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大学で勉強する時のワザ まとめ

注:この文章の経緯についてはその0をごらんください。

長くなってしまったので,まとめたいと思います。
ここまで,「大学生になりたての人に送っていた言葉たち」「大学で勉強する時のワザ」と称して大学初年度講義の際に取り上げてきた内容を書いてきました。

「大学生になりたての人に送っていた言葉たち」では,4月につまづきがちなこととして,事務処理を自分でこなすことについて書きました。与えられた情報の中から自分に必要なことを集めて,必要な手続きを期日までに終わらせる,というだけのことなのですけど,慣れない人には難しいことです。社会人になってもずっと必要とされる力なので,ここを人任せにしないで自分できちんとこなすようにしましょう。

また,高校と大学の勉強の違いについても書きました。今まで書いてきたことに補足するとすれば,自分が自分の時間でこなせる分量のことに取り組む,という姿勢を身につけることが大切だよ,ということです。高校までの勉強は,いわば「定食」で,一人分がこなせる内容があらかじめセットされていて「出されたものを全部食べる」という姿勢で十分やっていけました。定食なので,人によっては足りなかったり多すぎたりして困ったこともあるかもしれませんが,大部分の人にとって満足する分量が考えて出されていました。大学以降の勉強は,いわばビュフェの食事です。食べるだけではなくて,その前に,自分の食べるものを適正量選んで盛りつけるという作業が必要になります。全部おいしそうに見えても全部は食べられません。逆に,自分で取りに行かないと待っているだけでは何も食べられません。好みを考慮しつつもバランス良く,トータルの分量を考えて学ぶ内容を決めましょう。欲張って,食べられる分量以上盛り付けてしまうと,美味しく食べられないし残してしまったときに後悔が生まれます。大学の勉強も同じで欲張るとあれもできなかった,これもできなかった,と後悔することになります。よーくメニューを見て,ここでしかできない体験を選んで,十分時間をかけてじっくり味わいましょう。

一昔前の人は,「なんでも精一杯やれ」というかもしれないけれど,今の世の中ひとりの人ができることが多すぎるのでなんでも精一杯やったら倒れます。精一杯やった時を満点にすると,ほとんどの科目が半分くらいになってしまいます。やらないこと,手を抜くことをどうやって決めるか,自分の合格点をどこに置くか。ここで練習しておきましょう。周りに言われるがままに「自分のやるべきこと」を増やさない練習,大事です。とくに子育てを始める前に。今のお母さんたちは,自分が小さい頃の「満点は,頑張れば取れるもの」という成功体験のもと,過去のお母さんたちのはるかな願望を満点にして生きてる気がします。満点取れないのは頑張りが足りないのではなくて,目標設定がおかしいのよ。

話がそれました。

「大学で勉強する時のワザ」では,情報を吸収する方として,講義の受け方ノートの取り方),文章の読み方情報の集め方と選別,情報を発信する方として,文章(レポート)を書くことプレゼンの作り方などについて書いてきました。真ん中には図書館の話もありました。
今読み返すと勉強のワザというより私の流儀の紹介という方が正しかったようです。いろいろ試してみて,自分なりに上手くいく方法を探して欲しいと思います。

ここしばらく,プレゼンの作り方のパートを書くために,10年くらい前の書類をひっくり返してあれこれ思い出しました。改めてみると,ここでやっていた授業は初年時の講義3〜4回分としてまあまあうまくまとまっていたのに,資料を整理していないからもう一度やれと言われたらまた最初から準備しないといけない状態だということがわかりました。私に次の機会があるかどうかはわかりませんが,思い立ったせっかくの機会なので,いつでも授業ができるように講義時に配布した資料などもふくめてまとめておこうと思います。これから何回かは,講義を受ける人向け,というよりは講義する人に向けた資料提供になればいいなと思います。

講義でもなんでも,喉元過ぎればなんとやらでやりっぱなしになるのは良くないですね。noteの場を借りて,残していきたいです。


#大学
#初年次教育

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