがうまくなった

会社を休んだ。特に体調も悪くなかったし、寝不足というほど寝不足でもなかったのだけど、どうしても会社に行く気持ちになれず、一度起きて猫に餌をあげてすぐ、ベッドに戻ってしまった。同居人は「いいんじゃない?」と笑いながら、寒空の下、出社していった。その背中を見ながら(えらいなあ)と他人事のように思いながら、まだ2人分の体温が残るベッドに戻ると、あたたかくて心地良い重力が身体を包んだ。「あぁ、私って私に愛されてる。私、私を大事にしてる」心と体がほぐれて、すぐに眠りに落ちた。

別に悲しいことがあったわけじゃない。ただ、心のHPが切れてしまって、身体も疲れてしまっていた。ただそれだけで会社を休むなんて、良くないのかもしれない。会社を休むときは、休まなければならない理由が必要だと思われているから。

でも、私には必要だった。

休む必要があったかは分からないけれど、私に今日の休みは必要だったと思う。週末に溜まった仕事を片付けるための時間は確保してあって、冷静に判断した部分もあるのがちょっぴりずるいけど。

贅沢な二度寝から目覚めて、レンタサイクルに乗って区役所へ。紛失したマイナンバーカードの再発行をお願いして、ラーメンを食べた。猫の爪とぎを買って、安い服屋で靴下を二足買った。再びレンタサイクルで帰路につき、最寄りのコンビニでティラミスを買って、家に戻って進んでいる自主制作映画の編集作業を振り返りつつ、また少し落ち込んだ。今は、今年まだ選べていないふるさと納税をチョイスしながらnoteを書いている。

とある記事で読んだけど、人は「やらなきゃいけないことに手をつけられていないとき」にかなり強いストレスを感じるらしい。私なりに、出来ていないことが溜まっていたことに負担を感じていたのかもしれないな、と思う。

昔はきっと、会社を休んでこんなに行動できなかったと思う。やってはいけないことをしている罪悪感にさいなまれて、結局ベッドの上でなんとなく具合が悪くなって沈んで、自分の中のストレスを育ててしまっていたんじゃないかな。大人になって、サボるのがうまくなった。きっと、他人からの評価を気にしなくなりつつあるんだろうな。大人あるあるなのかも。

そうだ。最近こんな話を聞いたのも理由かもしれない。

人間は、生物の中でトップクラスに「未熟な状態で生まれてくる」。生まれた瞬間に立てて走れる動物や、生まれて数日で求愛行動を始めて番とともに子作りを始める生物がいることを考えると、確かに人間の成長は遅い。生まれて10数年かかって身体が成長してやっと生殖機能の成長が始まり、それでもまだまだ精神は未熟だ。そしてなんと、人間の中で最も複雑な臓器である「脳」が成熟するのはだいたい25~30歳くらいらしい。

日本では成人が18歳とされているわけだけど(私が成人したのは20歳だけど)、それから数年後にやっと脳が成熟する。33歳の私って、まだまだ赤ちゃんじゃん、と思った。まあその数秒後に、25~30歳で脳が成熟して、30代後半くらいからもうすでに物忘れとか老化が始まるの、人間の身体バグすぎるだろ、とは思ったりもするのだけれど、そっちはいったん棚に上げておく。

とりあえず、33歳なんてまだまだ、まだまだだなと思えている。そして、まだまだなりに、焦りにも駆られながら、私なりに私を愛して生きていく。今日は良い日だったので。未熟すぎる自分の撮った映画をどうにか形にしていくために、少しずつ進もうと思います。がんばれ私。大好きだよ、私。

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